(撮影/写真家 村上宏治)
【解説】
鎌倉時代末期の嘉暦2年(1327),現在の福山市神辺町下御領の備後国分寺を拠点として活動した刀工の助国(すけくに)によって製作された短刀。
助国は,備前伝(一文字派)の流れをくみ,大和伝(手掻系)の流れをくむ三原派(古三原)とともに,備後地域において最も古く鎌倉時代末期から南北朝期にかけて活躍したことが知られる。助国には代があったと考えられ,本短刀の作者と考えられる二代助国は,初期は備前伝の作風であるが,徐々に大和伝が強くなる作風を示す。
本短刀の内反りとなる姿は,鎌倉時代の短刀の特色をよく表す。板目に杢交じりの地肌(鍛え)や筋映りを見せる点などに備前伝(一文字系)の特色が認められるとともに,直刃調の小沸つき刃文などに大和伝(手掻系)の特色が認められる。備前伝と大和伝が混在する点は,二代助国の中期の作風を顕著に示しており,全体として優れた出来映えである。
助国一派の現存する作品は非常に少なく,特に短刀の遺例は稀有であるが,その中にあって本短刀は在銘で嘉暦2年の年紀を有しており,同刀工の研究上において重要な作品である。
また,県内の刀工が製作し,県内に所在する刀剣類で,年紀を有するものでは最古級であることから,本県の刀剣史上においても貴重な資料である。
名称 | 短刀 銘□州国分寺住人助国作 嘉暦二年正月日 | |
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よみがな | たんとう めい(一字不明)しゅうこくぶんじじゅうにんすけくにさく かりゃくにねんしょうがつにち | |
指定 | 県指定 | |
種別 | 重要文化財 | |
種類 | 工芸品 | |
所在地 | 福山市草戸町 | |
員数 | 1口 | |
指定年月日 | 平成30年3月22日 | |
構造形式 | ||
法量 | 全長34.8cm,刃長24.8cm,わずかに内反り,目釘穴2個,重量142g | |
公開状況 | 非公開 | |
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