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揚げかまぼこの日持ちをよくする方法

印刷用ページを表示する掲載日2020年11月10日

食品工業技術センター > 企業のためになるQ&A >揚げかまぼこの日持ちをよくする方法


Q 揚げかまぼこは,冷蔵庫に入れておくと,硬くボソボソした食感になりますが,それを防ぐ方法について教えてください。

A 揚げかまぼこを冷蔵庫に入れておくと食感が変化するのは,その中に含まれているでん粉が原因です。魚のすり身に加えられたでん粉は,油で加熱される時,生でん粉から糊化でん粉に変化します。これにより,揚げかまぼこがソフトな食感となります。しかし,これを冷蔵庫のような低い温度の場所におくと,時間の経過とともに糊化でん粉が老化でん粉に変化します。これにより,硬くボソボソした食感となります。揚げかまぼこの中に存在しているでん粉の老化は,でん粉の種類や量,揚げかまぼこのpHなどによって変わります。

 一般に,揚げかまぼこに用いられるでん粉においては,ジャガイモでん粉が最も早く老化が起ります。次いで,サツマイモでん粉,トウモロコシでん粉,小麦でん粉の順です1)。したがって,ジャガイモでん粉よりも小麦でん粉を用いる方が,老化を遅らせることができます。また,揚げかまぼこの中に含まれているでん粉の量が少ない程,老化の程度が小さくなります。でん粉量が2%以下の場合,腐敗さえしなければ,冷蔵庫に入れてから1ヶ月間は,製造当日とほとんど変わらない食感を保持することができます。

 揚げかまぼこのpHを中性にすると,老化が起こりにくくなり,酸性やアルカリ性にすると,老化が起こりやすくなります。一般の揚げかまぼこは,pHが6.8~7.2ですが,日持ちをよくさせる為に,pHを酸性にすることがあります。しかし,pHが6.5以下になると,でん粉の老化による品質劣化が早く起こります。したがって,pHは6.5以下にならないように,注意する必要があります。

引用文献

1)蒲鉾の製造-その基礎と実際-(岩井久和,光琳,1993,p40)


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