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平成27年広島県議会6月定例会(平成27年6月24日)

印刷用ページを表示する掲載日2015年6月29日

知事説明要旨

 6月定例県議会の開会に当たり,ただいま提出いたしました議案の説明に先立ちまして,本県を取り巻く情勢などについて,御報告申し上げます。

1,本県を取り巻く情勢と認識

経済・雇用の情勢

まず,経済・雇用の情勢についてでございます。
県内の景気は,輸出は一般機械を中心に増加傾向にあるほか,設備投資は製造業,非製造業ともに持ち直しており,緩やかに回復しております。
雇用・労働情勢につきましては,4月の有効求人倍率が1.41倍と着実に改善しております。
こうした中,先月,県内3事業所で操業するシャープ株式会社から発表された中期経営計画によると,全国で3,500人規模の希望退職の募集が予定されております。
本県においても相応の影響が予想されることから,速やかに雇用・労働の相談窓口を設置し,再就職支援を実施しているところであり,引き続き,関係機関と連携し,必要な対応を進めてまいります。
一方,4月以降,千代田工業・流通団地や高屋東工業団地において,企業の立地が決定し,今後,生産や雇用の拡大につながる大型投資が予定されております。
引き続き,こうした雇用の増大を主眼とした企業誘致に取り組みますとともに,本社や研究開発機能など,機能面に着目した新たな投資誘致を進め,イノベーションの創出と県経済の活性化を目指してまいります。

地方創生

次に,地方創生についてでございます。
本県では,これまで,「ひろしま未来チャレンジビジョン」に基づき,「まち・ひと・しごと」の創生と好循環の創出を目指す取組を実施してまいりました。
現在,好循環の更なる加速に向けて,広島県総合計画審議会や議会の皆様の御意見を伺いながら,ビジョンの見直しと,これと連動する「広島県まち・ひと・しごと創生総合戦略(仮称)」の策定の取組を進めているところでございます。
今後は,県民の皆様の希望出生数や若者の定住希望の調査結果に基づく人口の将来展望なども踏まえながら,10月の策定を目指し,地方創生の実現に向けた地域間競争にも打ち勝ってまいりたいと考えております。

広島市との連携

次に,広島市との連携についてでございます。
今月5日,広島市長と会談し,被爆70周年の取組や,災害に強いまちづくり,広島都市圏の活性化などについて,県・市でしっかり連携して進めていくことを合意いたしました。
広島都市圏の活力強化や中枢拠点性の向上は,本県の魅力向上,ひいては人口減少や東京一極集中の課題克服に不可欠であることから,今後とも,定期的に会談を開催し,広島市との連携・協力関係を強化してまいりたいと考えております。

中山間地域の振興

次に,中山間地域の振興についてでございます。
今年度は,昨年12月に策定した「中山間地域振興計画」の「実行元年」であることから,地域づくりの原動力となる多様な主体の自主的な活動を一層加速させる必要があると考えております。
このため,地方創生の政策とも連動しながら,中山間地域ならではの「強み」を活かして若い世代を地域に呼び込み,その活力をしっかりと地域に根付かせていくための取組を,重点的に進めてまいります。

アシアナ航空機事故への対応

次に,広島空港のアシアナ航空機事故への対応についてでございます。
5月5日に,開港当時と同様の計器着陸装置CAT-1(正しくはローマ字の1)が運用開始され,概ね事故以前と同様の安定した運航を取り戻しておりますが,この事故により,広島空港の安定運航に対する信頼が揺らぎ,利用者数の回復が遅れております。
こうした中,8月16日から,香港ドラゴン航空が,広島~香港間に就航することとなりました。
この度の就航は,広島空港の利用回復の弾みとなるものであり,また県民の利便性向上と同時に,新たな交流促進につながるものと期待しております。 
引き続き,空港の利用促進に向けて,航空機運航の確実性が向上していることをPRしていくほか,広島空港を利用した旅行商品の販売促進を図ることとし,これに必要な経費を6月補正予算に計上しております。
あわせて,より悪条件でも着陸を可能とする高度計器着陸装置CAT-3(正しくはローマ字の3)bの早期の復旧に向け,引き続き国に対して要望を行ってまいります。

