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ヨーロッパにおける協力協定について

印刷用ページを表示する掲載日2019年12月23日

タイトル

 ヨーロッパは環境意識が高い地域として知られ,多くの環境関連企業が先進的な技術・製品を開発し,世界中に展開しています。とりわけオーストリアドイツでは,産業クラスター(企業や研究機関の集積)政策が成果を上げており,環境分野でも多くのクラスターが形成されています。
 広島県はこの環境先進地であるヨーロッパ企業との環境分野におけるビジネス展開を進めるため,2019年11月,現地の環境関連産業クラスター2団体とMoU(協力協定)を締結しました!
 「販売先候補,現地販売店・代理店を探している」,「技術提携(製品や技術ライセンス提供・導入)を考えている」「この技術を探してほしい」等,ヨーロッパへの展開・取引希望がありましたら,ひろしま環境ビジネス推進協議会協議会事務局までご連絡ください。先方のクラスター事務局を通じて,貴社のご希望に沿う企業を探すことが可能です。

概要

グリーンテック・クラスター
Green Tech Cluster

 本部はオーストリア中部のシュタイアーマルク州の州都であるグラーツ。同市の19世紀に建てられた市庁舎をはじめとする美しい町並みは世界文化遺産に指定されています。近年,市内の宮殿で安土桃山時代の大阪図屏風が発見され,日本との縁も生まれています。
 グラーツは自動車産業が盛んなことでも有名ですが,200を超す環境関連企業・研究機関が集積していることから「グリーンテック・バレー」とも呼ばれる環境先進地域です。同地域の環境・エネルギー技術の総生産はGDPの10%以上に及んでいます。

 

グラーツ締結

 2005年にPPP(官民連携)形式の株式会社として設立されて以来,グリーンテック・クラスターは会員企業とともにR&Dプロジェクト開発や海外との関係構築に尽力してきました。その運営は高く評価され,EU欧州委員会が認定する優秀クラスター最上位であるゴールドラベルを取得しています。
 クラスターの存在意義はクラスター内にイノベーションを起こすこと。クラスター内のマッチングにより新たな事業を創出することを目標にしており,これまでに企業間連携で生まれた新たなイノベーションプロジェクトは198にものぼります。グラーツはヨーロッパ有数の大学都市であることから,研究者と企業間の対話も積極的に行われています。

 現在,同クラスターが重点産業としているのは以下の3つ。

  1. グリーンエネルギー振興
    特にバイオマス,水力,太陽光。シュタイアーマルク州で開発された技術は全世界の再生可能エネルギーの約20%を支えています。
  2. グリーンリソース振興
    特にリサイクル。1987年にヨーロッパ初のリサイクルプラントが建設されるなど,シュタイアーマルク州は早い時期からリサイクルに力を入れてきました。
  3. グリーンビルディング振興
    グリーンテック・クラスターの事務所ビルの外面には,クラスターのメンバー企業が製造した薄い太陽光パネルを設置。建物の前にはゼロエミッション地区を建設中で,地区として二酸化炭素と廃棄物を出さない仕組み作りを行っています。

grazoffice

CIO(クリーンテック・イニシアティブ・東ドイツ)
Cleantech Initiative Ostdeutschland

 本部が置かれているドイツ東部ザクセン州の州都ドレスデンは,かつてはドイツ民主共和国(東ドイツ)に属していました。同市は第二次大戦末期の爆撃により壊滅的な被害を受けましたが,戦後残ったがれきを活用して文化財の再建が進み,中心部を流れるエルベ河畔には,聖母教会をはじめとする重厚で端正な石造建築が林立しています。
 同クラスターは,旧東ドイツの環境関連企業をつなぐ組織として,2011年に連邦政府からの出資により設立されました。旧東ドイツ地域の人口は約1,600万人で,比較的安価な労働力により近年発展を遂げています。
 ドイツは2050年までに電力の80%を再生可能エネルギーで賄うことを目標にしていますが,現在の達成率は30%ほど。一方東ドイツ地域における達成率は70%前後で,国内市場の30%以上の企業が同地域に集中する等,再生可能エネルギー関連の産業集積が進んでいるエリアです。

CIO

 同クラスターには約3,000の企業が在籍しており,その95%以上を中小企業が占めています。旧東ドイツ地域を世界的なクリーンテック地帯にすることを目標に,民間企業と研究機関の連携や企業のサポート,新しいプロジェクトの実行を担ってきました。

主要市場としているのは以下の6つの分野。

  1. クリーンエネルギー
    再生可能エネルギー,エネルギー貯蔵,スマートグリッド,クリーンな化石燃料の使用
  2. 省エネ
    エネルギー効率に配慮した建物,工場,機器,産業行程
  3. 新素材
    ナノテクノロジー,バイオテクノロジー
  4. 循環型経済
    廃棄物収集・運搬,リサイクル,汚染浄化
  5. サステイナブルな水管理
    集水,水処理,排水
  6. サステイナブル・モビリティ
    代替燃料,交通インフラ,交通整理
     

 同クラスターの指針は「(企業と企業,州と州,研究機関と企業の連携による)イノベーション」,「投資」,「国際化」の3つ。これらの観点に基づき,会員企業に対して4半期に1度ウェブマガジンを配信するなど,積極的な広報活動を行っています。「国際化」欄に広島県企業の情報を載せることもできるので,興味のある方は是非御連絡ください。

ドレスデン締結

 このように会員数・実績ともに豊富な2つのクラスターと協力関係を結ぶことにより,協議会会員の皆様とヨーロッパの企業や研究機関の橋渡しを行うことが可能になりました。橋渡しを行った後も,環境ビジネスに精通した現地在住の日本人コーディネーターによるきめ細かなサポートを継続して行います。是非とも活用をご検討ください!

支援形態

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