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油脂加工食品の保存における揮発性成分の分析

印刷用ページを表示する掲載日2021年1月28日

塩野忠彦 中津沙弥香 石井裕子

1 背景

 油脂加工食品製造業をサポートするために油脂加工食品に関して技術の蓄積を進めています。油脂加工食品は,過酸化物価で管理されています。時間経過とともに過酸化物価が規定より十分低い正常な範囲内であっても,品質が変化していきます。過酸化物価の変化だけでは製品の品質変化を捉えきれないため,保存中に増える揮発性成分の挙動により把握できないか試みることとしました。

2 方法

 市販品(ポテトチップス)を空気がある状態で包装し,50℃で保存(酸化を促進)させ,経時的に採取した試料から脂溶性成分を抽出した後,SPMEに揮発性成分を吸着させ,GC-MS(クライオフォーカシング法)で測定しました。別途抽出した油脂の過酸化物価の測定も行いました。

3 結果

 酸化が進むにつれて増えた揮発性成分のうち,酸化臭(ヘキサナール)の成分について測定しました。

 写真とグラフ

 酸化臭と過酸化物価は,保存日数により上昇傾向を示しました。酸化臭は,50℃,7日間(30℃で28日間相当)で文献上の閾値(間隔を引き起こす最小濃度)以上の数値が測定されました。過酸化物価は,正常な範囲内で低い値を示しました。

 油脂は,保存温度が10℃上がるごとに酸化が約2倍促進されるといわれていますので,30℃で保存した場合に換算すると4倍の期間に相当するといわれています。

4 食品企業に向けたPR

 匂いの感じ方は個人差があり,物質濃度のみでは一様な評価となりませんが,過酸化物価が規定値よりも十分低い範囲での製品の品質を把握するには,匂いの分析を合わせて行うことも一つの手段になると考えられます。

 今後も油脂・油脂加工食品に関するサポートを拡充させていくため,ご相談や課題をお寄せください。技術的な課題の解決に向けての取り組みを進めていきます。

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