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保健研究部:貝毒検査について

印刷用ページを表示する掲載日2020年3月27日

貝毒とは

 ホタテ,カキ,アサリなどの二枚貝は,プランクトンを餌として生活しています。
 そのプランクトンが毒をもっていれば,その毒が貝の体内(特に中腸腺〔図1〕)に濃縮,蓄積されて毒化します(図2)。

カキ写真
図1 カキの中腸腺

フロー図
図2 貝の毒化の流れ

 この毒化した二枚貝をヒトが摂取した場合に食中毒を起こします。
 日本で問題となっている貝毒には,主に麻痺性貝毒と下痢性貝毒があります。
 麻痺性貝毒は,全国的に発生しており,全国での患者数は,昭和23(1948)年から令和元(2019)年までで174名です。また,平成25(2013)年以降,大阪湾で赤潮により有毒なプランクトンが高濃度で発生したことから,市場に流通していない貝の摂取による食中毒事例も発生しています。
 下痢性貝毒は,東北,北海道で主に発生しています。

貝毒の試験検査

 広島県では,貝毒の毒化状況の調査や毒化した貝類の流通防止を図るため「貝毒対策実施要領」を定めています。
 この要領に基づき現在,カキ,アサリ,ムラサキイガイについて麻痺性貝毒と下痢性貝毒の行政検査を行っています。
 麻痺性貝毒検査は,有毒プランクトンの発生しやすい海水温11~16℃になる3~5月と10~11月にマウス毒性試験で実施しています。この検査で可食部1gあたり2マウスユニット(MU)を超えた場合に注意体制, 4MUを超えた場合に出荷が自主規制となります。
 下痢性貝毒検査は,10~11月に機器分析法で実施しています。可食部1kgあたり0.05mgオカダ酸(OA)当量を超える検出があった場合に注意体制, 0.16mgOA当量を超える検出があった場合に出荷が自主規制となります。
 広島県では,過去に,麻痺性貝毒が発生しています。平成25年以降,規制値を超える発生はありませんが,過去には,規制値を大幅に超えた年(平成4年:240MU/g,ムラサキイガイ)もあり,継続的な貝毒の監視が必要です。下痢性貝毒は,これまでのところ発生が認められていません。

 保健環境センターでは,これらの検査を行うことにより,関連事業局と連携し食中毒の未然防止を図っています。

 マウスユニット(MU):体重20gのマウスを15分で死亡させる毒量を1MU
 オカダ酸(OA)当量:下痢性貝毒を引き起こす原因物質であるオカダ酸相当量の数値

貝食中毒の主な症状

麻痺性貝毒
 食後30分程度で口唇,舌,顔面のしびれを生じ,四肢の末端に広がるとともに麻痺に変わります。重症の場合は運動失調を起こし,呼吸麻痺で死亡することがあります。症状はフグ毒によく似ています。

下痢性貝毒
 食後30分から4時間以内に下痢(水様便),嘔吐,吐き気,腹痛の症状を生じます。発熱がないことでビブリオ中毒と区別できます。ほぼ3日で回復し,今までに死亡例はありません。

貝毒原因プランクトン

  麻痺性貝毒の主な原因プランクトンはアレキサンドリウム・タマレンセ,下痢性貝毒の主な原因プランクトンはディノフィシス・フォルティです。広島湾では,毎年3~5月(水温11~16℃)に麻痺性貝毒原因プランクトンが発生します。

麻痺性貝毒原因プランクトン
麻痺性貝毒原因プランクトン アレキサンドリウム・タマレンセ

下痢性貝毒原因プランクトン
下痢性貝毒原因プランクトン ディノフィシス・フォルティ

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