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餅類の軟らかさを保つ方法

印刷用ページを表示する掲載日2025年3月4日

食品工業技術センター > 企業のためになるQ&A >餅類の軟らかさを保つ方法


Q 餅製品を製造していますが、保存中に硬くなります。軟らかく日持ちさせるための方法について教えてください。

A 団子や餅等のデンプンを主成分とする食品は、時間の経過とともにデンプンが老化し硬くなります。デンプンの老化の程度は、デンプンの種類や、製品の水分量、保管温度によって異なります。

 餅菓子類のデンプンの老化抑制には、酵素を配合したデンプン老化(硬化)抑制剤が用いられます。天然由来のβ−アミラーゼの働きによってデンプン分子を切断することにより、老化が起こりにくくなり、無添加の製品に比べて、2~5倍の硬化遅延の効果があります。

 酵素の働きは温度及びpHとの関連性が高く、温度40℃前後、pH6~7の時が最適条件で、20℃以下の温度またはpH5以下、8以上の条件では酵素の働きは弱ります。また、70℃以上になると急速に酵素の活性が弱まり失活します。
 したがって、餅類に使用する際は添加時期及び添加後の品温に注意が必要です。
 蒸し前に添加すると効果を発揮しない場合があります。搗(つ)きの工程中、品温が70℃以下になった時点で添加し、40℃前後にしばらく保持すると効果は最大限に発揮されます。一方、製造後、温度の高い場所に長時間置くと、酵素反応が進んで軟化しすぎる場合があるため、冷所に保持することが必要です。団子、柏餅など、粳米の製品は二度蒸しを行うと、中に含まれていた酵素は失活し、それ以上軟化することはありません。

 このように酵素を含む硬化抑制剤は、使用条件を誤ると十分な効果が得られない場合があるため、使用手順に従ってください。市販の硬化抑制剤以外でも山芋、里芋等の磨砕物や少量の小麦粉を製餅時に添加すると、硬化を遅らせる効果があります。


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