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1-2-2.八幡川水系利水に関する現状と課題

印刷用ページを表示する掲載日2024年7月29日

 八幡川の水利用は,魚切ダム下流において,慣行水利権としてかんがい面積約94ヘクタールの耕地のかんがいに利用されている他,許可水利権として水道用水,工業用水,発電用水として利用されています。特に水道用水については魚切ダム等を水源とし,広島市及び廿日市市への供給が行われています。平成6年に発生した異常渇水時には,水道用水の一部で取水制限の措置がとられましたが,魚切ダムからの補給により農工水,動植物の生息・生育環境,発電施設等に大きな影響はありませんでした。なお,これまで地域住民から流況改善の声は上がっていません。また,石内川でもこれまで取水上の問題は発生しておらず,比較的良好な流況となっています。一方,梶毛川では,流況が悪く農水利用にしばしば支障をきたしているほか,生態系にとっても必要な流量が確保されていません。このため,河川環境の保全に必要な流量の確保と既得水利の安定化が強く望まれており,何らかの対策が必要となっています。さらに,異常渇水時の緊急措置として,水の相互融通に向けた関係機関との調整を行うことによって,渇水被害の軽減を図る必要もあります。下表に平成6年から7年にかけての異常渇水時における,八幡川の取水制限の状況及び魚切ダム地点及び中地観測所地点における流況を示します。

表1-2-2 八幡川の取水制限の状況(平成6~7年)

渇水年 節水期限 取水制限期間 制限日数 制限率(%) 節水(%)日*注1
累加 上水 工水 農水 上水
平成6年
(1994)
第1次 10月18日~10月26日 9日 9日 5% - - 5050%
第2次 10月27日~11月09日 14日 23日 10% - -
第3次 11月10日~11月24日 15日 38日 20% - -
第4次 11月25日~12月21日 27日 65日 25% - -
第5次 12月22日~ 4月28日 127日 192日 30% - -
第6次  4月29日~ 5月02日 4日 196日 20% - -

※注1:節水(%)・日とは,渇水の強度を表す指標。節水日数とその節水率を掛け合わせて給水制限期間の総合計。この値が2000を越えると日常生活において不快感を感じると言われている。

表1-2-3 魚切ダム流入量流況(単位:立方メートル毎秒)

項目 豊水流量 平水流量 低水流量 渇水流量 流域面積
(平方キロメートル)
備考
平均流況 1.78立方メートル毎秒 1.14立方メートル毎秒 0.80立方メートル毎秒 0.57立方メートル毎秒 38.4平方キロメートル 昭和56年~平成11年
1月10日流況 1.24立方メートル毎秒 0.85立方メートル毎秒 0.49立方メートル毎秒 0.37立方メートル毎秒

表1-2-4 中地観測所流況(単位:立方メートル毎秒) 

項目 豊水流量 平水流量 低水流量 渇水流量 流域面積
(
立方メートル毎秒)
備考
平均流況 3.02立方メートル毎秒 1.84立方メートル毎秒 1.22立方メートル毎秒 0.79立方メートル毎秒 81.2立方メートル毎秒 昭和48年~平成11年
1月10日流況 1.78立方メートル毎秒 1.10立方メートル毎秒 0.64立方メートル毎秒 0.60立方メートル毎秒

注)
豊水流量:1年を通じて95日はこれを下回らない流量
平水流量:1年を通じて185日はこれを下回らない流量
低水流量:1年を通じて275日はこれを下回らない流量
渇水流量:1年を通じて355日はこれを下回らない流量

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