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交わり・語らいの真ん中に「食」。それをまるごと演出したい

交わり・語らいの真ん中に「食」。それをまるごと演出したい

株式会社 平山友美フードトータルプランニング フードプロデューサー

平山友美 さん

2023年2月24日

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家業と、ホームステイ先と。「食」の見え方変えた原風景

料理研究家やフードコーディネーター。「食」周辺の職業はいろいろだけど、フードプロデューサーとは? 

「ジャムをただ作っただけでは売れない。どうすれば売れる商品になるかを企画の段階で考えて作ることが必要なの」。そう自分で作った図を指差し、よどみなく説明する平山さん。

フードプロデューサーは、生産現場から消費者の手にわたるまで、美味しいものがきちんと売れる戦略をトータルで演出し、その過程に介在するプロたちと連携しながら全体を見る役割だそうです。平山さんの場合、自身が料理を作るプレイヤーになることもあるのだとか。
 平山さんの今の活動の原風景は二つ。一つは実家の病院での経験です。大学卒業後、看護学校に通いながら病院の手伝いをしていた時、人工透析で長時間院内にいる患者に制限食でも楽しんでもらいたいと季節の折り紙をおかずに添えた際、器を変えただけで料理が変わり、少しの工夫で食事が鮮やかになることに気づかされたそうです。

食材のキーホルダー

もう一つは留学先のアメリカ。ホームステイ先で、それぞれ持ち寄ったものをテーブルに広げたポットラックパーティーに出会いました。凝ってなくてもありあわせで楽しむ。食べ物の周りに人々の交わりと語らいがある、そんな日常が新鮮だったといいます。

「フードプロデューサー」その肩書きにこめた思いと願い

帰国後、料理学校で学びましたが、食事のある風景全体に関わりたいという気持ちから、フードプロデューサーを名乗るようになった平山さん。テレビ出演や新聞での執筆などをしつつ、さまざまな企業の商品開発に関わってきました。​

1円でも安くという価値観もありますが、ちょっと高くてもそれに見合った材料と技術でもっと美味しいものを求めたいという思い。それが真の「豊かさ」だと考えているといいます。

1月には中国新聞とスーパー「アバンセ」との共同企画で、自身がプロデュースした「広島愛がギュッと詰まったお弁当」が全国コンテストで入選。いいものにこだわって商品を作ってきたパートナーさんたちの笑顔がうれしかったといいます。

話をする平山さん

広島の食の魅力発信にも長く携わっている平山さん。今後の目標について次のように話してくれました。

「盆地もあれば、山も海も島もある。だからいろんな食材がある。広島の食材だけで、お弁当もフルコースも作れるんですよ!実際99%広島県産のもので作ったこともあります。広島の食の魅力を外にPRするのに、もっともっと地元の力を引き出せたら」。

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平山友美(ひらやまともみ) さん

株式会社 平山友美フードトータルプランニング フードプロデューサー

「食」を核とした企画開発を得意とする食専門のプロデューサー。慶應義塾大学卒業後、エコール辻・東京のフランス料理、イタリア料理専攻科卒業。同校で日本料理課程修了。習得した知識を基に、商品開発、新たなブランドラインの開発、メニューの考案などを行っている。新聞や情報誌等の長期連載、テレビ出演も多数。テレビ出演時、限られた時間で食材の紹介ができない!と食材ピアスを付けるようになり、昨年は展示会も開催。