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小さく生まれた赤ちゃん(リトルベビー)に関して知っておきたいこと

印刷用ページを表示する掲載日2026年3月18日

 小さく早く生まれた赤ちゃんたちは、さまざまなハードルを乗り越えながら大きく育っていきます。
 このページでは、小さく早く生まれた赤ちゃんに起こりやすいことなどを、一般的な書き方で分かりやすく記載しています。
 赤ちゃんによって経過は違うため、ここで説明していることが必ずしも起こるわけではありません。
 赤ちゃんの体調のことで不安なことや分からないことなどは、遠慮せず、医師や看護師、地域の保健師に相談してみましょう。
 また、地域の子育てサークルの先輩ママ・パパ等と一緒に話すことで、気持ちが軽くなることもあります。

目次

呼吸窮迫症候群(こきゅうきゅうはくしょうこうぐん)

 早く生まれた赤ちゃんは、空気で肺をふくらませにくい状態で生まれてくることがあります。これは、肺をふくらませる作用のあるサーファクタントという物質を、自分で作ることができないためです。
 治療は、人工呼吸器で呼吸を助けたり、気管チューブを通じて人工肺サーファクタント(薬)を与えたりします。
 どんなに早く生まれても、生後数日すると、赤ちゃん自身がサーファクタントを作ることができるようになっていきます。

未熟児無呼吸発作(みじゅくじむこきゅうほっさ)

 早く生まれた赤ちゃんは、呼吸の調節がうまくできず、呼吸をときどき休んでしまうことがあります。
 休む回数が多い場合は、体の中の酸素濃度や心拍数が下がらないよう、人工呼吸器で呼吸を助けたり、呼吸を助ける薬を投与したりします。
 この状態は、個人差がありますが、出産予定日近くになると軽くなることがほとんどです。

慢性肺疾患(まんせいはいしっかん)

 早く生まれた赤ちゃんは、肺が未熟で、様々な要因(胎内での炎症、人工呼吸器による圧力や高濃度の酸素、胃から逆流したミルクをうまく飲み込めず間違って肺に入り込むなど)により、肺が傷つきやすいのですが、自分で修復する力が十分ではないため、長期的に、人工呼吸や酸素投与が必要になることがあります。
 体が大きくなって新しく作られる肺の組織が増え、自分で修復することができるようになるまで、長期的に(出産予定日を過ぎても)、酸素投与などを続ける必要がある場合もあります。

脳出血(のうしゅっけつ)

 早く生まれた赤ちゃんは、脳の血管がもろいため、呼吸や心臓の動きがまだ安定しない生後早期に、脳内に出血が起きることがあります。大きな出血や、出血する場所によっては、後遺症も心配です。
 また、場合によっては、脳の圧迫をやわらげる手術が必要になることがあります。

未熟児動脈管開存症(みじゅくじどうみゃくかんかいぞんしょう)

 赤ちゃんの血液は、胎児期には、お母さんから酸素をもらうため、動脈管という血管を通って肺動脈から大動脈(全身)へ流れていますが、生まれた後、肺で呼吸を始めることで、この動脈管は自然に閉じます。
 早く生まれた赤ちゃんでは自然に閉じない場合があり、血流のバランスがくずれることで、心臓や肺への負担が大きくなります。
 動脈管を閉じるため、主には薬で治療をしますが、薬の効果がないときには手術をする場合もあります。

未熟児網膜症(みじゅくじもうまくしょう)

 眼の一番奥にある網膜は、目が見えるために重要な役割をもちます。早く生まれた赤ちゃんは、この網膜の血管の発育がうまくできず新しくできた血管が発育してしまうことがあります。
 多くの赤ちゃんは、出産予定日頃には治まりますが、将来の視力に影響があると考えられる場合は、目への注射やレーザーによる治療などをします。

未熟児貧血(みじゅくじひんけつ)

 早く生まれた赤ちゃんは、自分で十分な血液(赤血球)を作ることが難しく、貧血になりやすい状態です。
 入院中には、血液を作ることを助ける薬を注射したり、鉄剤を飲んだりします。それでも足りない場合は、輸血をすることがあります。鉄剤は、退院後にも飲むことがあります。

壊死性腸炎(えしせいちょうえん)

 腸への血流の減少と、細菌の感染が重なることで、腸の組織が損傷を受ける病気です。病態などはまだよく分かっていませんが、早く生まれた赤ちゃんにとって、母乳はこの発症を減らす効果があると言われています。
 治療では、腸を休ませるため母乳やミルクの注入を一旦中止し、点滴で栄養や薬を与えます。重症な場合には手術が必要になることもあります。
 近年、発症は少なくなってきましたが、後遺症に関係することが多い心配な病気です。

