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変化や移動に対する寛容性は、尾道のいい特色

変化や移動に対する寛容性は、尾道のいい特色

「ONOMICHI SHARE」コンシェルジュ

後藤 峻 さん

2023年3月24日

メインビジュアル

まるで大学のキャンパスの中にいるようなコンパクトさ

「まるで大学のキャンパスの中にいるみたいなんですよ。町がコンパクトだから、どこに行っても知り合いに会う。出会った人が誰かの知り合いって、ここでは日常です」。

 坂の町・尾道。今はサイクリストの聖地であり、多くの移住者を受け入れている町としても知られています。そんな尾道のコワーキングスペース「ONOMICHI SHARE」で事業責任者兼コンシェルジュを務めている後藤峻さん。尾道に越してきた人、尾道に興味がある人、尾道でビジネスを始めたい人と地域をつなぐ役割を担っています。

コワーキングスペースの画像後藤さん自身も外からの移住者。大阪の印刷会社で働いていたが29の時、恋人の実家のある尾道に転入。現職に就いて以降はビジネス講座、トークイベント、アート展示、サイクリングガイド、出張コーヒーなど積極的に企画を立ち上げ、場の活性化を図ってきました。後藤さんは尾道に暮らすなかで、改めてこの町の特殊性に気付いたといいます。

「尾道って人の出入りが常にあるんです。以前寄港地だったせいもあるのか、旅の途中みたいな人が多くて。お店も新しくできたり、なかには次の場所へ移動する人もいる。変化に対する寛容性は尾道の持っているいい特色だと思います」。

話をする後藤さん好きな広島の言葉は「やってみい」。成功しなきゃいけないとなるとプレッシャーとなる一方、とりあえずなら行動できる。挑戦する後藤さんの背中を押してくれた言葉だそうです。

移住者の人と地元の人をもっとミックスしていきたい

「ONOMICHI SHARE」の窓の向こうには尾道水道が広がります。この景色同様、尾道には、引き寄せられる人もいれば、再び流れていく人もいます。取材日に施設を使用していた人は6割が移住者、2割が地元民、2割が旅行者。このように混ざることが理想的なのだと後藤さんは言います。

窓から見る尾道水道「地域の外から来た方の技術や知識、ネットワークって、地元にとってはリソースだと思うんです。それがもっと地元の人とつながったり、地域の中に根差していくことで新しいものが生まれる気がして。今後は移住者の方と尾道に住んでいる方をよりミックスしていく仕掛けを作っていきたいと思います」。

 流動的な港町のコミュニティはどうあるべきか。潮の流れを読むように後藤さんは考え、動きます。

紹介人物画像

後藤 峻(ごとうたかし) さん

「ONOMICHI SHARE」コンシェルジュ

シェアオフィス『ONOMICHI SHARE』コンシェルジュ兼事業担当責任者。大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)卒業後、2016年に京都から移住。移住者として、地域のシェアオフィスが担うべき役割を意識した運営を行う。コロナ前には尾道の商店街「荒神堂小路」でのイベントなどを企画運営。オンライン配信も多数手がける。「後藤」にちなんで毎年5月10日に行う5時間10分配信「radio510」は必見。雑誌『販促会議』販促コンペ2015にて協賛企業賞受賞。キャリアコンサルタントの資格も持つ。