 

2,平成27年度主要施策の状況

次に,平成27年度における主要な施策の取組状況について,御報告いたします。

災害に強いまちづくり

一点目は,「災害に強いまちづくり」についてでございます。
昨年8月の土砂災害から10か月が経過いたしました。
被災地域における砂防ダムなどの防災施設整備につきましては,昨年12月に策定した「8.20土砂災害 砂防・治山に関する施設整備計画」に基づき,広島市が策定した「復興まちづくりビジョン」との整合も図りながら,計画的な事業実施に努めているところでございます。
災害関連緊急事業のうち,県が実施する砂防ダム及び治山ダム等23箇所においては,地元調整の整った箇所から,順次工事に着手しており,今年度末までの完成を目指し,事業を進めております。
また,国が実施する事業箇所においても,順次工事に着手していただいているところであり,引き続き,国・広島市と連携しながら,被災地の一日も早い復旧・復興に努めてまいります。
土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等の指定につきましては,基礎調査の実施計画を,市町と協議した上で,3月に策定いたしました。
この実施計画に基づき,調査を実施し,指定を加速化するため,調査及び指定に関する説明会の開催単位を小学校区とするなど,指定までのプロセスの工夫や改善を行って基礎調査の効率化を図ることに加え,市町ともこれまで以上に連携し,全力で取り組んでまいります。
「みんなで減災」県民総ぐるみ運動につきましては,先月,県内3か所で,地域の防災の推進役となる防災リーダーや消防団の方々などを対象とした「キックオフ講演会」を開催し,県民運動を広く推し進めるための機運の醸成に努めたところでございます。
また,5月18日から6月7日にかけて,県内の企業や学校などで,一斉に防災教室を実施し,多くの県民の皆様に,梅雨入り前に,避難場所や避難経路の確認を徹底していただきました。
さらに,防災情報の意味や内容,災害の状況に応じた適切な行動,災害に対する事前の備えなどを「知る」ことができるよう,報道機関と連携した情報発信や,県民総ぐるみ運動に係るウェブサイトの新設に必要な経費を,6月補正予算に計上しているところでございます。
こうした具体的な取組の実施に当たりましては,平成32年度を目標年次とする「行動計画」を今年度中に策定し,取組の成果指標として,県民の防災意識に関する目標を設定することとしております。
引き続き,県民一人一人が「災害から命を守る行動」を適切にとることができるよう,「みんなで減災」県民総ぐるみ運動を着実に進めてまいりたいと考えております。

「地方創生」の取組

二点目は,「地方創生」の取組についてでございます。

新たな経済成長

まず,「新たな経済成長」について,御報告いたします。
県内外の多様なつながりの中で,新しい事業が生まれる環境構築を目指す「イノベーション・エコシステムの共通基盤の強化」につきましては,現在,つながりの場である「イノベーション・ハブ」の活動を充実させるための取組を行っております。
また,次世代の経営層がイノベーション・リーダーに必要な戦略の構築方法などを習得することができる養成塾を,試行的に開始するための準備を進めているところでございます。
多様な創業や新事業展開の促進につきましては,「ひろしま創業サポートセンター」による支援開始後,2年間で674件の創業を実現したほか,地元金融機関や市町等での取組が活発化するなど,県内における創業の機運が高まりつつあります。
先月には,県内全市町の創業支援事業計画が国に認定されたことから,引き続き,「ひろしま創業サポートセンター」の専門家派遣などによるバックアップを行い,県内全域での創業支援を促進してまいります。

産業競争力の強化

次に,「産業競争力の強化」についてでございます。
「医療関連産業のクラスター形成」につきましては,企業と医療福祉現場が協働して行う治験や臨床研究などの場である「実証フィールド」を効果的に運用するため,先月,医療・福祉関係機関,大学,企業,行政など20団体で構成する「ひろしまヘルスケア推進ネットワーク」を設立いたしました。
これは,全国でも類を見ない広島発の取組であり,今後は,このネットワークを活用し,医療関連ビジネスの創出と医療・福祉現場の課題解決を図ってまいります。

