揚げかまぼこの日持ちをよくする方法
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Q 揚げかまぼこは、冷蔵庫に入れておくと、硬くボソボソした食感になりますが、それを防ぐ方法について教えてください。
A 揚げかまぼこを冷蔵庫に入れておくと食感が変化するのは、その中に含まれているでん粉が原因です。魚のすり身に加えられたでん粉は、油で加熱される時、生でん粉から糊化でん粉に変化します。これにより、揚げかまぼこがソフトな食感となります。しかし、これを冷蔵庫のような低い温度の場所におくと、時間の経過とともに糊化でん粉が老化でん粉に変化します。これにより、硬くボソボソした食感となります。揚げかまぼこの中に存在しているでん粉の老化は、でん粉の種類や量、揚げかまぼこのpHなどによって変わります。
一般に、揚げかまぼこに用いられるでん粉においては、ジャガイモでん粉が最も早く老化が起ります。次いで、サツマイモでん粉、トウモロコシでん粉、小麦でん粉の順です1)。したがって、ジャガイモでん粉よりも小麦でん粉を用いる方が、老化を遅らせることができます。また、揚げかまぼこの中に含まれているでん粉の量が少ない程、老化の程度が小さくなります。でん粉量が2%以下の場合、腐敗さえしなければ、冷蔵庫に入れてから1ヶ月間は、製造当日とほとんど変わらない食感を保持することができます。
揚げかまぼこのpHを中性にすると、老化が起こりにくくなり、酸性やアルカリ性にすると、老化が起こりやすくなります。一般の揚げかまぼこは、pHが6.8~7.2ですが、日持ちをよくさせる為に、pHを酸性にすることがあります。しかし、pHが6.5以下になると、でん粉の老化による品質劣化が早く起こります。したがって、pHは6.5以下にならないように、注意する必要があります。
引用文献
1)蒲鉾の製造-その基礎と実際-(岩井久和、光琳、1993、p40)
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