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DoboXデータチャレンジ2023最終審査会を開催しました

印刷用ページを表示する掲載日2024年2月22日

DoboX データチャレンジ2023について

インフラマネジメント基盤「DoboX」などで公開しているオープンデータを活用して、地域課題の解決に有効なアプリケーションやアイデアなどの作品を募集し、14作品の応募があり、一次審査を通過した8作品にて、​優秀作品を選考するコンテスト(DoboXデータチャレンジ)の最終審査会を令和6年1月20日に開催しました。最も優秀な作品に贈られる「DoboXデータチャレンジ2023大賞」には、2作品が選ばれました。

DoboXデータチャレンジ

1.作品概要

作品名(グループ名):【アイデア】Forecast Hazard Map(キッスアーミー)

キッスアーミー1

災害時の適切な避難行動につなげるため、時間降水量のデータから河川浸水をシミュレーションするモデルを構築し、DoboXとPLATEAUのデータを活用して3Dモデルで河川浸水の予測を表現し、避難すべきタイミングや地理的な方向を示すことで、効率的な避難行動を支援する避難行動支援アプリの提案をされました。

キッスアーミー2

審査員からのコメント

避難行動モデルは数多くあるが、浸水がすでにはじまっている状態でハザードマップにある避難経路で避難するとすでに浸水が発生していなるなど可能性もあることから、適切な避難経路への誘導や避難所の最適配置などに検討にも有効であると考えられ、シミュレーションの開発だけではなく、避難行動を検討している自治体・地域のコミュニティなどを含めていろいろな人と議論すると面白いと思う。

作品名(グループ名):【アイデア】Discovering “棚田” in Hiroshima(平方啓介)

平方啓介1

中国地方の中山間エリアは棚田が多く存在する地域であり、日本各地で多くの棚田が失われつつある。棚田は、大雨時の保水機能による洪水の調整能力や、歴史文化に根差す里山としての景観形成など、多様な役割を持っている。この提案は、3次元点群データを活用することで、こうした棚田の役割や魅力などの再認識、また発信等が出来るようにするため、アイデアとそのビジュアライゼーションの構築を行い、中山間地域の棚田の魅力発信について提案されました。

平方啓介2

審査員からのコメント

失われた棚田のデータと組み合わせて、棚田がある場合とない場合の比較などをすることにより、治水対策としての棚田の重要性など次の展開があると思うので、このようなデータを公開することも検討いただきたい。

作品名(グループ名):【アイデア】日常で災害を、災害で日常を(SID(Survive In Disaster ))

SID1

DoboXを使ったVRで地域に特化した災害体験を行うことで、避難ルートや自分の状況を見慣れた景色と重ね合わせて理解でき、正しく行動するための判断材料と考えた。また、災害時に日常のような情報収集や通信状態を保つため、地域全体にWi-Fiを設け、日常は自宅から近い避難場所はどこかなど避難への備えをし、災害時には現在の状況などをアンケート形式で答えることで使用可能となる機能にし、接続後は自分の地域のリアルタイムな情報が得られるようにする。日常からの防災意識を高めるため、日常ではVR体験による防災意識向上、災害時には日常に近い環境整備を行う取組を提案されました。

SID2

審査員からのコメント

とりあえず避難してもらうことはとても重要であり、日常からVRによる体験をして、避難に結びつけるアイデアがとても面白い。また、Wi-fiを使用する際にアンケート機能を付加することにより、避難所でのニーズを把握し、迅速な対応につなげるといった学生ならではの発生は面白いと思う。

作品名(グループ名):【アイデア】ストレスフリーなバス社会の実現(バス移動促進し隊)

バス移動促進し隊1

県内の乗合バス輸送の人員が減少傾向にあることや、県内路線の65%が赤字路線となっている現状があり、この現状を解決し、バス利用者の増加を図るために、バスと自家用車の移動コストや環境影響評価などを比較し、バス利用を促進するアプリの開発と渋滞のないバス専用道路の導入を提案されました。

バス移動促進し隊2

審査員からのコメント

 

作品名(グループ名):【データ】安芸高田市に人を集めたい!(神楽って知ってますか?)

神楽って知ってますか1

中国地方の観光地はなぜ南部に集中しているのか…?これらは全て南部に集中しています。それは広島県全体の活性化なのか…盛り上がりなのか...知ってもらいたい…北部にも良い所あるって!!経路検索を円滑に行うため、安芸高田市全域のコミュニティバス情報を経路検索サービスに活用できるデータを作成されました。

GTFS

審査員からのコメント

バス停の位置情報を現地調査しデータを作成され、大変だったと思う。コミュニティバスなどまだGTFSデータ化されていないバス事業に対し、イニシャルコストはかかるかもしれないが、データ化したことに伴う更新の効率化などいろいろな団体に展開できる取組だと思う。

作品名(グループ名):【アクティビティ】DoboX子ども防災マップづくり(DATAKIDS子ども防災マップクラブ)

