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オランダからの御家族

オランダからの御家族

 7月が終わろうとするある日の午後、受付ににわかに普段と違う雰囲気がありました。前回に続き、御夫婦と高校生くらいの男女のお子さんという四人家族の旅行者です。ふと、当資料館あるいは展示の情報を知った経緯を尋ねてみました。すると,Gホテルという回答にすぐには思い至りませんでしたが、ほどなく資料館から五分足らずの場所にあるホテルで、数日前、現代刀展のポスターとチラシを携えて営業に訪ねたホテルであることに気付きました。目敏く情報に気付いていただいたことを、心から嬉しく思いました。
   話が進むにつれてわかったことは、刀剣の展示を見ることが目的であること、御主人の友人がかなり裕福な人で刀剣の収集に強い関心があること、これからの話によっては8月末までに、広島に飛んできて買い付けに来るかもしれない、と十分ありうるという口ぶりでした。
   実に幸いなことに、この日の同じ時間帯に、作品を出品展示されている三上刀匠が用事で来館していたので,まもなくお呼びし双方をお引き合わせすることとなりました。お客さんからの質問に対して受け答えするのにこれほど心強いことはないからです。
   先日の米国からのお客さん同様、東京から京都を含む幾つかの地を訪ね、最後に広島で数日を過ごし、東京から帰路につく旅程とのことでした。オランダを始めとするヨーロッパ諸国での外国語教育事情,実際の社会で第2外国語がどのように使われているのか,などを尋ねたいと思ったのは,そのお客さんが館を出た後のことでした。 それにしても当方,オランダのかたとお話ししたのは初の体験か,と振り返った次第です。