転化酵素インベルターゼの菓子への利用
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Q ショ糖分解酵素インベルターゼを使用して、食品の甘味を改良する場合、酵素剤の使用方法、甘昧を改良した製品の特徴について教えてください。
A ショ糖分解酵素インベルターゼは、ショ糖(砂糖)を果糖とブドウ糖に加水分解して、良質の転化糖を生成します。転化糖の製造には、酸加水分解による化学法と転化酵素による酵素法があります。食品工業では、反応条件が緩和であること、副生物がなく後処理が容易であること、そして処理温度により任意に反応を調整でき、手間が省けること等から、酵素法が広く用いられています。
酵素剤インベルターゼの最適pHは4.0付近ですが、pH 2.5~6.5でも十分実用的な効果を示します。反応温度は、60℃が最適ですが、40~65℃でも使用でき、80℃以上にすると活性を失います。すなわち、pH 3.0~7.0、40℃、24時間程度の反応が最も安定です。
食品により酵素剤の添加量は異なりますが、糖に対して0.1~1.2%程度で使用されており、転化量と反応速度は比例するので、コスト面を考慮して、添加量を決定します。
食品製造利用の一例として菓子類製造が挙げられ、特に羊かんの結晶防止、甘味改良に用いられています。果糖およびブドウ糖の爽快な甘味が相乗して、まろやかな甘味を与えます。果糖はショ糖に比べて溶解度が高く、低温においては甘味度も高いため、羊かん保存中のショ糖の結晶化を防止し、柔軟性を保持して、良好な食感を与えます。
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