【解説】
安土桃山時代の文禄5年(1596)作で,極楽寺求聞持(ぐもんじ)堂の本尊である。
方形で半肉彫成(はんにくちょうせ),黒漆塗りの枠に板をはめ,その板の中央は円形彫成で,その円は,開敷蓮華座上に置かれ,その蓮華座上に結跏(けっか)の虚空蔵菩薩座像を半肉彫にしている。
像は左手に花枝を持し,右手を右膝上に垂らし,法衣は通肩(つうけん)にかけ,宝冠を頂き,肉身は肌色に表わす。頭光・身光は,ともに円光背(こうはい)に彫出している。肌色以外は二面膝を下地に塗り,その上に金箔張りにした豪華なレリーフ像である。あたかも銅製鏡面に線刻した鏡像を思わす構造である。
背面は黒漆塗りに仕上げ,大願主の小野寺法印祐宗や作者の肥後国(現在の熊本県)全如院快栄をはじめ,宮島や廿日市の町人や女性と思われる人々の名が記録されている。極楽寺との因縁次第,僧俗等人間関係を知る資料を残している。安土桃山時代の仏像彫刻技法を知る貴重な資料であるとともに,地方の信仰状況を知る好資料でもあり,広島県内にはまことに珍しい資料である。
名称 | 木板半肉彫虚空蔵菩薩像 | |
---|---|---|
よみがな | もくばんはんにくぼりこくぞうぼさつぞう | |
指定 | 県指定 | |
種別 | 重要文化財 | |
種類 | 彫刻 | |
所在地 | 廿日市市原 | |
員数 | 1面 | |
指定年月日 | 昭和60年12月2日 | |
構造形式 | 木製板,半肉彫,漆塗の上に金箔,肉身が彩色 | |
法量 | 外縁/縦77.4cm,横45.0cm 内法/縦73.8cm,横39.1cm |
|
公開状況 | 公開時間:9時~16時30分,拝観料:無料 | |
交通案内 | ○JR「廿日市駅」から北へ約10km | |
関連施設 | 名称 | |
開館時間 | ||
休館日 | ||
入館料 | ||
所在地 | ||
電話番号 | ||
交通案内 |