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都会も農村も身近に体験できるから 両方のよさに気付いて感動できる

都会も農村も身近に体験できるから
両方のよさに気付いて感動できる

都会と農村両方の良さを知る、皆さんによる特別座談会

もっとワチャワチャ、互いを循環していき隊 さん

2024年3月25日

メインビジュアル

気付いてほしい!高めたい!!知られざる地元の推しポイント

都会と農村の両方の良さを知る3名の写真

ー みなさんは広島県内で多様な活躍をされています

藤本 私は庄原市東城で「藤本農園」を立ち上げて15年目になります。社訓は「一粒万笑」で、1粒のお米から食卓や地域すべてに笑顔が広がることを目指してます。
地域活動にも力を入れていて、水路に詰まった不要な落ち葉を買い取って堆肥にしたり、
子どもたちにアイガモ農法を体験してもらう交流イベントも行ってます。

大きく手を広げ笑顔で語る男性

浦田 私は福岡出身ですが、廃校になった三次市立上田小学校校舎を利用して「ほしはら山のがっこう」という体験交流宿泊施設を運営してます。
地域の魅力を楽しく知ってもらおうと、親子を対象にした「ふるさと自然体験塾」を皮切りに、里山遊びや星空体験などを展開。おかげで昨年活動20周年を迎えました。

ヤスムラ 僕は東京のアパレル会社で働いてたんですけど、10年前に広島に帰ってきて。
自分に何ができるか考えてたら、地域にはいろんな困りごとがあることに気付いたんです。
最初は廿日市市中山間地域の耕作放棄地を借りてグランピングのイベントを行い、そこから空き家問題、商店街の空洞化問題、コロナで営業できなくなった飲食店のためにキッチンカーを貸し出す活動などに関わってきました。
最近は社会課題をビジネスで解決する「社会起業家」という言葉が生まれたので、それを肩書にしてます。

身振り手振りで笑顔で語る男性の写真

ー みなさんは庄原、三次、廿日市で地域に根差した活動をされていますが、「知られていなくてもったいない」と感じる広島の魅力、推せるポイントはありますか?

浦田 私は地域の魅力を外から来た方に教わることが多いんです。
例えば「ここは星がきれいですね」って言ってくださるけど、それは地元では普通のこと。むしろ以前は「どうして外灯を付けてくれないの?」って言ってたんです。
でもそういう気付きを得てからは「外灯がなくてよかったね」って思えるし、地域に誇りが生まれたような気がします。

藤本 地域には課題が多くありますけど、課題を1つ解決するたびに魅力も1つ増えるんです。お客様からの「無農薬のお米が食べたい」という声に応えたくてアイガモ農法を始めたし、アイガモがいるからアイガモ肉の販売も始めた。
それをやることで自分のスキルが上がるのも魅力だと思います。

アイガモの大群の写真

ヤスムラ 広島に帰ってきて思ったのは、地域とのつながりが深いこと。地域に根差して暮らすって若い頃は面倒くさいと思うけど、齢をとるとそれがやりがいに繋がるんです。
人が少ないほど責任が増して、多くの経験が積めて人生が豊かになるという側面はあるんじゃないでしょうか。

浦田 人が少ないと、その人の個性全部が必要とされますからね。

藤本 私は若い人に広島の魅力を訊かれたら「異世界転生ができること」って答えるんです(笑)。広島県って街から少し離れると全然違う世界が広がってますよね。
田舎には都会と違う価値観があって、違うスキルが要求される。それはゲームで異世界に生まれ変わるのと似てて、「都会がしんどくなったら田舎へ」「田舎に飽きたら都会へ」がすぐできるのは素晴らしいと思うんです。

浦田 1~2時間あれば都会と田舎を行ったり来たりできますからね。異なる世界を両方身近に体験できるからこそ、それぞれのよさに気付いたり、感動が生まれたりすると思うんです。都会と田舎、どちらか1つだと地元のよさには気付けないと思いますよ。

優しい笑顔で語る女性の写真

​​ー これからよりよい広島を作るには何が必要だと思います?

浦田 都市と農村、両方を行き来する人口がもっと増えると面白くなると思います。
都会の面白さも里山の豊かさも両方味わってほしいです。

ヤスムラ これだけ自然や里山に近い場所に住んでても、忙しいと外に出掛ける余裕がなくなってしまって…。だから里山が都市に出てきてもいいかもしれません。
たとえば「ほしはら山のがっこう」が比治山とかで体験できたり。

浦田 それいいですね! ちょっぴり里山出張体験(笑)。

山の中で自然を楽しむ多くの大人と子供たち

藤本 もっと人が循環する社会になればいいですよね。
面白い人はたくさんいるのに、都会と田舎で分かれてしまったらもったいない。
1カ所に溜まりすぎるとモノも腐っちゃいますから(笑)。

ヤスムラ 今は多様性の時代だからたくさんのコミュニティがあると思うんです。
藤本さんのところのアイガモ農法のコミュニティもあれば、浦田さんの自然体験塾のコミュニティもある。そうした小さなコミュニティ1つ1つの魅力を実直に発信することが重要じゃないでしょうか。

浦田 いろんな生き方をしてる人が共存し、実は繋がり合ってるって生物多様性というか、すごく里山的だと思います。

藤本 昔から「世の中を変えるのは若者・バカ者・よそ者」って言われるけど私たちはまさにそう(笑)。今後も閉鎖的にならず外との交流を続けたいと思います。

3名のみなさんの地元の推しのポイントを写真付きで紹介

紹介人物画像

もっとワチャワチャ、互いを循環していき隊 さん

都会と農村両方の良さを知る、皆さんによる特別座談会

株式会社TOWN DESIGN LABO 代表取締役 ヤスムラミチヨシさん
クリエイターが集まる商工センターのコミュニティスペース「レインボー倉庫」を運営。空き家問題、キッチンカーの制作などソーシャルイノベーションを中心にフットワーク軽く活動している。廿日市市在住。

NPO法人ほしはら山のがっこう 副理事長 浦田 愛さん
2003年、三次市上田小学校の廃校舎を活用した「ほしはら山のがっこう」の立ち上げに参加。現在は「NPO法人環境パートナーひろしま」副理事長や「広島県シェアリングネイチャー協会」理事も務める。

株式会社藤本農園 代表取締役 藤本 聡さん
県内一の米の生産量を誇る庄原市東城町で就農し、30歳の時に「株式会社 藤本農園」を設立。アイガモ農法をきっかけに学校での食育や循環型農業の実践、地域に伝わる伝統文化の承継などにも尽力する。