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11-1 仕事中にケガをした場合,補償は受けられるのか|労働相談Q&A

印刷用ページを表示する掲載日2018年7月31日

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11-1 仕事中にケガをした場合,補償は受けられるのか

質問

私は,従業員6名の工場で働いています。作業内容は,かなり危険を伴うものなのですが,万一,作業中にケガをした場合,きちんと補償されるのか不安です。法制度上は,どのようになっているのでしょうか。

回答

<ポイント!>

労働者が業務災害又は通勤災害を受けたときは,労働保険により給付を受けることができます。

労災保険は強制加入

労働基準法は,労働者が業務上負傷し,又は疾病にかかった場合は,療養の費用を負担したり,休業補償を行わなければならないなどと定めています(同法第75条~第88条)。
しかし,個々の事業主の負担にまかすのでは十分な補償が期待できないことも多いことから(補償能力が十分でない事業主もいます),労働者災害補償保険法(略して「労災保険法」といいます。)により,保険給付を行う制度を定めています。保険給付がなされると,使用者は労基法上の労災補償の責任を免れることになっています(労基法第84条第1項)。そのため,労災補償に関しては,労基法が適用されることは実際上きわめて少なく,労災保険法がその中心となっています。
労災保険では,個人経営の農林水産業で,雇用する労働者が5人未満の事業など,一部の事業を除き,労働者を1人でも雇用している事業は,当然に適用事業となります(労災保険法第3条)。
労災保険の保険関係は,事業主が手続を行っていなくても自動的に成立し,災害を受けた労働者又は遺族等は,労災保険法に定められたすべての給付を受けることができます。

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労災保険の給付内容

この法律による保険給付には,業務災害に関するものと,通勤災害に関するものの2種類があります。 
具体的な給付内容は,次のとおりです。

労災保険の給付内容

「給付基礎日額」

業務災害又は通勤災害の発生した日若しくは医師の診断によって疾病の発生が確定した日(賃金締切日が定められているときは,その日の直前の賃金締切日)の直前の3か月間に支払われた賃金の総額を,その期間の暦日数で割った1日当たりの賃金額です。

「算定基礎日額」

業務災害又は通勤災害の発生した日以前1年間に,その労働者に支払われた特別給与(ボーナスなど)の総額を算定基礎年額とし,それを365で割った額のことです。
特別給与の総額が給付基礎年額の20%を上回る場合は,給付基礎年額の20%に相当する額が算定基礎年額となります。ただし,150万円が限度額です。

こんな対応を!

事業主が労災申請に必要な証明(被災事実及び賃金額)を拒否した場合は,労働基準監督署に相談して指示を仰ぎましょう。

更に詳しく

事業主は,労働者が労働災害その他就業中または事業場内で死亡・休業した場合は,労働基準監督署へ労働者死傷報告書を提出しなければなりません。労働災害であるか,労災保険の給付をするかに関わらず提出義務があります。