このページの本文へ
ページの先頭です。

餅類の軟らかさを保つ方法

印刷用ページを表示する掲載日2020年10月22日

食品工業技術センター > 企業のためになるQ&A >餅類の軟らかさを保つ方法


Q 餅製品を製造していますが,保存中に硬くなります。軟らかく日持ちさせるための方法について教えてください。

A 団子や餅等のデンプンを主成分とする食品は,時間の経過とともにデンプンが老化し硬くなります。デンプンの老化の程度は,デンプンの種類や,製品の水分量,保管温度によって異なります。

 餅菓子類のデンプンの老化抑制には,酵素を配合したデンプン老化(硬化)抑制剤が用いられます。天然由来のβ−アミラーゼの働きによってデンプン分子を切断することにより,老化が起こりにくくなり,無添加の製品に比べて,2~5倍の硬化遅延の効果があります。

 酵素の働きは温度及びpHとの関連性が高く,温度40℃前後,pH6~7の時が最適条件で,20℃以下の温度またはpH5以下,8以上の条件では酵素の働きは弱ります。また,70℃以上になると急速に酵素の活性が弱まり失活します。
 したがって,餅類に使用する際は添加時期及び添加後の品温に注意が必要です。
 蒸し前に添加すると効果を発揮しない場合があります。搗(つ)きの工程中,品温が70℃以下になった時点で添加し,40℃前後にしばらく保持すると効果は最大限に発揮されます。一方,製造後,温度の高い場所に長時間置くと,酵素反応が進んで軟化しすぎる場合があるため,冷所に保持することが必要です。団子,柏餅など,粳米の製品は二度蒸しを行うと,中に含まれていた酵素は失活し,それ以上軟化することはありません。

 このように酵素を含む硬化抑制剤は,使用条件を誤ると十分な効果が得られない場合があるため,使用手順に従ってください。市販の硬化抑制剤以外でも山芋,里芋等の磨砕物や少量の小麦粉を製餅時に添加すると,硬化を遅らせる効果があります。


本情報の利用にあたっては,閲覧者の責任と判断において行って下さい。
本情報の利用により生じた損害については一切の責任を負いません。

おすすめコンテンツ

みなさんの声を聞かせてください

満足度 この記事の内容に満足はできましたか? 
容易度 この記事は容易に見つけられましたか?