食品研究交流事業 令和3年度活動実績
令和3年度は,オンライン講演会を2回開催しました。
多数ご参加くださり,ありがとうございました。
第1回講演会「香りから考える食品開発」(令和3年9月15日開催)
近年,香りの効果が注目されており,食品開発においても,香りの制御による商品の高品質化や,差別化が期待されています。食品工業技術センターでは,それらのニーズに対応するため,昨年度から食品の香りの研究に活用できるGC-MSを整備し,企業様に設備利用等で御利用いただけるようになりました。そこで,香りに着目した食品開発について考える契機として,専門の講師によるオンライン講演会を開催しました。
参加者:58名
内容
講演1 食品のおいしさ,特徴に寄与する香気成分を捉えるための分析技術
(独)酒類総合研究所 研究員 岸本 徹 氏
食品,飲料の特徴(おいしさ、オフフレーバー)に 寄与する香気成分の解析の際に用いられる分析技術とそのポイントについて御講演いただきました。
講演2 食品開発の新しい視点 -味と匂いの連携がおいしさを造る-
九州大学名誉教授 下田 満哉 氏
味覚(呈味成分)と嗅覚(香気成分)が連携して機能する“食の嗜好性に関わる化学感覚”ついて,醤油香気の塩味・うま味増強効果に関する研究事例等も交えて御講演いただきました。
情報提供 食品工業技術センターの設備利用機器紹介
食品工業技術センター 技術支援部 主任研究員 藤井 一嘉
新規に導入したGC-MS「ガスクロマトグラフ質量分析装置」等,当センターの食品成分分析に利用可能な機器について紹介しました。
第2回講演会「食品製造プロセスにおけるDX・AI・データ活用」(令和4年2月4日開催)
近年,デジタル技術を活用して大きな変革をもたらすデジタルトランスフォーメーション(略称:DX)により様々な社会課題の解決や経済発展が期待されています。そこで,本講演会では,食品製造プロセスのDX・AI・データ活用に取り組む契機として,先進的な実践実績をお持ちの講師からその実例を御講演いただくとともに,講師との意見交換を実施し,今後の取り組みに向けたアドバイスをいただきました。
参加者:70名
内容
講演1 広島県が推進するDX・データ活用の意義・考え方
広島県総務局デジタルトランスフォーメーション推進チーム 主事 大久保 誠二 氏
広島県が推進するDX・データ活用の意義・考え方を解説いただきました。
講演2 食品製造プロセスにおけるAI・センサデータの活用方法とその実践例
近畿大学工学部 電子情報工学科 教授 学科長 竹田 史章 氏
講演3 中小食品関連企業における最先端のAI・ロボット・量子コンピューターの導入
一般社団法人 日本惣菜協会 AI・ロボット推進イノベーション担当 フェロー 荻野 武 氏
人・もの・金のリソースが潤沢でない中小食品関連企業において,最先端のAI・ロボットを導入するにはどうすればいいのか。現在,日本惣菜協会が推進している国家プロジェクトの具体的な内容を紹介いただきました。
意見交換
DX・AI・データ活用の始め方・着眼点,人材確保・育成,連携の考え方等について,これから取り組む参加者に対し,経験豊富な各講師からアドバイスをいただきました。