このページの本文へ
ページの先頭です。

日持ちをよくする生菓子の製法

印刷用ページを表示する掲載日2025年3月4日

食品工業技術センター > 企業のためになるQ&A >日持ちをよくする生菓子の製法


Q 生菓子(饅頭、求肥、カステラなど)の製造後に“カビ”が発生します。日持ちが良くなる方法について教えてください。

A カビは加熱により死滅するため、饅頭、求肥類のカビ発生は、加熱後の『冷却~包装』の間の二次汚染が原因であり、工場内の落下細菌、作業者の手や、とり板、とり箱等の道具からの汚染などが考えられます。
 微生物汚染の防止策として、工場内を清潔に保ち、使用機器は分解洗浄し、作業員の手を清潔にし、製品は迅速に冷却・包装するなどして、「製品には微生物をつけない。増やさない。」の心がけが肝要です。

  1. 作業者の手からの汚染対策では、手を逆性石けん液や70%アルコールを用いて殺菌・除菌洗浄する必要があります。加えて、白衣、帽子、マスクを着用します。
  2. 機械、器具、容器の洗浄、殺菌も重要です。製造作業終了後、洗剤洗浄したあと殺菌します。分解できる部分は取り外し、煮沸5分間以上、できない部分は50~100ppmの次亜塩素酸ナトリウム水へ2分間浸漬又は噴霧し、水洗して乾燥させます。そして次回作業前に精製水で洗浄します。
  3. 作業工程で使用する布巾などは煮沸殺菌し、一定時間毎に取り換えます。とり板、とり箱はブラシ洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム水で殺菌します。積み重ねて使う場合には裏面も良く殺菌します。作業台は70%アルコールで湿らせた布巾で除菌します。
  4. 工場の床は10~50ppmに薄めた次亜塩素酸ナトリウム水を流すなどの対策を行います(梅雨期には2、3日に1回、通常期は1週間に1回程度を目安とします)。
  5. 扇風機を使って製品を強制放冷する場合には特に清潔な場所で作業します。製品は5~8℃程度の冷蔵庫で保管します。
  6. 持ち込みによる汚染を防ぐため、発カビにより返品されたものは、工場内には入れないよう注意が必要です。

 以上が、製造工程中のカビの二次汚染防止策です。

 密封包装タイプの製品であれば、脱酸素剤を使用することによりカビの発生を防ぐことができます。より良い品質とするためには、初発菌数を落とすことが必要であり、上記管理が重要です。


本情報の利用にあたっては、閲覧者の責任と判断において行って下さい。
本情報の利用により生じた損害については一切の責任を負いません。

おすすめコンテンツ