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行政文書・古文書保存管理講習会

印刷用ページを表示する掲載日2024年1月16日

行政文書・古文書保存管理講習会は,県立文書館が県内市町の文書管理担当職員等を対象に開催している講習会で,平成14年度からは,広文協との共催で開催しています。

令和4年度

(令和4年11月29日、於広島県情報プラザ 第1・第2研修室)

講演(午前)
「仕事に役立つ公文書―庁内利用をめぐって」
岡山大学 松岡弘之

講演(午後)
常陸大宮市文書館の開館と運営について
常陸大宮市教育委員会文化スポーツ課 高村恵美

 新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、令和3年度は保存管理講習会を開催できなかったため、2年ぶりの開催となりました。
 午前の講演では、令和2年3月まで尼崎市立地域研究史料館に勤務された、岡山大学学術研究院社会文化科学学域講師である松岡弘之氏をお招きし、同館ではどのように歴史的公文書を選別収集しているか、また、庁内ではこれらの公文書がどのように利用されているかを、3つの類型に分けてご説明いただきました。庁内利用を拡大するため、「仕事に役立つ公文書」が適正に史料館に移管されるよう文書管理課と定期的に協議し、問題意識の共有に努めた結果、尼崎市では公文書管理条例が制定され、施行されるに至ったことを実例に即してお話しいただきました。
 午後の講演では、平成26年に廃校を利用して開館した常陸大宮市文書館(茨城県)で、開館準備から開館後の業務マニュアル作成まで、ハード・ソフト両面にわたり、中心となって実務を担当された同市教育委員会の高村恵美氏をお招きしました。講演では、限られた職員で運営されている同館で、古文書調査、整理、修復、公開業務から、情報発信や普及活動に至るまで、市民ボランティアのご協力を得て、市民と連携し、市民とともに作る文書館をめざして、活動してこられた経緯についてお話しいただきました。

(講習会の詳細は『広文協通信』第42・43号、5~15頁に掲載)

令和2年度

(令和2年11月19日、於広島県情報プラザ 第1・第2研修室)

講演(午前)
「役場庁舎・博物館・図書館書庫のIPMについて」
九州国立博物館 木川りか

事例報告(午後)
広島県立文書館におけるIPMの取り組み
広島県立文書館 荒木清二・下向井祐子

 文化財の殺虫燻蒸剤として広く使用されてきた臭化メチルが、平成17年に全廃されたことを契機に、広島県立文書館では、収蔵資料の虫菌害対策として、「予防」(書庫の環境管理や人の目と手による日常点検・清掃など)を重点においたIPMに取り組んできましたが、平成28年12月に、地下の行政文書庫で約2万冊の行政文書にカビが発生しているのが見つかり、その対処に追われることになりました。それまでのIPMの様々な問題点が浮き彫りとなり、文書の日常管理や虫菌害対策を見直す大きな契機となりました。
 午前の講演では、九州国立博物館の博物館科学課長である木川りか氏をお招きし、虫菌害の対策は新型コロナウイルスの“感染症対策”と同じであることや、カビの対策は湿度管理が重要であることを、さまざまな画像や実物サンプルを見せていただきながらお話しいただきました。IPMを難しく考えずに、私たち自身の健康管理と同じように常識的に考えていくことで、虫菌害の対策につながることを、大変分かりやすく説いていただきました。
 午後の事例報告では、広島県立文書館の行政文書庫で発生したカビ被害への対処の経緯を、中心となって対応に取り組んだ職員2名から詳しく紹介し、さらに館内におけるIPMの日常業務の現状と今後の課題等について具体的に報告しました。

(講習会の詳細は『広文協通信』第38・39号、1~11頁に掲載)

令和元年度

講演(午前)
「歴史文化資料保全の取り組みを支えるために」

国立歴史民俗博物館 天野真志

ワークショップ(午後)
災害発生時の初期対応を考える

神戸大学大学院人文学研究科 吉川圭太

 毎年全国各地で自然災害が多発し,資料保存においても様々な対応が求められるようになっています。とくに,個人宅など民間に伝わる諸資料は,急激な社会変容のなかでこれまで以上に消滅の危機に瀕しており,専門分野や組織を超えた横断的な対策が急務の課題となっています。「平成30年7月豪雨」でも,大学や行政,ボランティアが連携した資料保存活動が各地で展開されました。
 午前の講演では,国立歴史民俗博物館の天野真志氏から,「大学共同利用機関法人 人間文化研究機構」が推進する「歴史文化資料保全の大学・共同利用機関ネットワーク事業」の取り組みについてご紹介いただき,地域の歴史文化を継承する上での課題や可能性についてもお示しいただきました。
 午後のワークショップでは,神戸大学の吉川圭太氏を講師にお招きして,実際の豪雨被害などを想定し,災害発生時における資料保全の初期対応についての考え方と具体的な活動に関するグループワークをおこない,活動の可能性と,困難に直面した時の解決法に関して議論しました。さらに,実際に被災した資料の応急的な処置法について体験し,地域の歴史文化資料救済に向けた考え方について議論しました。
(講習会の詳細は『広文協通信』第37に掲載)

