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江口 慶さん(株式会社ビッグスマイル代表:イタリアンレストラン経営)

印刷用ページを表示する掲載日2015年12月5日

江口さんタイトル写真

故郷・江田島は新鮮な魚介の宝庫。
ひろしまを切り口に、美味しい食や文化を世界に伝えたい。

 <プロフィール>
 江口 慶(えぐち けい)さん
   
江田島市出身。
   大学卒業後、イタリア料理を学び平成19(2007)年渋谷に「TOM TOKYO」オープン。
   平成24(2012)年には広島ブランドショップTAUの3階に「PACCIO」を出店した。
   広島県のこだわり生産者から届く食材を使う。10月16日には5店舗目がオープン。
   「生涯勉強」がモットー。昨年、名古屋商科大学大学院でMBAを取得した。

<インタビューの映像(概要)はこちら!>

 ひろしまの美味しい食材に,
生産者の思いという付加価値を添えて。

 広島県江田島で生まれ育ち、現在は、東京都内のイタリアンレストラン4店舗(インタビュー当時)で、江田島をはじめひろしま全域の旬の食材を使った料理を提供しています。例えば、「広島産オイスターミスト」、「瀬戸内六穀豚のリエット」、「呉、松本商店のアンチョビポテト」といった生産者のこだわりが詰まった料理を通して、ひろしまをまるごと伝えることを目指しています。

  店のテーマは、「食を通した町おこし」です。そのきっかけは、故郷に帰って家業を手伝うことがあり知った島の現状でした。人口の減少や産業の衰退など様々な問題を抱えていること。その時、「僕の力で、僕の会社で何か出来ないか」という思いが芽生えたのです。 
 江田島産の牡蠣の仕入れを機に、田舎には豊富な食材があることを知りました。さらに、美味しさのために一生懸命努力を重ねる漁師や生産者の姿にも触れました。そこで、田舎とその生産者の思いを一緒に伝えることが自分の使命だと思うようになったのです。思いの詰まった食材で、美味しいものであれば、お客さんもきっと喜んでくれる。それこそ自分自身がやりたいことだと。カキパスタ

 生産者と直接取引すると送料など値段は割高になります。けれど、生産者の気持ちやその価値がお客さんにダイレクトに伝わり、お客さんの反応も生産者に伝えることができます。普段はこだわりなくスーパーでトマトを買っている人が、もしも、作っている人から直接もらったとしたら、味が全く違うと思います。生産者の顔が見えると安心安全にプラスアルファの付加価値がついてくるのです。

 今、オーナーシェフとなって9年。離れているからこそ、ひろしまの食材の魅力を心から実感しています。また、「ひろしまをどうにかしないと」という気持ちが強いので、ひろしまの食材を、生産者の思いを伝えたいという気持ちだけは、絶対揺るがないですね。 

ひろしまで思い出すのは、
故郷の江田島の海のある光景と新鮮な魚介。

  若い人は東京や世界に出て広い視野でものを見るべきだと思っています。僕自身も東京に憧れて18歳の時に上京しました。しかし常に心の片隅にあったのは故郷のことでした。

 実家の目の前には、瀬戸内海が広がっています。子どもの頃から海で泳いだり、友達と一緒にモリで魚をついて火を起こして焼いて食べたり、橋から海へ飛び込んだり。結構無茶をしながら遊んでいました。中学では野球部に入り、練習の前後に毎日泳いでいました。犬の散歩の途中には、小さな丘から夕日を眺めたりしたものです。それくらい海が好きでした。

江田島 ひろしまに帰ったら、地元の居酒屋によく立ち寄ります。とにかく魚が美味しいんですよ。普通の居酒屋ですが、鮮度抜群のカワハギやメバルの煮付けなどがとても安い値段で提供されているんです。「凄いなっ」て、海が近いことの良さを改めて実感しましたね。
 今、東京では、マグロや昆布じめなどの熟成魚がブームですが、それと比べるとしめたてのコリッコリの江田島の魚の方が、僕は好きです。食感が全く違いますから。ひろしまの魚の方が玄人に好かれると感じています。これはひろしまのアドバンテージですね。

 そんな少年時代の思い出と新鮮な魚介の美味しさが、今の僕を動かしているのかもしれません。もちろん、地元の皆さんが応援してくれていることも大きな励みにもなります。

 店でこれから提供する食材は100%ひろしまを目指しています。店を訪れた人に共通する「ひろしまって、牡蠣しかないんじゃないの?」という思いを払拭し、いつの日か、「ひろしまってそんなに食材があるの!」と皆さんを驚かせたいですね。 

田舎に世界中から人を呼び、
全国の田舎にひろしまの美味しい食材と料理を届けたい。

 夢は2つあります。
 ひとつは、自分の田舎の江田島で、世界中から人が集まるような観光施設やレストランを創りたいという夢。
 もうひとつは、田舎のおじいちゃんやおばあちゃんに、美味しい料理を提供する新しい宅配の仕組みを創るという夢です。例えばピザ窯を乗せた移動販売のバスを走らせることで、月に1回ぐらいは皆さんの自宅まで美味しい料理を届けられる江口さんのではないかと思いを巡らせています。

 今、僕自身は、東京で店舗を展開しながら、田舎をどうにかしたいという思いだけでビジネスを成立させることはとても難しいことだと感じています。でも挑戦したいんです。いつも田舎のことを考えていますから、アンテナは常に張っていますね。

 故郷のひろしまと江田島は新鮮な食材の宝庫です。ひろしまを切り口に、美味しい食や文化を世界に伝えることが、生産者の思いを知ってからの僕の使命となり、その気持ちで日々挑むことが幸せにつながると感じています。



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