観光地ひろしま・瀬戸内 海の道構想の推進

次に,「観光地ひろしま・瀬戸内 海の道構想の推進」についてでございます。
観光につきましては,平成26年の県内の総観光客数は,夏場の天候不良の影響が見られた市町もあったものの,「瀬戸内しまのわ2014」の開催効果もあり,全体として6,181万人と,3年連続で過去最高を更新いたしました。
今年度は,3月の「中国やまなみ街道」「東広島・呉自動車道」の全線開通を契機に,沿線エリアを核とした誘客イベントを,年間を通じて実施しており,これまでの関連イベントの誘客実績は,およそ36万人となっております。
また,広島の多彩な魅力に「酔いしれて」いただけるよう,本物の広島の魅力や旅の楽しみ方を発信する新たなプロモーション「カンパイ!広島県」を,6月10日から展開しているところでございます。
「瀬戸内 海の道構想」の推進につきましては,外国人観光客を倍増させるため,テーマ性やストーリー性のある観光地をネットワーク化する,観光庁の「広域観光周遊ルート」として,今月,瀬戸内7県を周遊する「せとうち・海の道」が認定されたところでございます。
また,瀬戸内地域の地方銀行6行と日本政策投資銀行が,先月,「瀬戸内地域の観光産業の活性化に関する協定」を締結し,観光関連事業の支援の検討に着手されました。
引き続き,クルーズやサイクリングなど,瀬戸内の豊富な観光資源を活かしながら,市町や民間事業者と一体となって,新たなディスティネーションエリア“瀬戸内”の形成に取り組んでまいります。
さらに,これまで,広島港への大型客船誘致に取り組んできた結果,今年度は,アジアへ配船される客船では過去最大の約4,200人が乗船できる「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」など,3隻の寄港が決定しております。
こうした機会を県経済の発展につなげていくため,受入に当たりましては,「広島港客船誘致・おもてなし委員会」を中心に,より良いおもてなしが実施できるよう,全力で取り組んでまいりたいと考えております。

地域経済の活性化を図る取組

次に,国の地方創生交付金を活用した地域経済の活性化を図る取組について御報告いたします。
先月18日から,県内での宿泊費用の割引を実施する「ふるさと旅行券事業」を開始したところであり,これを活用し,更なる誘客に向けて取り組んでまいります。
また,県内の消費拡大を図るため,電子マネー方式のプレミアム付き商品券「HIROCA(ヒロカ)」の発行に向けた準備を進めております。
地域電子マネーによる決済を可能とする読取処理端末の設置支援など,地域電子マネーの使用環境を整備することによって,地域における資金循環の活発化につなげてまいります。

東京オリンピック・パラリンピック

次に,東京オリンピック・パラリンピックについてでございます。
外国人観光客や関連投資の増加などの開催効果を,本県経済の発展につなげるため,国際大会の誘致に先行的に取り組んできた結果,来月末から3日間,広島市において,17の国と地域から約260名が参加して,「第6回アジア体操競技選手権大会」が開催されることになりました。
引き続き,こうした誘致実績等を積み重ね,2020年に向けた機運醸成につなげるとともに,地域資産を活用した誘客の促進や,平和推進等の幅広い取組となるよう,市町,学校,経済界などの関係団体と連携を進めてまいります。

