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マチ、モノ、そしてヒト。つながる「文化」をつくりたい

マチ、モノ、そしてヒト。つながる「文化」をつくりたい

雑貨とお洋服のお店「スキナダケ。」店主/(株)E.S CONSULTING GROUP コミュニティディレクター

佐々木 サラ さん

2022年6月24日

メインビジュアル

「会社員」と「雑貨店主」二つの顔を楽しく行き来

鏡の前で服を合わせる佐々木さん

ネイリストがジェルネイルで作ったイアリング。ステンドグラス、洋服…。広島内外の作家10人が手作りした小物や衣類が並んだ6畳二間の雑貨店「スキナダケ。」。昨秋のオープン以来、 SNSと口コミでジワジワ話題を呼び、カワイイものを求める人々が吸い込まれていきます。

実は店主の佐々木サラさん、コンサルティング会社の社員という別の顔があります。会社と行き来する関係で、店を開けたままにできないため、店は住所非公開となっています。「特殊な会社で、社員が皆個人事業主。上司はキッチンカーに乗っています(笑)」

「みんなが『スキ』を追い求めているまち」めざして

インタビューを受ける佐々木さん

佐々木さんは、大学時代、西日本豪雨を経験しました。地元の呉市天応地区の被害も甚大な中、水没した車を前に手をこまねいていたとき、どこからか祭で神輿を担ぐ時の掛け声が上がり、それに反応して住民が集まって車を動かしたそうです。

人と人とが不思議な力でつながり、一緒に何かを成し遂げる姿が目に焼きついたと、サラさんは思い起こしています。その後、大学で地域イノベーション論を学び、産官学連携の取り組みで、区画整理で変わりゆく己斐のまちづくりに携わりました。若者ならではの発想で企画を展開したものの、住民との衝突もあったといいます。「若い世代に向けられる期待はある。でも、信用を得るのはとても難しい」。世代や立場を超えて協働する中で、若い世代の強みも弱みも知ったといいます。

ピアスを鏡の前で合わせる佐々木さん

そのような困難もあったものの、それ以上に「つながる」きっかけづくりをする楽しさを学んだといいます。店を開いたのも、モノを介して人と人とがつながる「場所」を作りたかったから。「かわいいものを見つけたら、自分から作家さんをナンパしにいく」。制作方法から人となりまで、取り扱う作家を知り尽くしてから接客をしています。

まだ?もう?23歳。最終的にやりたいことは、「居場所」づくりとか。「雑貨バーみたいにしたい。カオスな店を作りたいな」

みんながそれぞれの「スキ」を追求できて、お互いの顔が見える関係性があるところ。佐々木さんは、広島がそんなまちになればと願っています。

紹介人物画像

佐々木 サラ (ささき さら) さん

雑貨とお洋服のお店「スキナダケ。」店主/(株)E.S CONSULTING GROUP コミュニティディレクター

呉市出身。広島修道大学在学中、地域のコミュニティづくりに関して実践・研究してきた。以来「こいメシ」など西広島の様々なまちづくりプロジェクトのリーダーを務め、西広島の商店主たちから愛される存在。授業の一環でアメリカ・ポートランドを訪れたことで、よりまちづくりに興味を持ち、卒業後は、“地方創生”を理念に掲げる企業に就職。会社員をする一方で、「スキナダケ。」という雑貨屋を開業。いわゆる「Z世代」だけど、割とアナログ志向。「足で稼ぐ。結局、会った方が早くないですか?」。