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令和5年度試験醸造酒「明魂」の文字

印刷用ページを表示する掲載日2023年10月12日

令和5年度試験醸造酒「明魂」の文字

 広島県立総合技術研究所食品工業技術センターで試験醸造している「明魂(めいこん)」というラベル文字は、90年以上の歴史と共に変化をとげています。明魂を味わうとき、「明魂」の文字にも着目してみてください。

 令和4年度からの「明魂」の文字は、比治山大学 石田信夫名誉教授によるものです。石田名誉教授にその「明魂」の文字に込めた想いについて伺いました。さらに今年は、紅葉のバックを入れた広島らしいイラストを加えたデザインを作成いただきました。

文字に込めた想い

 初代の「明魂」は草書体をもとにした素晴らしい字体でした。
2代目は、それをもとにして「明」の字を少し加工しています。ただ何回も使い回されるうち、細部がへたって勢いもそがれたようになっていたのが残念でした。
 ひょんなことから、3代目を手掛けることになり、楷書をやや崩して「明快さ」と「勢い」を併せ持つ字体を試作しました。全体的にややごつごつ感があるので、「明」の五画の払いに軽みを持たせました。

令和5年度明魂ラベル

 

石田信夫教授のご略歴

石田信夫 1952年、広島市生まれ。1974年、中国新聞社入社。文化部、編集委員室、論説副主幹を経て、2010年、比治山大学現代文化学部マスコミュニケーション学科教授、2023年、比治山大学名誉教授。
 20代より酒ラベルを収集。2021年 所蔵品を中心にしたラベル展「酒票の美―文字と意匠」を「筆の里工房」が開催。図録にラベル史の論考。
 著書は「海のかなたに蔵元があった」(時事通信社)「広島の酒蔵」(中国新聞社)「杜氏になるには」(ぺりかん社)、「妻の王国」「男が語る離婚」(いずれも文藝春秋)など。

 

過去の髭文字「明魂ラベル」

明魂高画質

 明魂は,以前は一升瓶で販売していました。このラベルは,一升瓶に貼るためのものです。石田教授の想いの中にある,初代,2代目の髭文字「明魂」の文字はこのように変化をしています。初代髭文字ラベルの写真は,石田教授にご提供頂きました。

令和3年度に使用した「明魂ラベル」は,2代目髭文字「明魂ラベル」を基に,4合瓶に合う形で,生まれ変わらせたものです。

 

*明魂は,まだ広島県立醸造試験場と呼ばれていた時の昭和4年からつくられています。

「明魂ラベル」の偏移

 過去の「明魂ラベル」は,髭文字以外の字体も使用され,販売経路やボトルの形状などに合わせて,変化をしています。

 明魂は,前年の研究に合わせた試験醸造酒であるため,販売する酒の味わいが異なります。明魂のラベルも,販売するときの想いを込めて,変化を遂げています。ぜひ,ラベルにも着目して,味わってみてください。

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