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受け入れてくれるこの場所があって本当によかったです

受け入れてくれるこの場所があって
本当によかったです

棚田カフェ イニ ミニ マニモ オーナー
「どれにしようかな」という鍵を持つ人

友松裕希 さん

2023年11月24日

メインビジュアル

人と自然が共存してるところが棚田の魅力だと思います

棚田は平地が少ない広島でよく見る風景だ。山すそに沿って狭い田んぼが等高線のように重なり合う。その景観は稲作地帯の原風景として海外の観光客にも人気だが、県内で唯一農林水産省が認定した「棚田百選」に選ばれている場所がある。

安芸太田町中筒賀にある「井仁の棚田」だ。

「棚田って単に自然があるというだけじゃないんです。元は人が作ったものだし、人の営みが感じられる。人と自然が共存してるところが棚田の魅力だと思います」。

安芸太田町中筒賀にある山すそに沿って狭い田んぼが等高線のように重なり合う井仁の棚田

井仁の棚田を見渡せる一等地に建つ『棚田カフェ イニ ミニ マニモ』を運営する友松裕希さん。もともと長崎・熊本で育ったが、「地域や人と密着したまち作りに関わりたい」と思った時に見つけたのが安芸太田町の地域おこし協力隊だった。

友松さんは大学の課題でも棚田をモチーフにしており、引き寄せられるように転居を決意。協力隊として活動するうちに「棚田を見ながらゆっくり滞在できる場所がほしいね」と6年前にカフェをオープンした。

​​井仁の棚田を見渡せる一等地に建つカフェ

​​​店名は「どれにしようかな」という英語の定型句から

​「僕は自分がこんな人生を送るとは思ってなかったんです。普通に都会でサラリーマンをするだろうと思ってたんですけど、実際やってみたら難しくて(笑)。

人にしろ自然にしろ、受け入れてくれるこの場所があって本当によかったと思います」。

人と自然が融和する棚田という環境には、多様な人を受け入れる懐の深さがあるようだ。

現在友松さんはカフェを拠点にフォトコンテストやオカリナコンサート、藍染め体験会など数々のイベントを企画する。

カフェで行われるフォトコンテストで壁一面に写真が飾られている

 

「今後は棚田の保全などSDGsに繋がる活動をしたいです。

あと別の子がゲストハウスを始めたいと言ってて。食事や休憩できるカフェがあって、さらに泊まれる場所ができると地域も盛り上がると思うんです。

こういう場所が広島にあるってことを幅広く伝えていきたいですね」。

個性的な店名は「どれにしようかな」という英語の定型句から。タンポポのように風に乗り、根を下ろした棚田の町で予想外の人生が花開いた。

ひろしまの好きなところ「広島愛」

まわりはみんなカープが好きだしお好み焼も好き。広島弁も含めて地元への愛が強いなって思います。熊本も熊本城とかくまモンはあるけど、ここまで熱くはないですよ(笑)。

棚田カフェ イニ ミニ マニモを運営する笑顔の友松さん

 
紹介人物画像

友松 裕希(ともまつ ゆうき) さん

棚田カフェ イニ ミニ マニモ オーナー
「どれにしようかな」という鍵を持つ人

1988年長崎生まれ、熊本育ち。就職を機に広島市に移り住む。学生時代は、大学にて都市計画を学び、建設コンサルタント会社に入社。その後、地域に根差した暮らしができる人間になりたいと思いから、2015年6月に広島県山県郡安芸太田町の地域おこし協力隊となる。日本の棚田百選「井仁の棚田」の水路掃除や米作り等、住民の生活サポートや原風景を守るための活動に取り組んだ後、2017年9月から「棚田カフェ イニ ミニ マニモ」をオープン。フォトコンテストやオカリナコンサート・藍染め体験会等、数々のイベントを企画し、安芸太田町の魅力を感じでもらえるような場づくりや地域活性化の活動の拠点として運営している。