箔押し紙
<箔押し紙(はくおしがみ)>
◇沿革・特徴
1905年創業者の久永清次郎が歴清社を興す。もともと刀剣商を営んでいた家柄であったが、1876年に発令された廃刀令などにより商いを余儀なく転換し、それまで出入りをしていた武家や長者屋敷の調度品に着目し、屏風商に転換したのがことの始まりである。
屏風を仕立てるための本金箔押し紙を京都から仕入れていたが、それらは高価で時間もかかる上、手に入りづらく、思案の末、清次郎は安価な洋金箔(真鍮製の箔)を使った箔押し紙の開発に着手した。
接着剤などの材料の試行錯誤を繰り返し、実用試験を繰り返すことで、ついに本金箔と同様に変色せず実用にも耐え得る金紙を日本で初めて製品化し、以来、評判が評判を呼び、国内のみならず世界にも販路を拡大した。現在は、神社仏閣はもとより、高級ホテルや美術館など様々な場所で歴清社の製品が活用されている。
令和4年度には、歴清社が今まで製作した1,000種以上に及ぶ金銀紙の中から、約30種類を大小様々なサイズで詰め合わせた商品「手仕事のおすそわけ LEAF GIFT」が広島市の特産品認定制度「ザ・広島ブランド」に認定されている。
箔押し紙は、伝統工芸技術である「箔押し」により金属箔を1枚1枚職人の手で和紙に貼り合わせて作られる。
箔押し紙のベースである和紙を歴清社の規格サイズに裁断する。規格サイズは最大で7.4mまで製造可能である。裁断した和紙に歴清社独自の接着剤を刷毛で手作業で塗り、箔押しをしていく。その後、約2週間かけて自然乾燥させたものに表面保護と変色腐食を防止するためのコーティングを施す。厚さ約10000分の1ミリ程の極薄の箔を1枚1枚手貼りしていく作業は、とても繊細で高い技術が必要である。
歴清社製の箔押し紙の特長として、洋金箔(真鍮箔)を使用ながらも、変色しないとされる本金箔と同様に、限りなく変色せず実用にも耐え得る洋金箔製の金紙の製品化に成功したことである。それは金属箔の経時変色を劇的に抑える唯一の技術で、洋金箔押し紙の製造方法は特許を取得する。
使用している箔はプラチナ箔・本金箔、本銀箔、青貝/赤貝/黒貝箔(本銀箔を硫黄でいぶして変色させている箔)、真鍮箔・アルミ箔・銅箔・錫箔と約10種類の箔を用いてさまざまなデザインの箔押し紙を製造し、今まで1000種類以上の製品を製造している。
◇主たる産地
広島市
◇原材料
金属箔、和紙
◇主な製品
箔押し紙


◇製造者
株式会社歴清社
広島市西区三篠町三3丁目20-4
082-237-3530
office@rekiseisha.com
https://rekiseisha.com/
◇関連リンク
ザ・広島ブランド(広島市)
箔押し紙
