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平らかでなくデコボコ。人生もまちづくりも、雑多でこそ豊か

平らかでなくデコボコ。
人生もまちづくりも、
雑多でこそ豊か

株式会社和大地 代表取締役
「和える」という鍵を持つ人

和田徳之 さん

2023年10月25日

メインビジュアル

構想を立て、周りを巻き込む。会社員時代の経験が糧​​

広島市がにぎわいづくりを進める街中の里山・比治山で焚き火イベントを開いたり、アウトドア道具を手作りするワークショップをモールでやったり。

SATOMACHIとして、「さと」も「まち」もある恵みを暮らしに生かすプロジェクトを展開する。

テーブルの上の立冬のカードと苔

中高は進学校で勉強について行くのがやっと。内向的な性格もコンプレックスだった。「変わらなきゃ」と一念発起し、学園祭のクラス演劇を仕切った。

大学ではモダンダンスサークルに没頭。「大学は実験の場だよ」と先輩に言われ、今度は自分でジャズダンスサークルを作った。就活は苦戦。80社落ち、拾ってもらったのは芸能プロだった。新人売り出しのための事業計画を立て、次に勤めたベンチャーでは日本の伝統工芸品を売った。
「ビジョンを立て、そこに向けて人々を巻き込む」経験を重ねてきたころ、秋田の曲げわっぱの販売戦略を立てることに。秋田と向き合ううち、故郷広島を知らない自分に気付く。

東京で働く同世代の県出身者のネットワークづくりを始めた。そして、広島の企業人たちが築いてきた実績の厚みも知った。

​​身振り手振りで力強く語る男性

「ソフト」が豊富な広島を、場に引っ張られない共同体に​​​

​​​子育てとコロナを機にUターン。子育てをしながら20年以上ぶりに暮らすと、コンテンツというソフトが豊富なのに、場や箱のようなハードに引っ張られているように感じた。

「コンテンツマネージャーみたいな存在が必要です」。行政や住民と企画を進める時、行き違いは避けて通れない。だけど「一緒にやりましょう」と言い続けたら最後はわかってくれる。「利益ではなく、街の可能性を追求したいんです」と力を込める。​

川辺の芝生の上に座り横向きに微笑む男性

広島は平和のまち。「だけど『平(たい)らかな和』じゃなくて『デコボコの和』がいい」。そんな思いから「和(あ)える」という表現を多用する。

「遠くから見るとなめらかでも近くで見たらデコボコ。いろんなものが雑多にあってディスカッションで落とし所をつけていく。そんな共同体をつくりたい」。​​

ひろしまの好きなところ「フロンティアスピリット」

「昔から移民が多く世界に出た。人口流出が話題だけど、国内外で活躍する広島人が増える方がいい。

華僑ならぬ『広僑』ネットワークがビジネスで生きたらおもしろいですよね。」

和田さん

 

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和田 徳之(わだ とくゆき) さん

株式会社和大地 代表取締役
「和える」という鍵を持つ人

1977年、広島県生まれ。上智大学卒業後、芸能プロに入社。2005年、「エンタテインメントで社会貢献」を目指し転職。日本文化推進の「メイド・イン・ジャパンプロジェクト」等に携わる。「ビジョンを立て、そこに向けて人々を巻き込む」経験を重ねるうち、故郷広島を知らない自分に気付き、東京で働く同世代の県出身者のネットワークづくりを始めた。2009年、株式会社和大地を設立。子育てとコロナを機にUターン。子育てをしながら20年以上ぶりに暮らす。街中でも自然の恵みを見出し、手軽に暮らしに生かすライフスタイルを提案する「SATOMACHI」のプロデューサーをつとめる。広い事業を展開し、その活動は、メディアからも注目を集めている。