平成30年度

講演(午前)
「市町村と連携した公文書等の適切な保存及び利活用の推進について」

鳥取県立公文書館 島谷容子

講演(午後)
地域資料調査の課題から「古文書の力を見直す」
―新史料協編『古文書保存・整理の手引き【改訂版】』の紹介と解説―

新潟市文化スポーツ部歴史文化課 長谷川 伸

 午前の講演では,鳥取県立公文書館の島谷氏に,鳥取県における公文書保存管理をめぐる先進的な取り組み事例(平成24年の公文書管理条例施行,平成29年4月の「鳥取県における歴史資料として重要な公文書等の保存等に関する条例」施行,さらには国における決裁文書の改ざんや不適切な文書破棄の問題等を受けた平成30年4月の「鳥取県公文書適正管理推進チーム」設置など)について,最新の動きをご紹介いただきました。
 また,午後の講演では,新潟市歴史文化課の長谷川氏に,新史料協(新潟県歴史資料保存活用連絡協議会)で作成・改訂された『古文書保存・整理の手引き』の紹介をしていただき,また,事前のアンケート調査に基づいて,広島県における地域資料の保存・調査・活用等に関する現状と課題を考察いただき,業務として行う地域資料の保存・活用の意義や重要性について御講演いただきました。
(講習会の詳細は『広文協通信』第35に掲載)

平成29年度

講演(午前)
「被災アーカイブズの救助・復旧技術の実際」

国文学研究資料館准教授 青木 睦

ワークショップ(午後)
「被災資料の乾燥・洗浄プログラム体験」

国文学研究資料館准教授 青木 睦氏・同 プロジェクト研究員 高科真紀

 午前の講演では,これまでの様々な大規模災害における被災アーカイブズレスキューの取り組みの紹介と,アーカイブズの予防的保存措置の方法,実際に資料が被災した際にとるべき救助・復旧の実際について,具体例をもとにご講演いただきました。
 午後のワークショップでは,被災地現場で使用する様々なクリーニング・防護用品の紹介や,被災アーカイブズの具体的な洗浄・乾燥方法(圧縮袋封入法,吸水紙乾燥法,フローティングボード法,エアストリーム法)などをご紹介いただき,参加者でそのプログラムを体験しました。

(詳細は,『広文協通信』第33号に掲載)

平成28年度

講演(午前)

「古文書と地域防災計画―史料保存を巡る関係の二面性―」
日出町歴史資料館・日出町帆足萬里記念館 館長平井義人

講演(午後)

「文化遺産を自然災害から守り,伝える」
京都造形芸術大学名誉教授 内田俊秀

 午前の講演では,古文書と地域防災計画をテーマに御講演いただき,地域防災計画を策定するための災害史の検証と,古文書所在調査・研究の必要性を強く訴えられました。
 午後の講演では,二つの大震災の経験を踏まえ,今後の自然災害に備えるべき対策と課題についてお話いただきました。各自治体の行政文書と地域に残る古文書,双方について,防災対策の観点から改めて見直す機会をいただきました。

(講演会の詳細は『広文協通信』第31号に掲載)

平成27年度

講演

「地方公共団体における文書管理の現状と課題~公文書管理法への対応と災害対策~」 
『行政文書管理』編集者 益田宏明

行政文書分科会報告
「呉市における文書管理改善の取り組み~ファイリングシステム導入~」
呉市総務部総務課長 小森 強

古文書分科会
ワークショップ「災害から地域歴史資料を守る」

歴史資料ネットワーク(史料ネット) 吉原 大志/吉川 圭太/加藤 明恵

 大規模災害が発生した際には,地域の歴史資料も大きな被害を受け,失われる危険性が高まります。地域の中に残された歴史資料は,いわゆる指定文化財だけではなく,民間に所在する未指定のものも多く含まれます。
 古文書分科会では,災害によって被災した歴史資料をどのように保全・救出するのかについて,史料ネットの吉原大志さんに具体的な事例を紹介していただき,そのあと,身近な生活用品を用いた応急処置方法について,3名の講師の皆さん及び京都造形芸術大学名誉教授の内田俊秀さんの御指導のもと,実習を行いました。