感染症

 早く生まれた赤ちゃんは、からだの中に細菌やウイルスが入ってきたときに防ぐ仕組み(免疫)が十分ではありません。また、赤ちゃんの感染症は進行が速いため、早く気づき、早く治療することが必要です。退院後は徐々に免疫力がついていきます。

※RSウイルス
 RSウイルスは呼吸器感染症の原因になります。大人は軽い風邪のような症状で治まることが一般的ですが、早く生まれた赤ちゃんは重症になることがあります。詳しくは主治医に相談しましょう。

未熟児くる病

 早く生まれた赤ちゃんは、母乳だけでは、必要なカルシウム、リン、ビタミンDが不足し、骨の形成が遅れたり、骨が柔らかくて折れやすくなることがあります。
 カルシウムやリンを含む母乳強化パウダーを母乳に加えることで、近年では未熟児くる病は少なくなっています。

SGA(small for gestational age)について

 SGAとは、「お母さんの妊娠期間に応じた本来の大きさよりも小さく生まれること」を意味しています。成長曲線に沿って大きくなっているかを曲線に記録していきましょう。
 SGAで生まれても徐々に標準身長に近づく人が多いのですが、3歳での身長が基準より小さい場合には検査を行うこともあります。検査の結果、成長ホルモン補充療法の適応となる場合がありますので、主治医に相談してみましょう。

予防接種について

 早く生まれた赤ちゃんであっても、修正月齢ではなく、暦月齢(生まれた日を基準に数えた年齢・月齢)で接種することが勧められます。
 ワクチンの種類によっては受けられる期間が短いものもあるので、お住いの市町からの案内をよく確認し、かかりつけ医に相談しながらスケジュールを決めていきましょう。

お口の特徴について

歯の生える時期が遅い・順番が異なる

 通常、最初に生えてくる乳歯は生後6か月ごろからで、下顎の前歯です。小さく生まれた赤ちゃんは、生える時期が遅くなったり、異なる順番で生えたりすることがあります。1歳頃に、まだ乳歯が1本も生えてないこともあります。
 1歳半過ぎても生えてこないときは、全身的な要因も考えられますので、歯医者さんに相談しましょう。

エナメル質形成不全が多い

 黄色い歯やでこぼこした形の歯が生えることもあります。歯の外側を作っているエナメル質が弱く薄くなっている状態で、エナメル質形成不全と呼びます。乳歯のエナメル質形成不全は通常は10 ~20%ですが、低出生体重児では、70~80%の子供に見られます。
 上顎の前歯に見られることが多いので、むし歯の予防をしっかりしましょう。

癒合歯(ゆごうし)

 癒合歯とは、2本以上の歯がくっついてきて生えることをいいます。乳歯の癒合歯は通常は1~5%ですが、低出生体重児では、15~16%に見られます。下顎の前歯に多くみられます。
 溝があるためむし歯になりやすく、生え変わりがうまくいかないこともあるので、歯医者さんで定期健診を受けましょう。

先天性歯

 生まれた時から生えている、または生後1か月ほどの間に生えてくる歯を指します。そのほとんどが、下顎の前歯で、乳歯でも永久歯でもない過剰歯と呼ばれる多くできてしまった歯です。しっかり生えていて授乳に影響が無ければそのまま様子をみます。
 しかし、先天性歯は早く生えてくるため、歯の形成が未熟で、歯根も出来ていないことが多く、歯がぐらぐらしていて抜けそうな状態の場合もあります。そのため、自然に抜けて赤ちゃんが誤飲するのを防ぐために抜歯する場合もあります。
 歯の先端が尖っているために、授乳中に乳首を痛める、また赤ちゃんの舌の裏側に歯が当たることにより、舌の下に潰瘍(リガフェーデ病)を引き起こすことがあります。歯の尖った部分を丸める、歯を抜くなどの対応が必要になることがあります。

お口が小さい

 小さく生まれた赤ちゃんは、お口が小さく、歯並びが悪くなる傾向にあり、特に、下顎が小さいことが特徴です。
 乳歯は赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいるころに形成されます。妊娠中に何らかのトラブルがあった場合は、乳歯に特徴的な症状がでますが、永久歯には影響が少ないことが知られています。ただし、歯の大きさが小さい、あごが小さいなどの特徴が永久歯になってからも残ることはあります。
 成長の過程において、最初は小さかった子もだんだんと他の子に追いついてくることがほとんどなので、気にしすぎることはありません。

 

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