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インドネシアにおける協力協定について

印刷用ページを表示する掲載日2019年11月1日

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 環境問題解決のニーズが高まるインドネシア。市場に参入するためには,明確なビジネスモデルと適切な現地パートナーを探すことが必要です。

 広島県は2019年5月,インドネシア・西ジャワ州の州都であるバンドン市を訪問し,同市に本部を置く団体「インドネシア環境汚染管理者協会(略称:APPLIアプリ)」とMoU(協力協定)を締結。このMoUにより,APPLIを通じてインドネシア展開を検討される県内企業の皆様へのサポートが提供可能となりました!

サイニング

 広島県がインドネシアでの環境ビジネス展開に力を入れ始めたのは2013年。現地でのパートナーを探していたところ,バンドン市から紹介していただいたのがAPPLIでした。
 APPLIとは,インドネシアで公害防止管理者制度(専門家を工場に配置することにより,工場内に公害防止体制を作る制度)を導入したのに伴い,2012年に設立された団体で,JETRO(日本貿易振興機構)が設立の支援を行いました。
 2016年から2018年の間,広島県とAPPLIは,JETROのRIT(Regional Tied Up:地域間交流)事業を活用して企業同士のマッチングを進めてきました。RIT事業が終了した今年度からは,広島県とAPPLIが直接MoUを結び,より確度の高いリストアップや商談への随行・手厚いフォロー等,密接なサポートを協議会員の皆様に提供できるようにすることを目指しています。MoU締結式に合わせて,協議会会員企業様の製品や技術を紹介するセミナーを開催しました。インドネシア政府関係者や企業23社にご参加いただき,排水処理,汚泥対策や廃棄物リサイクル等に関するニーズを頂きました。

ヨセフ氏

 APPLIが事務局を置くバンドン市は,ジャカルタから東に約150キロ,ジャワ島西部に位置する西ジャワ州の州都です。ジャカルタから列車に乗って約3時間,車窓からは近代的な都市や工業地帯の風景と,ジャワ島の豊かな農村風景を楽しむことができます。
 バンドンを流れる全長269キロのチタルム川の流域の約2,800の工場のうち約半数は排水処理設備がなく,基準を満たす設備を持つ工場は全体の約1割に過ぎないと言われています。「世界で一番汚い川」という別名を持つチタルム川。その「汚名」を返上すべく,2018年から国レベルの浄化プログラムである「チタルム・ハルム(ハルムはインドネシア語で「香り高い」)を実施し,「世界で一番きれいな川」を目指し,国を挙げての取り組みが始められたところです。APPLIも技術分野で協力しています。

 昨年の広島RITセミナーでは西ジャワ州環境局の課長様に講演いただき,上流は畜産,中流(バンドン付近)はテキスタイル(繊維),下流は工業団地の排水が課題であると紹介いただきました。
 また,廃棄物関連では,2008年に廃棄物管理法が,昨年には廃棄物処理焼却発電施設の大統領令が発せられ,12の大都市でまず整備が行われることになりました。排水処理分野では,特定の産業種(繊維,製紙等)を対象に,来年までに排水の常時モニタリングが義務付けられるなど,環境規制が年々厳しくなっており,環境問題解決のニーズはますます高まっています。同国市場に参入するために,是非ともAPPLIを活用してください!

シャイクル氏

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