DATAKIDS1

避難所情報、洪水、土砂、津波・高潮ハザードの防災オープンデータを掲載したデジタルコンテンツサービス「DATAKIDS子ども防災マップ」を活用し、親子で体験でき、防災について考え話し合いながら「自分だけの地図」をつくり、危険な場所やもしもの集合場所などを話し合うきっかけづくりを提供する。防災意識の向上とGISリテラシーを身に付けた地域人材を育成するため、親子で防災を考え、話し合うプログラムを実施されました。

まちケア

審査員からのコメント

防災のみでなく、地域の魅力を子供たちに探してもらって、展開していくなどすると面白いと思う。

作品名(グループ名):【アプリケーション】防災情報プラットフォーム「みんなの自主防」(株式会社熊平製作所)

株式会社熊平製作所1

激甚化する自然災害から地域住民を守るため、地域防災力を高めるウェブサイト「みんなの自主防」を開発し、インターネット上に点在する防災に資する情報を自主防災組織の活動単位である小学校区毎で集約・表示し、災害発生時に地域住民の正常性・同調性バイアスを排して素早い避難行動につなげ、また、平常時にも様々な情報発信が可能で、地域防災の担い手である自主防災組織の活動を支援するアプリケーションを提案されました。

株式会社熊平製作所2

審査員からのコメント

小さいコミュニティをターゲットとしたアプリケーションの構築で、いろいろな地域で使用したいツールでした。日常から利用できる環境がとても大切で、ごみの収集日などのパブリックな情報と連携すると、利用率もある程度確保できるので、さらなる発展を期待している。

作品名(グループ名):【アプリケーション】移動経路の水害リスクを考慮した避難時間ハザードマップ(金曙姸​

金曙姸1

千田小学校区の元安川が氾濫した場合を事例に避難所への移動に要する時間のハザードマップを作成し、莫大なコストが必要となる商用データと商用サービスの代わりに,オープンデータとオープンソースを組み合わせた独自の経路探索サーバを構築した。平時と浸水時を想定したいくつかのシナリオに基づき,避難時間を算出し地図上に可視化したサービスを提供し,平時と浸水時の避難時間のギャップを知ることで早期の避難行動を促すための移動経路の水害リスクを考慮した避難時間ハザードマップアプリケーションを提案されました。

金曙姸2

審査員からのコメント

自治体が避難所を開設する順番や避難経路の検討などに活用でき、発展性がある取組だと思う。不確実な部分による要因(浸水により、車が動かず通行止めなど)も今後想定してシミュレーションしてみるとさらなる検討に活用できると思う。

審査の様子

審査の様子1

審査の様子2

審査の様子3

審査の様子4

 

2.審査結果

○DoboXデータチャレンジ2023大賞

・Forecast Hazard Map(キッスアーミー)

大賞(キッスアーミー)

大賞受賞者コメント

まだまだ未完成の部分があるが、アプリケーションを実装できるように開発を続けていく。

・防災情報プラットフォーム「みんなの自主防」(株式会社熊平製作所)

大賞(株式会社熊平製作所)

大賞受賞者コメント

継続的なサービスとなるよう、いただいたアドバイスを基にビジネスモデルも検討しつつ、関係団体と連携しながら進めて行きたい。

 

○各部門最優秀賞

【アイデア部門】

・Forecast Hazard Map(キッスアーミー)

最優秀賞(キッスアーミー)

・日常で災害を、災害で日常を(SID(Survive In Disaster))

最優秀賞(SID)

【データ部門】

・安芸高田市に人を集めたい!(神楽って知ってますか?)

最優秀賞(神楽って知ってますか?)

【アクティビティ部門】

・DoboX子ども防災マップづくり(DATAKIDS子ども防災マップクラブ)

※オンライン参加のため、表彰式の写真無し

【アプリケーション部門】

・防災情報プラットフォーム「みんなの自主防」(株式会社熊平製作所)

最優秀賞(株式会社熊平製作所)

・移動経路の水害リスクを考慮した避難時間ハザードマップ(金 曙姸)

最優秀賞(金曙姸)

3.最後に

相原審査員長あいさつ

相原審査員長コメント

今回14作品の応募があり、学生の作品もかなり応募がございました。さらに残った優秀な8作品のなかの5作品が防災・減災の取組ということで、オープンデータがいかに防災分野で利活用されているか示すことができ、良かったと思います。今回のオープンデータを利活用した取組について、DoboXのようなオープンデータがいかに身近で役に立つかということを多くの人に示すとてもいい取組だと信じております。一般の部でエントリーした作品については、実用化に向けて取り組んでいただけるのではないかと思いますし、期待しております。これが広島県の防災だけではない取組につながることを予感しております。引き続きDoboXデータチャレンジに注目していただき、機会があればまた作品応募いただければと思います。本日はどうもお疲れ様でした。

集合写真

来年度以降も引き続き、DoboXデータチャレンジやハッカソン・アイデアソンを開催する予定ですので、ぜひご参加ください。

 

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