【解説】
佐田谷・佐田峠墳墓群は,弥生時代中期末から後期前葉(紀元前1世紀~1世紀頃)にかけて築造された,四隅突出型墳丘墓3基,方形台状墓4基,方形周溝墓1基の8基からなる墳墓群である。西城川左岸の標高約300mの低丘陵頂部,おおよそ東西250mの範囲に3群にまとまる形で造られている。
弥生時代中期末には古相の四隅突出型墳丘墓を含む多様な形態の墳墓が,墓坑の掘削・埋葬と墳丘の盛土を繰り返すことで徐々に構築されている。また,墓坑は並列に配置され,主に在地系の土器が周溝に据えられる。その後,弥生時代後期初頭以降には墳形は方形台状墓が主となり,墳丘の構築後に墳頂部から墓坑が掘り込まれるようになる。また,大型墓坑を中心に,周囲に他の墓坑が配される墳墓が現れるなど,明確な中心埋葬がみられるようになる。それに加えて吉備系の土器が使用され,墓坑上に土器が供献されるようになる。
日本列島において首長墓が出現する弥生時代中期から後期にかけて,墳丘築造と埋葬の関係,埋葬施設の配置,墳墓祭祀の変遷が同一の墳墓群の中で明らかになった事例であり,地域間関係の展開と有力者集団内の構造の変化の実態を知る上で重要である。
名称 |
佐田谷・佐田峠墳墓群 |
よみがな |
さただに・さただおふんぼぐん |
指定 |
国指定 |
種別 |
史跡 |
種類 |
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所在地 |
庄原市宮内町,高町 |
員数 |
指定面積12,190.07平方メートル
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指定年月日 |
令和3年10月11日 |
構造形式 |
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法量 |
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公開状況 |
常時公開
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交通案内 |
備北交通バス(庄原駅発西城行き)「夜燈」バス停下車,徒歩約20分
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関連施設 |
名称 |
庄原市歴史民俗資料館(庄原市田園文化センター内) |
開館時間 |
10時~17時 |
休館日 |
月曜日(月曜日が祝日のときはその翌日),年末年始(12月29日~1月4日),臨時休館日 |
入館料 |
無料 |
所在地 |
庄原市西本町二丁目20番10号 |
電話番号 |
0824-72-1159 |
交通案内 |
備北交通バス(庄原駅発各方面行き)「ジョイフル」バス停下車,徒歩約3分 |