日本紅斑熱患者 マダニの刺し口と紅斑(発疹)(図5)
日本紅斑熱患者 マダニの刺し口と紅斑(発疹)
日本紅斑熱患者にあったマダニの刺し口(つつが虫病患者の刺し口より小さい)(写真提供 馬原医院 馬原文彦氏)
マダニの吸血中に注入された日本紅斑熱リケッチアが吸着部分で増殖し、痂皮(かさぶた)が形成されます。
病原体を持たないマダニの刺し口は目立ちません。
日本紅斑熱患者の足に出た紅斑(発疹)(写真提供 馬原医院 馬原文彦氏)
典型例では四肢に強く紅斑(発疹)が出ます。
日本紅斑熱では手のひらにも紅斑(発疹)が出ることがあります。(写真提供 馬原医院 馬原文彦氏)
マダニに刺される(吸着される)とは?
ヤマアラシチマダニの若虫に吸着されていた上腕内側
(半袖でやぶを歩き回った直後に発見)
キチマダニの若虫多数に吸着された足
(林床にしゃがんで作業している時に、目の粗い靴下の編み目から入り込んでいた。5時間後くらいに発見。)
腹部に吸着して数日経過したタカサゴキララマダニ若虫(散歩後、気づかないうちに服の中に入られていた)
マダニに刺されても痛くもかゆくもないので、吸着に気づかないことが多いです。吸着期間はマダニの大きさ、種類により変わりますが、数日~10日程度、同じ場所に吸着したまま満腹になるまで吸血を行います。最初はペラペラの薄い体をしていますが、吸血が進むとともに膨らむので、そこで気づくケースが多いです。病原リケッチアを保有するマダニの刺し口には痂皮(かさぶた)が形成されますが、保有しないマダニの刺し口は通常目立ちません。マダニに吸血される経験を繰り返すと、マダニの唾液によるアレルギー反応が出るようになり、刺し口の付近に紅斑や発疹、かゆみなどが生じることがありますが、この場合の症状は日本紅斑熱ではありません。