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豚肉や豚の内臓(レバーなど)は、加熱して食べましょう

印刷用ページを表示する掲載日2024年1月4日
豚を含む獣畜及び家きんの肉や内臓については、食中毒の原因となる菌等が付着している可能性があるため、加熱して食べるよう指導を行ってきました。
 一方、平成24年7月に牛レバーの生食用としての提供を禁止して以降、一部の飲食店において豚の肝臓を生食用として提供していることが判明し、平成24年10月4日から、豚の肝臓を生食することの危険性の周知及び関係事業者に対して必要な加熱を行うよう再度指導してきました。
 今回、厚生労働省が、食肉の生食に関する対応について検討を行ってきたところ、豚の食肉の生食については、
●飲食店等における提供実態があること
●E型肝炎ウイルス(以下「HEV」という。)・食中毒菌及び寄生虫による危害要因があること
●HEVや寄生虫は内部汚染であるため内部までの加熱以外のリスク低減策が考えられないこと、など踏まえ、公衆衛生上のリスクが特に高い
これらのことから、生食用として提供を禁止することとなり、食品衛生法(昭和22年法律第233号。以下「法」という。)第11条第1項に基づく基準を設定し、豚の食肉を生食用として販売することが平成27年6月12日から禁止されました。
豚肉の生食による主な食中毒の原因

1 カンピロバクター
2 サルモネラ
3 E型肝炎
4 寄生虫(トキソプラズマ症)

1 カンピロバクター

 カンピロバクターは、あらゆる動物が保菌しており、本菌に汚染された食品等を食べることにより感染します。
また、100個程度と比較的少ない菌量でも感染が成立することが知られています。

(1)感染するとどのような症状になるの? 

潜伏期間(病原体が人の体に侵入(感染)してから症状が出るまでの期間):2~5日

症状 下痢、腹痛、発熱、悪心(気持ちが悪くなる)、嘔気、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感など

その他:  カンピロバクター感染後に、神経障害等をひきおこす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合があります。  

(2)予防方法は?   

 カンピロバクター食中毒は、加熱調理によりカンピロバクターを死滅させること及びカンピロバクターに汚染されている可能性のある食品からの2次汚染を防止することにより予防が可能です。

そのためには・・・・

(1)肉や内臓肉は十分に加熱調理(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)を行う。
(2)肉以外の食品と調理器具や容器を分ける(二次汚染防止のため)。

 ※二次汚染とは、調理中の食品が、まな板や調理器具類、あるいは調理する人の手を経由することで細菌やウイルスに汚染されることです。

(3)関連情報

カンピロバクター食中毒予防について(Q&A) (厚生労働省)

感染症についての情報 (厚生労働省検疫所 FORTH)

感染症の話 (国立感染症研究所 感染症情報センター)

2 サルモネラ

 サルモネラは自然界に広く分布し、また人や動物などが保菌しており、本菌に汚染された食品等により感染します。

(1)感染するとどのような症状になるの? 

 〇 潜伏期間(病原体が人の体に侵入(感染)してから体に症状が出るまでの期間):通常8~48時間(種類によっては3~4日後)
 〇 症状:急性胃腸炎、38℃以上の熱、1日10回以上の水溶性下痢、腹痛など

(2)予防方法は?

(1)   肉や内臓肉は十分に加熱調理(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)をおこなう。
(2)   動物を触った後はかならず手をしっかり洗う特に爬虫類)。
(3) 他の食品と調理器具や容器を分ける(二次汚染防止のため)。
※二次汚染とは、調理中の食品が、まな板や調理器具類、あるいは調理する人の手を経由することで細菌やウイルスに汚染されることです。

(3)関連情報

 〇 感染症についての情報   (厚生労働省検疫所 FORTH)

3 E型肝炎

 ヒトのE型肝炎ウイルス肝炎ウイルスの感染によっておこる人獣共通感染症です。
 急性肝炎で、慢性化することはなく、また、一過性の感染でB型やC型肝炎のようにキャリア化することはありません。   

(1)感染するとどのような症状になるの?

〇 潜伏期間(病原体が人の体に侵入(感染)してから体に症状が出るまでの期間):2~9週間(平均6週間)  
〇 症状: 平均6週間の潜伏期の後に、発熱、悪心(気持ちが悪くなる)、腹痛等の消化器症状、肝腫大(はれ)、肝機能の悪化が現れます(大半の症例では安静により治癒しますが、稀に劇症化することがあります。) 

(2)予防方法は?

 加熱調理によりE型肝炎ウイルスは感染力を失うため、肉や内臓肉は中心部まで火が通るように十分に加熱調理して食べましょう。

(3)関連情報

 〇 感染症についての情報 (厚生労働省検疫所 FORTH)
 〇 
感染症の話 (国立感染症研究所)
 〇 
E型肝炎Q&A (厚生労働省)

4 寄生虫(トキソプラズマ症)

 トキソプラズマ症は、トキソプラズマ原虫の感染によっておこる人獣共通感染症です。
 ヒトは、汚染された豚肉などを生または加熱不十分なまま食べることにより感染する可能性があります。
 また、トキソプラズマに感染した猫の糞便中にオオシスト(虫卵のようなもの)が排泄され、ヒトへの感染源となります。
   

(1)感染するとどのような症状になるの?

潜伏病原体に感染してから体に症状が出るまでの期間):数日~1週間程度

症状:ほとんどは無症状から頭痛や軽い発熱などの軽度の症状。ただし、妊娠の数ヶ月前あるいは妊娠中に初めてトキソプラズマに感染した場合は、流産や胎児に症状が現れる可能性があります(先天性トキソプラズマ症)。

(2)予防方法は?

(1) 肉や内臓肉は、十分に加熱調理を行う。
(トキソプラズマが食肉中に含まれている
場合、冷蔵庫(4℃)や凍結には強い(抵抗がある)が、加熱調理をすると感染性が消失(55℃、5分)するため) 
(2) 他の食品と調理器具や容器を分ける
(二次汚染防止のため)。
 ※二次汚染とは、調理中の食品が、まな板や調理器具類,あるいは調理する人の手を経由することで細菌やウイルスに汚染されることです。 
(3)猫の糞が付く恐れのある場所(ガーデニングや畑仕事など)では手袋を着用しする。
(4)果物や野菜を食べる前には手よく手を洗う。 など
 

(3)関連情報 

 〇 感染症についての情報 (厚生労働省検疫所 FORTH)

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