担い手が将来の生活設計を描ける農林水産業の確立

次に,「担い手が将来の生活設計を描ける農林水産業の確立」についてでございます。
昨年11月に策定した「2020広島県農林水産業チャレンジプラン アクションプログラム」に基づき,3年を集中期間といたしまして,本県農林水産業の構造改革を強力に推し進めてまいります。
農業分野につきましては,地域農業を牽引する経営力の高い担い手を育成するため,地域コーディネーターを増員した農地中間管理機構と連携し,昨年度整備した農地台帳システムも活用しながら,担い手への農地集積を更に加速してまいります。
また,食品加工業者などのニーズに応じた年間供給体制の確立に向け,収益性の高いキャベツにおいて,今月から,計画的なリレー出荷が開始されたところであります。
大規模農業団地の形成など,年間供給体制の構築を一層進め,付加価値の高い品目の生産・販売連携の仕組みづくりを推進してまいります。
畜産業につきましては,本県固有の血統を有する県産和牛の生産拡大に向けた,和牛専業経営体の育成や,「比婆牛」などの地域ブランド化を図るため,モデル経営体における施設整備や,酪農経営における和牛生産の取組を進めているところでございます。
林業につきましては,需要の拡大が期待できる木造住宅の柱や土台などで県産木材の利用を促進する「県産材利用協定」を,今月までに,住宅メーカー19社と締結いたしました。
今後も,10年後の主伐期を見据え,県産材の競争力強化とシェア拡大に向けた取組を進めてまいります。
水産業につきましては,生食用殻付かきの長期安定出荷に向けて,塩田跡地を活用した栽培管理技術の開発に必要な経費を,6月補正予算に計上しているところでございます。

人づくり

次に,「人づくり」についてでございます。
まず,「少子化対策」につきましては,人口減少に歯止めをかけ,東京への一極集中の流れを変えるとともに,若い世代が希望をかなえられる社会を実現することを目指し,4月20日に,本県を含む12県で「日本創生のための将来世代応援知事同盟」を設立いたしました。
連帯して,共同事業や国への提言などを行い,地方から国を動かす原動力となるべく行動してまいります。
少子化の大きな要因の一つである未婚化・晩婚化への対応として実施している結婚の支援につきましては,地域で結婚支援活動を行う団体を,「ひろしま出会いサポーターズ」として任命し,その取組を支援してまいります。
また,異性に選ばれる魅力づくりのためのセミナーを,今月27日を皮切りに,県内各地で開催する予定としております。
不妊治療の支援につきましては,早い段階での不妊検査・治療の促進につなげるため,来月から,検査開始時に妻の年齢が35歳未満の夫婦が,共に不妊検査を受けた場合の検査費用助成を開始するなど,出産を望む県民の皆様を支援してまいります。

女性の働きやすさ日本一への挑戦

次に,「女性の働きやすさ日本一への挑戦」についてでございます。
県内企業における女性の活躍促進に向けた機運を醸成するため,来月のキックオフイベントを皮切りに,「働く女性応援隊ひろしま」の構成員による「働く女性応援リレーセミナー」を県内各地域で開催いたします。
また,働きたいときに,いつでも安心して子供を預けて働くことができる環境整備に向けた取組を強化してまいります。
具体的には,子供が認可保育所に入所できないために,育休復帰や求職活動ができず,働けない方々が,やむを得ず,認可外保育施設を利用する場合に,利用料の負担増への助成を行う制度を創設したほか,県庁内に開設する保育所をモデルに,県内の事業所内保育施設の開設を促進する事業を実施しております。
これに加えまして,認定こども園の設置を促進するための施設整備への支援や,放課後児童クラブなどの担い手となる「子育て支援員」の養成研修を実施するために必要な経費を,6月補正予算に計上しているところでございます。

社会で活躍する人材の育成

次に,「社会で活躍する人材の育成」についてでございます。
広島版「学びの変革」アクション・プランの推進につきましては,県全体への「学びの変革」の計画的・効果的な普及を図るため,小・中・高等学校で「学びの変革パイロット校」を60校指定したところでございます。
今後は,「課題発見・解決学習」のカリキュラム開発や実践研究を進めるほか,中核となる教員の育成などを行ってまいります。
また,生徒の力により地域課題を解決する地方創生モデルの創出を目指す教育を,国内外の研究機関と連携して研究・開発するため,OECDと国内教育機関などが産学連携により実施する「OECD地方創生イノベーションスクール2030(仮称)」に参加することとし,そのために必要な経費を6月補正予算に計上しております。
こうした取組により,教育プログラムの開発等を加速し,「学びの変革」の全県展開を進めてまいります。

