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米麹の利用方法

印刷用ページを表示する掲載日2020年9月29日

食品工業技術センター > 企業のためになるQ&A > 米麹の利用方法


Q 塩麹が注目されています。用途の違いによる米麹の利用について教えてください。

A 米麹は清酒や味噌など日本の醸造食品の製造に欠かせないもので,麹菌(Aspergillus oryzaeに分類されるカビ)を蒸米に繁殖させて,でんぷんやタンパク質を分解する酵素を生産させたものです。

 麹菌は多くの酵素を生産しますが,その酵素の強弱のバランスが菌株によって異なります。製造する食品によって求められる酵素の強さは異なるため,用途に合わせた種麹(麹菌)が販売されています。また,麹をつくる条件によっても酵素の生産量は異なり,清酒や味噌ではそれに応じた麹のつくり方が行われます。主要な酵素とその働き,用途との関係を表に示します1)2)。

麹菌が生産する主要な酵素
  でんぷんの分解に関係 タンパク質の分解に関係
酵素名 α-アミラーゼ グルコアミラーゼ プロテアーゼ ペプチダーゼ
働き でんぷんの液化,デキストリンの生成 でんぷんの糖化(グルコースを遊離) タンパク質の可溶化,ペプチドの生成 ペプチドから各種アミノ酸を遊離
用途との
関係
清酒 強いほうが良い 弱いほうが良い
味噌 こだわらない
(白味噌や甘口味噌では強い方が良い)
強いほうが良い
(白味噌や甘口味噌では強くなくても良い)
酵素生産の最適温度 35℃付近 30℃付近 25~30℃ 35℃付近
麹をつくる温度と精米歩合が各酵素生産量に影響する

 酵素がよく働く温度は30~50℃程度です。それより高い60~80℃に温度を上げると,酵素は壊れて働きを失うため,一度高温にするとそれ以降酵素は働かなくなります。加熱殺菌(60℃以上に加熱)している塩麹は,酵素の働きを持っていませんが,米麹が酵素分解されたとろみや甘味,旨味を有しており,それ自体が調味料として利用されています。

 一方,加熱殺菌をしていない酵素活性のある塩麹は,それ自体が調味料となると同時に,素材(肉や魚など)と一緒に漬けることで,酵素により素材を分解し甘味や旨味を引き出します。肉などのタンパク質を分解する目的で使用する場合は,清酒用麹よりも味噌用麹のようなタンパク質の分解酵素活性が強い麹の方が適しているといえます。

参考文献

1)新・みそ技術ハンドブック(全国味噌技術会発行,2006年,p121-127)

2)増補改訂 最新酒造講本(財団法人日本醸造協会発行,2004年,p101-104)


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