消費者金融の利用者は,全国で約1,400万人(国民の少なくとも8.5人に1人),いわゆる多重債務の状態にある人は,約139万人*と言われています。中には借金を苦に,夜逃げや自殺など深刻な状況に追い込まれてしまった人もいます。(*平成19年10月末時点)
こうした状況を受けて,国は平成18年12月,貸金業法等を抜本改正し,貸出金利の引き下げなどを行うとともに,現時点の多重債務者の対策として,平成19年4月,相談窓口の整備・強化などを柱とする「多重債務問題改善プログラム」 (本文・概要)を策定しました。
また,県は平成19年7月に「広島県多重債務者対策協議会」を設置し,弁護士会や司法書士会など各機関と連携を密にしながら,対策を協議しています。
〇借り入れの理由は? 多重債務者を対象にした調査によると,借り入れ理由は,はじめの頃は「収入の減少」や「物品購入」など様々ですが,返済が困難になると自転車操業による「借金返済」のための借入れが増加しています。
〇借金を返済できない状況になったら?
できるだけ早く多重債務の相談窓口に相談しましょう。市町や県の相談窓口では,事情をお聞きして,弁護士や司法書士など法律専門家と連携し対応します。
法律専門家が債務整理を受任した通知を出せば,借金の取立てをすぐにストップすることができ,借金問題を冷静に考えることができます。
~平成22年6月18日に完全施行されました~
利息について定めた法律には,利息制限法と出資法があり,異なる上限金利が定められています。この隙間の金利が「グレーゾーン金利」と呼ばれています。
利息制限法では,民事上のルールとして利息の上限を年利15~20%と定めているので,その上限を超える利息の契約をしても,上限を超える部分については,原則無効になります。
ところが,現行の貸金業法では「みなし弁済規定」により,債務者が任意で支払う,貸金業者から必要な書面が交付されているなど一定の要件を全て満たす場合は,「有効な利息の返済とみなす」とされていることから,ほとんどの貸金業者が,これまで,出資法による刑事罰の対象とならない上限金利(29.2%)すれすれで融資していたわけです。
この「みなし弁済規定」の適用については,最高裁判所が近年,かなり厳格な判断を示したことを契機として,貸金業者に対する「グレーゾーン金利」の返還請求が相次いでいます。
債務整理を行う際に,債務を利息制限法に基づく金利で「引き直し計算」をすることにより,債務の減額ができる場合があります。長期にわたって返済を続けている場合には,払い過ぎた利息(過払金)を取り戻せる可能性もあります。(最初の借入時から5~6年を超える期間,利息制限法の上限金利(15~20%)を超える金利で貸金業者から借入・弁済を行っている場合は,「過払い」になっている可能性があります。)
整理 | 概要 | 適している場合 | 主なメリット〇,デメリット▲ |
---|---|---|---|
任意整理 | 裁判所を使わず,通常は弁護士等に依頼して,私的に直接債権者と和解交渉をして債務整理する |
| 〇当事者間の話合いによるため,柔軟な返済計画を組むことが可能 〇「引き直し計算」により,借金額の減額が可能 〇受任通知により取立てが止まる(全てに共通) ▲貸金業者に対する強制力がない ▲事故情報に登録されるおそれがある(全てに共通) |
特 | 簡易裁判所に調停を申し立て,調停委員のあっせんを受けながら,和解する |
| 〇調停委員が仲介するため,公平な結論が期待できる 〇▲返済計画に強制力があるため,業者からの給与の差押え等を止められるものの,返済が滞ると直ちに差し押さえられてしまう 〇費用が安い ▲借金をしている全ての貸金業者の合意が必要 |
個 | 地方裁判所に申し立て,一般的には財産を処分せずに,生活を立て直す |
| 〇話合いによる解決が困難な場合でも債務整理可能 |
自己破産 | 地方裁判所に破産を申し立て,全財産を処分することにより,残った借金の全ての免除を受けて生活を立て直す |
| 〇免責が許可されれば,早期に借金から解放される |
市町,県,国(中国財務局)の相談窓口のほか広島弁護士会,広島司法書士会,日本司法支援センター「法テラス」広島などでも相談を受け付けています。詳しくは下のダウンロードファイルをご覧ください。
金融の仕組み・金融商品などに関する基礎知識(金融庁)
小学生のみなさんへ 中学生・高校生のみなさんへ 社会人になるかたへ
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