統計グラフを作ってみよう
統計グラフの作り方
グラフは「目で見る統計」と言われるように,数字だけではわかりにくいデータも,グラフに表すことで簡単に理解ができたり,意外なことに気づいたりします。
ここでは,統計グラフの作成について手順をまとめてみました。
1 テーマ(主題)を決めよう!
どういう目的で,どういうことを表したいかを決める。
あなたは,これから作る統計グラフで見る人に何を伝えたいと思っていますか。
グラフのテーマの例としては・・・
(1)現在話題になっていること(自然災害,環境問題,オリンピックなど)
(2)自分の興味のあること,好きなこと,得意なこと(スポーツ,友達,音楽,将来の夢など)
◇知りたい,調べてみたいと思うことが大切で,それがグラフ作りの第一歩になります。
2 決めたテーマについて調べよう!
テーマを決めたら,次はテーマについて調べましょう。
調べる方法には,次のようなものが考えられます。
(1)自分でアンケートをとったり,観察したりする。
(2)本や雑誌,新聞,インターネットなどで調べる。(図書館なども利用しましょう!)
探してみよう統計データ(総務省統計局「なるほど統計学園」の該当ページへリンクします。)
3 調べたことを整理しよう!
調べたことを表やグラフにして整理します。
(1)アンケート,観察の場合
・調べた時期(年月日や期間など)
・対象者・対象物(クラスの人,家族,通行人,自然のもの,車など)
・対象の数(何人,いくつなど)
(2)本や雑誌,新聞,インターネットなどの場合
・資料名(本の名前や調査名,インターネットの場合はアドレスなど)
・調査年度,調査日など(その資料は,いつごろに調べられたものなのか)
◇本や新聞に載っているグラフも観察してみると,何を書けば良いか参考になるでしょう。
◇データをそのままグラフに表すと伝わりにくい場合があります。必要に応じてデータを平均,比率,構成比などに加工してみましょう。
4 タイトル・見出しを考えよう!
タイトルや見出しは,作品の中で一番目立つ部分,その作品の顔になります。
そこで,タイトルや見出しを決めるときは,グラフの内容や問題点をはっきりと表現していて,しかも見る人の興味を引くようなものを考えましょう。
次の例を参考にしつつ,あなただけの,魅力あるタイトル・見出しを考えてみましょう。
(1)字数を工夫する
<リズミカルな表現>
「大切に!早寝 早起き 朝ごはん」
<五七調(俳句や短歌のように五文字と七文字を組み合わせる)>
「がんばろう 自分のための 勉強を!」
<副題をつける(長くなりそうなときや,効果的に訴えたいときに)>
「ストップ!地球温暖化~守ろうぼくたちの地球~」
(2)言葉の技法
<呼びかけ>
「おとうさん おかあさん もっとたくさんはなそうよ!」
<疑問型>
「習いごとしてますか?」
<倒置法>
「足りてるかーい?おこづかい」 「もう,いやっ!アレルギー」
◇広告,ポスターのキャッチコピーや新聞記事の見出しを観察してみると,参考になるでしょう。
5 グラフの種類を決めよう!
グラフには円グラフ,棒グラフ,折れ線グラフなど様々な種類があり,それぞれに特性を持っています。
あなたが調べたことを表現するのに,ふさわしいグラフは何でしょうか?
データの特性を考えて,その内容にふさわしいグラフを選びましょう。
6 構図,レイアウトを考えよう!
用紙の中にどこにどれくらいの大きさで,見出しやグラフを配置するのかを考えます。
次の点を参考にして,分かりやすく楽しいグラフになるように工夫してみてください!
(1)強調したいところを目立たせる
特に見てもらいところ,訴えたいこと,メインとなるグラフや文字は大きくしたり,色を変えたりして目立つようにしましょう。
(2)見る人の視線を導く
横書きのものは左から,縦書きのものは右から書くという決まりがありますね。
また,広告のチラシなどは,左上から右上,左下,右下と自然と見ていく流れがあるようです。
特に見せたい順序があれば,番号をつけたり,矢印で誘導してみましょう。
(3)イラストを入れる
イラストを入れるとイメージしやすくなったり,親しみを感じます。
◇ほかの人が作ったイラストや写真は使わないでください。イラストを入れるときは,必ず自分で考えたオリジナルのイラストを使いましょう。
7 下書きしよう!
いよいよ用紙にグラフを書きますが,まずは下書きをしましょう。
下書きをすると,頭の中に思い描いたイメージが現実に近づきます。
色の使い方などを考えながら下書きしてみましょう。
◇文字や目盛,単位,凡例などに誤りはありませんか?調査名や調査年月日,資料の出所などに記入漏れはありませんか?
◇家族や先生など周りの人にも見てもらい,意見を聞いてみましょう。新たな発見や間違いが見つかるかもしれません。
8 仕上げをしよう!
下書きしたものに色ぬりなどをして,作品を完成させます。
色彩によって,作品のイメージは大きく変わります。
色相・明度・彩度などにも気を配り,美しく仕上げましょう。
◇数値やグラフなどに誤りがないか,もう一度チェックしましょう。
最後に
統計グラフの作品を作るのは,想像以上に大変な作業と感じられるかもしれません。
たしかに,統計グラフを作るのは簡単なことではありません。
しかし,その分だけ,やりがいや面白さもあります。
統計グラフを作る過程で,あなたは様々なことを得ることができるでしょう。
統計資料の正しい作り方・見方・使い方・・・
算数・数学の能力・・・
言葉遊びなどの国語の感性・・・
色使いやレイアウトなどの美的感性・・・
さらに,現代社会で起きている様々な問題に関心を持ち,新たな視点で社会のできごとを見ることにもつながると思います。
さぁ!あなたも,統計グラフ作りに挑戦してみませんか!
統計グラフの作り方[小学生向け] (PDFファイル)(221KB)
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