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キシロース

印刷用ページを表示する掲載日2025年3月4日

食品工業技術センター > 企業のためになるQ&A > キシロース


Q キシロースという糖はどのような性質なのでしょうか。食品加工におけるその使用上の留意点などについても教えてください。

A キシロースは、別名木糖といわれるペントース(五炭糖)で、ヘミセルロースの構成成分として植物界に広く分布しています。主に、トウモロコシの芯、ワラ、綿実殼を加水分解してつくられます。

 キシロースの一般的性質としては、ブドウ糖やショ糖などと比べてアミノ-カルボニル反応活性が著しく強い、甘味度は、ブドウ糖より少なく(蔗糖の約60%)、上品でさわやかな甘味がある、腸からの吸収性が低い(ノンカロリー)、難発酵性、緩下作用がある等があげられます。これらのうち、アミノ-カルボニル反応活性(褐変活性)が強いということに主眼を置いて、食品加工上の留意点を述べます。

 キシロースがアミノ酸やタンパク質などと共存すると、アミノ-カルボニル反応が顕著に進み、その結果、褐変による着色、揮発成分の生成による二次的なフレーバーの付与など食品に種々の変化をもたらします。また、褐変は、キシロース単独での焙焼や、キシロースと有機酸が共存している場合でも起ります。

 一般に、このアミノ-カルボニル反応は、pHや温度が高くなるほど著しくなります。また、適度の水が必要であり、酸素や光も影響します。従って、この反応活性が特に強いキシロースを使用する場合は、環境条件を考慮すると同時に、各々の食品へのキシロース使用適性、添加濃度、時期、併用するアミノ酸類(キシロースとの反応活性が強いのは、グリシン、グルタミン酸ナトリウム、リジンなど)、有機酸類(キシロースとの反応活性が強いのは、リン酸、酢酸、レブリン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸など)の種類等も充分検討する必要があります。


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