1-2-1.成羽川ブロック治水に関する現状と課題
成羽(なりわ)川ブロックにおいては,過去に,昭和45年8月,昭和47年7月の洪水による大規模な被害が発生しました。特に,昭和47年7月洪水は,東城(とうじょう)町,油木(ゆき)町などブロック内の広範囲にわたり浸水被害をもたらせました。中でも東城町では人口・資産が集中する市街地を中心に,死者・行方不明者3人,負傷者13人,住家流失・全壊26戸,半壊27戸,床上浸水238戸,床下浸水895戸,被害総額25億円という甚大(じんだい)な被害が発生しました。
昭和47年7月の災害を契機(けいき)に,油木町の成羽川本川をはじめ豊松(とよまつ)村の支川においては狭窄(きょうさく)部の解消や護岸の修繕などの河川整備を行い,再度災害防止を図りました。しかし,東城町については,成羽川沿川に家屋が連担し再度災害防止のための河川整備が遅れたこともあり,平成5年7月洪水により床下浸水11戸の被害,さらに平成9年8月洪水により床上浸水4戸,床下浸水16戸の被害が発生しました。
東城町をのぞく町村における集落地の家屋浸水被害は解消されていますが,東城町市街地は,ブロック内で最も人口・資産が集中しているにもかかわらず,甚大な浸水被害が繰り返し発生しています。地元の強い要望もあり,昭和47年7月災害の再度災害防止を図るために市街地を流下する成羽川本川の河川整備を行うことが急務となっています。
表-1.1 近年の主な災害発生状況
災害発生年 | 降雨の原因 | 2日雨量 | 対象 地区 | 被害状況 |
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昭和45年8月 | 台風10号 | 111.0ミリメートル (8月20日~8月21日) | 東城町 | 死者7人,住家全壊5戸,半壊8戸,床上浸水46戸,床下浸水69戸,被害総額14億円 |
昭和47年7月 | 梅雨前線 | 357.8ミリメートル (7月10日~7月11日) | 東城町 | 死者・行方不明者3人,負傷者13人,住家流失・全壊26戸,半壊27戸,床上浸水238戸,床下浸水895戸,被害総額25億円 |
油木町 | 住家全壊16戸,半壊1戸,床上浸水14戸,床下浸水19戸 | |||
豊松村 | 浸水戸数30戸(床上,床下は不明) | |||
平成5年7月 | 台風5号 | 175.0ミリメートル (7月27日~7月28日) | 東城町 | 床下浸水11戸 |
平成9年8月 | 前線 | 94.2ミリメートル (8月4日~8月5日) | 東城町 | 床上浸水4戸,床下浸水16戸 |
雨量:東城観測所(建設省)
被害状況:東城史(東城町)
河川浸水被害履歴調査(広島県)