(講習会の講演・行政文書分科会の詳細は『広文協通信』第29号に掲載)

平成26年度

講演

「職員と市民に歓迎される異次元文書管理~目的を定めて,自主導入を~」
行政文書管理改善機構 廣田傳一郎

行政文書分科会報告
「広島県の文書事務」
広島県立文書館 神原真一

古文書分科会
「福山市史編さんと資料収集の継続性の課題」

福山市市長公室秘書課市史編さん室 片岡 智

(講習会の詳細は『広文協通信』第27号に掲載)

平成25年度

講演

「公文書館機能の自己点検・評価指標「ミニマムモデル」からみる自治体アーカイブズの現状と課題」
芳賀町総合情報館 富田健司

行政文書分科会報告
「広島県における公文書館機能の現状と課題」

広島県立文書館 荒木清二

「討論・情報交換―公文書館機能の整備について―」

古文書分科会報告
「坂町史の資料所在調査と収集資料の活用」

坂町教育委員会事務局 渡谷康代

「県内所在資料(古文書等)の調査状況と課題」
広島県立文書館 西向宏介

(講習会の詳細は『広文協通信』第26号に掲載)

平成24年度

 全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)全国(広島)大会が,平成24年11月8日(木)と9日(金),広島県民文化センター・鯉城会館を主会場に開催されたため,平成24年度の行政文書・古文書保存管理講習会はこれに代替しました。

 (全史料協大会の詳細は『広文協通信』第23号に掲載)

平成23年度

講演
「近現代紙資料の保存と被災資料の復旧」
株式会社資料保存容器材代表取締役・東京学芸大学文化財科学専攻非常勤講師 木部 徹

「地方自治体への事業継続計画(BCP)の導入―東日本大震災を教訓にして―」
東京海上日動リスクコンサルティング株式会社主幹 岡部伸一

 (講習会の詳細は『広文協通信』第21号に掲載)

平成22年度(平成22年11月19日)

講演
「公文書管理条例の制定に向けて~住民から信頼される自治体になるために~」

大宮法科大学院大学准教授・弁護士 早川和宏

行政文書分科会報告
「広島県文書管理制度見直し見直しの論点と文書館の具体的基準について
―ワーキンググループの主要論点・選別収集基準・利用除外基準―」

広島県立文書館 神原真一

古文書分科会報告
「虫損資料のリーフキャスティングによる修復(実習を含む)」

久保清風堂 久保隆史・久保義宗

(講習会の詳細は『広文協通信』第19号に掲載)

平成21年度(平成21年11月27日)

講演
「公文書管理法と自治体のこれからの公文書管理のあり方~現用・非現用を通じた公文書管理へ~」

村岡レコードマネジメント研究所 村岡正司

行政文書分科会報告
「広島県における文書事務の電子化の現状とその課題」
広島県総務局総務課 若林清美

「行政文書の分類・保存年限設定・処分について―レコードスケジュールの作成に向けて―」
広島県立文書館 荒木清二

古文書分科会報告
「非図書資料(マイクロフィルム・映画フィルム・ビデオテープ・光ディスクなど)の保存対策について」

文書情報管理士 北地 昇

「文書(紙資料)を劣化から守り保存するために」
広島県立文書館 下向井祐子・西村晃

(講習会の詳細は『広文協通信』第17号に掲載)

平成20年度(平成20年11月28日)

講演
「文書管理法の制定について」

神奈川大学法学部 後藤 仁

行政文書分科会報告
「総社市の史料文書収集の取り組み」
岡山県総社市総務課 内田和弘

古文書分科会報告
「『安芸津町史』編纂における史料の収集・整理と目録作成について」

東広島市教育委員会 尾川 弘

(講習会の詳細は『広文協通信』第15号に掲載)

平成19年度(平成19年11月28日)

講演
「『アーカイブ』を後世にのこすために今何が必要か―記録資料被害の早期発見と対処法―」

財団法人元興寺文化財研究所 金山正子

報告「行政文書・文化財書庫環境の改善と燻蒸の現況」
広島県薬業株式会社 竹中宏樹

(講習会の詳細は『広文協通信』第13号の1~8頁に掲載)

平成18年度(平成18年11月14日)

 講演
「『業務/文書システム/分析表』の作成と合併に伴う公文書調査・整理」

天草市立天草アーカイブズ 本多康二

(講演内容は『広文協通信』第11号の1~5頁に掲載)

行政文書分科会報告
「福山市における歴史的公文書の保存活用について」

福山市企画総務局企画部情報管理課 坂本泰之

古文書分科会報告
「文化財を町づくりに生かす―廿日市市宮島からの挑戦―」

廿日市市産業観光部観光プロモーション室 岡崎 環

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