牛等の排せつ物に由来する堆肥中のクロピラリドが原因と疑われる園芸作物等の生育障害の発生への対応について
印刷用ページを表示する掲載日2019年2月20日
1 クロピラリドとは
1 クロピラリドは,飼料作物に使用される除草剤の成分で,主に米国,豪州,カナダで使用されており,これらの国からの輸入飼料を与えられた家畜の排せつ物に由来した堆肥には,クロピラリドが含まれている可能性があります。
2 クロピラリドが含まれた堆肥を施用した場合,クロピラリドに対する感受性が高いナス科(トマト,ミニトマト等),マメ科(スイートピー等),キク科(キク等)に生育障害が出る可能性があります。
3 なお,クロピラリドは,家畜の体内から速やかに排出され,家畜や人体に対する毒性が低いため,家畜やその他の畜産物を摂取しても健康被害をもたらすことはないと考えられています。
2 クロピラリドが含まれた堆肥を施用した場合,クロピラリドに対する感受性が高いナス科(トマト,ミニトマト等),マメ科(スイートピー等),キク科(キク等)に生育障害が出る可能性があります。
3 なお,クロピラリドは,家畜の体内から速やかに排出され,家畜や人体に対する毒性が低いため,家畜やその他の畜産物を摂取しても健康被害をもたらすことはないと考えられています。
2 これまでの生育障害の発生状況
本県では,牛等の排せつ物に由来する堆肥中のクロピラリドが原因と疑われる園芸作物等の生育障害の発生の報告はありませんが,全国では18県から65件(平成30年7月現在)の生育障害の発生が報告されています。
これまで,主に牛の排せつ物に由来する堆肥(一部,馬の排せつ物に由来する堆肥)を施用した育苗中のポット栽培や施設栽培において,生育障害が生じています。
農林水産省の調査では,牛,馬,豚及び鶏の排せつ物に由来する堆肥でクロピラリドが検出されています。
これまで,主に牛の排せつ物に由来する堆肥(一部,馬の排せつ物に由来する堆肥)を施用した育苗中のポット栽培や施設栽培において,生育障害が生じています。
農林水産省の調査では,牛,馬,豚及び鶏の排せつ物に由来する堆肥でクロピラリドが検出されています。
3 生育障害が生じやすい作物(耐性の弱い作物)
クロピラリド耐性の弱い作物は,ナス科,マメ科,キク科で,次のようなものです。
1 特に弱いもの
(例)トマト,ミニトマト,大豆,えだまめ,さやえんどう,そらまめ,キク,ヒマワリ,コスモス,アスター,スイートピー
2 弱いもの
(例)ピーマン,ナス,さやいんげん,にんじん,しゅんぎく,ふき,ひゃくにちそう
1 特に弱いもの
(例)トマト,ミニトマト,大豆,えだまめ,さやえんどう,そらまめ,キク,ヒマワリ,コスモス,アスター,スイートピー
2 弱いもの
(例)ピーマン,ナス,さやいんげん,にんじん,しゅんぎく,ふき,ひゃくにちそう
4 生育障害について
・主に葉がカップ状になったり,わん曲したりします。
・類似した症状は,土壌養分の過剰欠乏や病害虫,薬害などにもあるので,慎重な検討が必要です。
品目:トマト | 品目:さやえんどう | 品目:きく |
症状:葉の異常 | 症状:葉がカップ状になる | 症状:葉の異常 |
5 被害を未然に防止するために
クロピラリド耐性の弱い作物を栽培する際は,次のことに留意しましょう。
1 ポットで栽培する場合は,家畜由来堆肥の利用を控えましょう。
2 施設で栽培する場合は,
(1)家畜由来堆肥の投入量を多すぎないようにしましょう。
(2)家畜由来堆肥を施用する場合は,土壌とよく混和しましょう。
1 ポットで栽培する場合は,家畜由来堆肥の利用を控えましょう。
2 施設で栽培する場合は,
(1)家畜由来堆肥の投入量を多すぎないようにしましょう。
(2)家畜由来堆肥を施用する場合は,土壌とよく混和しましょう。
6 疑わしい生育障害が発生した場合は
1 発生した場合は,現在のところ有効な被害軽減技術はありません。
2 様々な原因を検討した結果,クロピラリドと疑われると思われる場合は,最寄りの農業協同組合,農業技術指導所または農業技術課に相談してください。
3 関係機関で情報収集を行い,次作へ向けた対策を検討します。
2 様々な原因を検討した結果,クロピラリドと疑われると思われる場合は,最寄りの農業協同組合,農業技術指導所または農業技術課に相談してください。
3 関係機関で情報収集を行い,次作へ向けた対策を検討します。
7 よくある質問と回答
Q1 海外の飼料の輸入を止めることはできないの?
A1 国内で使われている飼料の多くを輸入飼料に依存しており,輸入を止めた場合は畜産業が成り立たなくなるため,輸入を止めることはできません。
Q2 堆肥や飼料の成分分析で発生程度の基準はないの?
A2 分析機器で検出できる下限値以下の成分量でも発生する例もあるため,基準は設けられていません。
Q3 広島県内では発生したことがあるの?
A3 県内での発生報告はありません。全国では18県から65件(平成30年7月現在)の報告があります。
A1 国内で使われている飼料の多くを輸入飼料に依存しており,輸入を止めた場合は畜産業が成り立たなくなるため,輸入を止めることはできません。
Q2 堆肥や飼料の成分分析で発生程度の基準はないの?
A2 分析機器で検出できる下限値以下の成分量でも発生する例もあるため,基準は設けられていません。
Q3 広島県内では発生したことがあるの?
A3 県内での発生報告はありません。全国では18県から65件(平成30年7月現在)の報告があります。
8 クロピラリドに関する情報
クロピラリドの詳細な情報については,農林水産省のホームページをご覧ください。
9 その他
10 お問い合わせ先
農林水産局 農業技術課
〒730-8511
広島市中区基町10-52
電話:(082)513-3585 Fax;(082)223-3566
Email:nougijutsu@pref.hiroshima.lg.jp
〒730-8511
広島市中区基町10-52
電話:(082)513-3585 Fax;(082)223-3566
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