元気・美味しい・暮らしやすい、広島 みんなで創る「ひろしまブランド」
「元気・美味しい・暮らしやすい」
そんな広島をみんなで創る取り組み「ひろしまブランド」。今号のテーマは「 」。広島の元気な魅力とは…!
"元気"なひろしま INTERVIEW
菅 由紀子 さん (株式会社Rejoui)
広島県・大崎上島町出身。2016年に東京で(株)Rejouiを創立し、2021年に広島オフィスを開設。データサイエンスの第一人者として企業支援を行うほか、広島県のDX推進やデータサイエンティストの育成、大崎上島の活性化にも携わる。米国スタンフォード大学発のデータサイエンス人材育成シンポジウム 『WiDS』 公式アンバサダー、『ひろしま好きじゃけんコンソーシアム 』ダイバーシティ担当副会長なども務めている。
データを通して、広島をますます元気に!
広島県が元気な理由の一つは、「挑戦する人を応援する風土」にあると思います。私自身も東京で創業した『Rejoui』の広島オフィスを開設した後、県の手厚いサポートのおかげで活躍の場を広げることができました。
AIが目覚ましく発達している今、地方創生のカギとなるのは「データを利活用できる人を増やす」こと。データサイエンスを通じた企業支援や人材育成で、広島県や故郷・大崎上島の活性化に貢献したいです。
企業支援をはじめ人材育成にも取り組む
東京で起業するときから、「故郷の広島でビジネスをする」と決めていました。『Rejoui(=理・情・意、リジョウイ)』という社名も、『広島城=鯉城(りじょう)』と哲学者カント提唱の「知情意」をヒントにして付けたくらいです。
県の企業誘致制度を利用して、2021年に広島オフィスを設立しました。広島県は起業家へのサポートが充実していますね。全国さまざまな自治体ともお仕事をしていますが、広島県ほど親身に支援してくれるところは少ないと思います。
広島ではデータサイエンスによる地元企業の支援をはじめ、県主催『みんなのDX研修』の講師や、女性のデータサイエンティストの増加を目指す世界的なシンポジウム『WiDS 』の広島開催など、人材教育にも力を入れています。
広島にデータサイエンティストを増やしたい
データサイエンスの活用技術は、例えば旅行者の行動予測や、より効果の高い広告・クーポンの配信、オンラインショップでの商品販売、音声を解析し会話パターンを把握することにょるハラスメント対策など、多岐に渡ります。
まず、何か意思決定する際にはデータという「根拠」が必須です。また近年はAI技術の発達などで、ビジネスにも変革が起きています。今後はその変化に対応できる力、つまりデータを利活用する力がますます求められるでしょう。
広島にデータサイエンティストが増えることは、全国や海外で活躍できる地元の企業や人材が増えることにつながります。企業支援やDXの講師を行っていると、広島には意欲的な人が多くて、伸びしろしかないと感じますね。
故郷の大崎上島を「社会人が学び直せる島」に
高校進学と同時に離れた、生まれ故郷の大崎上島。ここ数年はコロナ禍で思うように帰省もできず、2年ぶりに帰ってきたとき、「この島をもっと盛り上げたい。もっと人を呼べる島にしたい!」という気持ちが芽生えたんです。
まずは今年10月、県外の人を対象にした大崎上島ツアーを企画・開催しました。参加者には美しい自然だけでなく、カーボンニュートラルに取り組む研究施設やICT教育が進んでいる高校など、「最先端」な大崎上島を見ていただきました。
高校教育における学びの魅力化はすでに確立されつつあるので、それなら私は大崎上島を「社会人が学び直せる島」にしようと考えていて。島内の仲間や広島県庁に協力してもらいながら、飲食店の増加や空き家を活用した新しいビジネスの開発に取り組んで行きたいと奮闘中です。
リモート化が進み、今はどこにいても仕事ができる世の中。大崎上島でデータサイエンスの研修を受けながら人脈を築き、そのまま島を拠点にして、海を眺めながら働く…。そんな新しい学びの場や働き方を提案できたらと思います。
データサイエンスは、これからの地方創生に欠かせない要素です。データサイエンティストのプレイヤーであり、人材育成も手掛けている自身の強みを活かして、広島県全体や大崎上島をもっと元気にしていきたいですね。