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常温流通が可能な見た目がよく軟らかい食品の開発

印刷用ページを表示する掲載日2021年1月28日

重田有仁,梶原良,下久由希

1 背景

凍結含浸法を利用した見た目がよく軟らかい介護食の製造が県内外で進められています。凍結含浸食品は流通時の型崩れを防止するため,冷凍形態での販売が主となっていますが,流通コストがかかる,賞味期限が比較的短いなどの課題があります。
そこで,食品工業技術センターでは,常温流通でも型崩れすることなく,且つ長期保存しても品質が劣化しないレトルトタイプの凍結含浸食品の製造方法を開発しました。

2 方法

(1)型崩れ防止性

様々な粘性を持たせた溶液と凍結含浸処理したニンジンを瓶及びパウチ(外箱あり)に詰め,振盪試験(200rpm,2時間)及び落下試験を実施しました。目視でニンジンの外観を確認しました。

(2)長期保存試験

凍結含浸処理した食材で作製した筑前煮,カレー及び肉じゃがの缶詰を作製し,30℃で36か月保存試験しました。外観,味,食材の硬さ,色,調味液の粘度及びpHの変化を確認しました。

3 結果

(1)型崩れ防止性

調味液に一定以上の粘性を持たせることで,振盪及び落下後も型崩れすることなく,外観を保持できました。さらに,型崩れ防止性,味,食感及び充填時の扱いやすさから用途に応じた増粘剤の組み合わせを複数選択しました。

図1増粘剤濃度と型崩れ

(2)長期保存試験

30℃,36か月保存後も外観,味,硬さ,色,調味液の粘度及びpHに大きな変化がないことを確認しました。以下に保存後の筑前煮の外観写真と保存中の物性測定(硬さ及び粘度)とpHの結果を示します。

図2長期保存試験結果

図3物性測定結果

4 食品企業に向けたPR

現在,社会情勢の変化から,「手軽に食べられ」,「長期間保存できる」レトルト食品が再注目されています。本研究では軟らかい介護食に注目して型崩れ防止を行いましたが,一般向けの食材で型崩れしやすいものなどにも使用できます。瓶,缶,カップ及びパウチなど多様な包装形態に対応可能ですので,お気軽にご連絡ください。

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