ダルマガエル
ダルマガエル(ナゴヤダルマガエル) 【学名:Rana porosa brevipoda】
Q:「ダルマガエル」(ナゴヤダルマガエル)ってどんなカエルなの?
A:昔は水田などで,ごく普通に見られるカエルでしたが,圃場整備や水田の消失などで,ダルマガエルの生活環境が少なくなり,広島県では絶滅したと思われていました。
姿は,トノサマガエルに良く似ていますが、手足が短くずんぐりした体つきです。
本州の山陽地方東部(岡山・広島)・近畿・東海地方と四国(瀬戸内沿岸)にのみ,生息しています。
広島県野生生物の種の保護に関する条例により,指定野生生物種に指定され,保護されているカエルです。
広島県が作成した,「レッドデータブックひろしま2011」では,絶滅危惧I類のカテゴリとなっています。
Q:どんなところに住んでいるの?
A:ダルマガエル(ナゴヤダルマガエル)は,低地にある流れの緩やかな河川や水田に生息します。
主に水辺で生活し、水辺から離れることはあまりありません。
冬になると水の干上がった水田の泥の中や藁(わら)の下などに潜り,冬眠します。
Q: なんで数が少なくなっているの?
A:ダルマガエル(ナゴヤダルマガエル)は,水辺で生活するため、田植えの時期にしか水を張らない「乾田」が増加することによって,生息環境が少なくなったことが原因と言われています。
また,高齢化により,米農家が減り,休耕田が増えたことや,水田が宅地や商業土地として利用されるなど,ダルマガエル(ナゴヤダルマガエル)の生活できる場所が少なくなったことです。
Q:ダルマガエル(ナゴヤダルマガエル)とトノサマガエルの見分け方を教えて!
A:広島市安佐動物園さんにお聞きして,見分け方をまとめてみました!!
| 写真 | |
ナゴヤダルマガエル | 名前 | トノサマガエル |
絶滅危惧IB類(EN) | 環境省第4次レッドリスト(2012) | 準絶滅危惧種 |
絶滅危惧I類(CR+EN) | RDBひろしま2011カテゴリ | 準絶滅危惧種 |
オス3.5cm~6.2cm,メス3.7cm‐7.3cm | サイズ | 5~9cm |
ずんぐり、足が短い | 体型 | スマート、足が長く跳躍力が強い |
ギュー ギュー | 鳴き声 | ゲッゲッゲゲ |
背中の真ん中に線なし | 背中 | 真ん中に縦の線 |
丸い黒班がある | 模様 | 斑点はつながる |
写真・資料提供協力:広島市安佐動物公園
Q:今どのくらいの数がいるの??
A:保護活動等のおかげで最新の調査結果によると,広島県世羅町では,1,000匹程度が確認されています。
Q:どこに行ったらダルマガエル(ナゴヤダルマガエル)に会えるの??
A:広島県世羅町小谷(せらちょう おたに)のダルマガエル保護区,広島市安佐動物公園,などで会うことができます!
【注意】
世羅町小谷の保護区は私有地です。許可なく立ち入りはできません。
また,条例により,ダルマガエルを許可なく捕獲することはできません。
Q:ダルマガエル米ってなに??
A:ダルマガエルの生活サイクルに同調した方法で稲作を行い,ダルマガエルが水田に生息することによって,害虫を食べてくれるため,減農薬で収穫しているお米です。
Q:生産量はどれくらいなの?
A:広島県内の生産量は,年間約4トンです。
Q:ダルマガエル米に使われている,お米の品種は何?
A:広島県世羅町の生産者にお伺いしたところ,遅い時期まで,水田に水を張れる,晩生品種の「アキロマン」を使用しているそうです。
Q:販売価格はどのくらい?どこで買えるの?
A:1キロあたり500円~800円(購入キロ数によって値段は前後します)。
主に,地元で,手売り販売されているようです。
限られた環境と限られた人数での生産により,生産数が少ないため,一般の量販店での取扱いはないそうです。
一度食べてみたい!と思われる方は,毎年10月中旬~数量限定で,広島市安佐動物公園で販売されています。
また,直接,井藤さんへ『ダルマガエル米の購入したい!』とお問い合わせしてみてください。
【井藤さん 連絡先】 090-9735-1189