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民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後のこどもの養育についての見直し)について

印刷用ページを表示する掲載日2026年3月11日
令和6年5月24日、民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)が公布されました。
父母の離婚後のこどもの養育について見直され、親の責務や親権、養育費、親子交流などの様々なルールが新しくなります。
なお、この改正は令和8年4月1日から施行されます。

親の責務に関するルールの明確化

 親権や婚姻関係があるかどうかに関わらず、子供を育てる責任と義務についてのルールが明確にされました。

こどもの人格の尊重

 こどもが心も体も元気でいられるように育てる責任があります。
 こどもの利益のために、こどもの意見にしっかりと耳を傾け、人格を尊重しなければなりません。

こどもの扶養

 父母には、親権や婚姻関係の有無に関係なく、こどもを養う責任があります。
 こどもが親と同じくらいの生活を送れる水準でなければなりません。

父母間の人格尊重・協力義務

 こどものためにお互いを尊重して協力しあうことが大切です。

下記のようなことはルールに違反する場合があります。

・暴力や相手を怖がらせるような言動
・他方の親によるこどもの世話を不当に邪魔すること
・理由なくこどもの住む場所を変えること
・約束した親子交流をさまたげること
※暴力等や虐待から逃げることはルールに違反しません

こどもの利益のための親権行使

 親権はこどもの世話やお金や物の管理など、こどもの利益を守るために使われなければなりません。

 

離婚後の親権に関するルールの見直し

 父母のどちらか1人だけが親権を持つ「単独親権」のほか、離婚後に父母2人ともが親権を持つ「共同親権」の選択ができるようになります。

親権者の定め方​

協議離婚の場合

 父母が話し合いによって親権者を父母2人ともとするか、どちらか1人にするかを決めます。

父母の協議が調わない場合や裁判離婚の場合

​ 家庭裁判所が、父母とこどもの関係や父と母の関係などを考慮した上で、こどもの利益を考えて、親権者を父母2人ともとするか、どちらか1人にするかを定めます。この手続きでは、家庭裁判所は父母それぞれから意見を聴かなければならず、こどもの意思を把握するように努めなければなりません。

次のようなケースでは、家庭裁判所は共同親権と定めることはできません

・虐待のおそれがあると判断された場合
・DVのおそれやその他の事情で、父母が共同して親権を行うことが難しいと判断された場合など

父母2人ともが親権をもつ「共同親権」の場合

日常のことは、一方の親で決められる

 食事や着る服を決めること、短い旅行、予防接種や習い事など、毎日の生活に必要なことは、父母のどちらかで決めることができます。

大切なことは父母2人で話し合う

 こどもの住む場所を変えることや将来の進学先を決めること、心と体の健康に大きな影響を与える治療やこどものお金の管理などについては父母が話し合って決められます。なお、父母の意見が対立するときには、家庭裁判所で、父母のどちらかが1人でその事項を決められるようにする裁判を受けることもできます。

一方の親が決められる緊急のケース

 暴力等や虐待から逃れるために引っ越すこと、病気やけがで緊急の治療が必要な場合などは、父母のどちらも1人で決めることができます。

 

​養育費の支払い確保に向けた変更点

 養育費を確実に、しっかりと受け取れるように新たなルールの創設やルールの見直しが行われました。

取り決めの実効性アップ

 文書で養育費の取り決めをしていれば、支払が滞った場合にその文書をもって一方の親の財産を差し押さえるための申立てができるようになります。

法定養育費

 離婚時に養育費の取り決めがなくても、取り決めるまでの間、こどもと暮らす親が他方の親へ、こども一人あたり月額2万円の養育費を請求できる制度です。離婚後もこどもの生活が守られるよう設けられました。養育費が決まるまでの暫定的、補充的なものです。
※法定養育費は父母間で取り決めるべき養育費の標準額や下限額を定める趣旨のものではありません。
※施行後に離婚した場合に適用になります。

裁判手続きがスムーズに

 家庭裁判所は養育費に関する裁判手続きをスムーズに進めるために収入情報の開示を命じることができることとしています。また、養育費を請求する民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申立てで財産の開示、給与情報の提供、判明した給与の差し押さえに関する手続きを行うことができるようになります。

安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し

 親子交流や父母以外の親族との交流に関するルールが見直されました。

親子交流の試行的実施

 家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うことができます。家庭裁判所はこどものためを最優先に考え、実施が適切かどうかや調査が必要かなどを検討し実施をうながします。

婚姻中別居時の親子交流

 父母が婚姻中にこどもと別居している場合の親子交流は、こどものことを最優先に考えることを前提に、父母の協議で決め、決まらないときは家庭裁判所の審判等で決めることが明確にされました。

父母以外の親族とこどもの交流

 こどもと祖父母などとの間に親子のような親しい関係があり、こどものために特に必要があるといった場合は、家庭裁判所はこどもと父母以外の親族との交流を定められるようになります。

 


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