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交流のきっかけをつくるのは「情報」。いろんな広島を伝える

交流のきっかけをつくるのは「情報」。いろんな広島を伝える

株式会社JizoHat代表取締役 Get Hiroshima編集長

Paul Walsh さん

2023年2月24日

メインビジュアル

「貯金のため」のつもりが…気づけば人生の半分は広島​

今年で広島在住27年、ちょうど人生の半分を広島で過ごしたというポールさん。「こんなに長くいるつもりなかったんだけど」、と顔をほころばせながら広島に住むようになった経緯を教えてくれました。

イギリス出身のポールさんは当初、大分県で英語指導助手として働いていました。広島に初めて訪れたのは、大分時代の1991年、神戸からの帰りに船への乗り換えで立ち寄ったそうです。当時外国人向けの案内は乏しく、平和公園を探して駅周辺をさまよったそうです。

帰国後、オーストラリア行きを目指して旅行資金を貯めようとしていたとき、大分で出会ったアメリカ人の妻ジョイさんが、新聞の片隅に広島での英会話講師求人広告を見つけました。

その求人にジョイさんがポールさんの名前で応募し受かったことで、好印象がなかった広島に、96年に舞い戻り、大学などで教員として勤務。広島を離れる前にまちをちゃんと見ておこうと思い、あちこち出かけるうちに、地元の人たちの楽しい語らいや四季折々の美しい自然に気づいたといいます。「Get Hiroshima」を立ち上げ、広島在住外国人がより楽しく暮らせるようにと、調べた結果をウェブサイトに紹介し始めました。

GetHiroshima サイトの画面

広島の中で横のつながりが増えれば、もっと楽しくなる​

レコード店、洋服屋、酒場などあちこち出かけて取材したポールさん。平和公園と宮島だけじゃない、いろんな顔を知ってもらいたくて。ネットから紙媒体、そしてSNS も用いて発信するようになりました。「英語ができないマスターのバーに外国人が押し寄せる。地元の人との接点が増えれば、もっといろんな広島が伝わるんです」。

話すポールさん

広島在住外国人がより楽しく暮らすための情報も発信していったことで、「GetHiroshima」はコミュニティのプラットフォームになっていきました。コロナ禍では感染情報を報道でチェックし、連日英語で伝えたそうです。

2人子どもがいるポールさんにとって、「GetHiroshima」は「3人目」。巣立ってほしいような、ずっといてほしいような存在だといいます。

2018年から、株式会社「Jizo Hat」を立ち上げ、インバウンド向けの観光コンサルティングを行っています。その名前の由来は、旅人や子どもを見守る笠地蔵。山に登るのが大好きなポールさんにとって、なじみ深い存在でもあります。

自転車を漕ぐポールさん

現在は、川の街をPRしようと、コンソーシアムで活動中。「とりあえず楽しいことをやる。人が集まるから」。そのためにも、地元の横のつながりがもっと増えればと願っています。

紹介人物画像

Paul Walsh(ポール ウォルシュ) さん

株式会社JizoHat代表取締役 Get Hiroshima編集長

イギリスから、JET(語学指導等を行う外国青年招致事業)で日本を訪れ、海外旅行の資金を貯めるため再び来日。仕事先の広島でいち早く英語でのウェブ発信に乗り出し、大学講師を務めながら、MAPの発行、雑誌創刊と、一貫して「広島の面白さ」を伝えてきた。山が好きで、中でも三滝の山がお気に入り。「一年中いつ行っても印象的なんです。雨の中だってきれい。でも、街からこんなに近いのにあまり知られていないんですよね。」