安心な暮らしづくり

次に,「安心な暮らしづくり」についてでございます。
まず,「信頼される医療・介護提供体制の構築」につきましては,地域医療介護総合確保基金を活用し,小規模介護施設の整備に対する助成や,福祉・介護職場における求職者と事業者のマッチング支援を行うなど,介護サービスの提供体制を充実させるために必要な経費を6月補正予算に計上しております。
がん対策日本一の取組のうち,広島がん高精度放射線治療センターの整備につきましては,県内の基幹病院と円滑に連携するため,画像情報等の医療情報ネットワークシステムを構築するなど,開設に向けた準備を着実に進めてまいります。

「豊かな地域づくり」の取組

次に,「豊かな地域づくり」の取組についてでございます。
「中山間地域の地域力強化」につきましては,中山間地域の課題解決に取り組む,若者を中心とした担い手の確保に向けて,新たに地域づくりのノウハウを学ぶ実践的な研修を行うこととし,現在,受講者の募集を行っております。
年内を目途に,全12回の研修を実施し,誇りと愛着を持って,地域づくりに取り組む人材の育成・確保に努めてまいります。
また,地域づくりの機運醸成に向けたシンポジウムを,県内8か所で開催することとしており,県民の皆様の参画意識の向上を図ってまいります。
これに加えまして,地域貢献に意欲のある首都圏の若者を対象に,ワークショップや現地での交流を通じて,中山間地域における実践活動の参加者の拡大を図るための経費を,6月補正予算に計上しております。
さらに,高校生の地域への愛着や理解を深めるとともに,地域の次世代のリーダーを育成するため,中山間地域の学校24校を指定し,それぞれの地域において,学校,地域,市町が一体となったプロジェクトチームを設置し,地域活性化プランの作成に取り組み始めたところでございます。
引き続き,地域の担い手となる人材の育成やネットワークづくりを進めてまいります。

多様な人材が集まる魅力ある地域環境の創出

次に,「多様な人材が集まる魅力ある地域環境の創出」についてでございます。
都市圏の魅力創造に向けて,広島市と連携し,広島都市圏の求心力と活力の源である広島市都心部の目指すべき姿や将来像など,中・長期的な視点での方向性を示す「都心活性化プラン」の策定に着手することとし,これに必要な経費を,6月補正予算に計上しております。

ひろしまブランド価値向上の推進

次に,「ひろしまブランド価値向上の推進」についてでございます。
「ひろしま」ブランドに対する県内外からの認知度や評価を向上させるため,来月,フランスにおいて,広島プロモーションイベントを開催し,日本酒の流通業者やレストラン関係者に対し,日本酒を始めとする本県の魅力をアピールするなど,県内産品のブランド価値の向上に向けた取組を進めてまいります。
来月,オープンから3年となる,広島ブランドショップTAUにつきましては,昨年度の来店者数が約78万人,売上が約7億4千万円と,順調に増加しており,今年度は,国の地方創生交付金を活用して発行する「ふるさと名物商品券」などにより,首都圏の消費者に広島県産品の良さを知っていただき,広島ファンの拡大につなげてまいります。

東京圏から広島への定住促進

次に,「東京圏から広島への定住促進」につきましては,東京圏などで高まりつつある地方移住の機運を取り込み,定住につなげる仕組みづくりを推進するため,3月に,新しい専用ホームページ「HIROBIRO(ひろびろ)」を開設いたしました。
また,東京で,定期的に,地方移住に関心を持つ若者等と地域をマッチングするセミナーを開催するなど,定住促進の取組を強化しているところであります。
今後も,
・ ひろしまらしいライフスタイルの魅力発信
・ 移住希望者と地域のマッチング
・ 移住者に対する受け皿づくり
を一体的に展開し,広島への移住につなげてまいります。
また,空き家の活用につきましては,移住希望者の受け皿づくりのため,県が設置する専門家による活用推進チームにより,空き家活用事業や空き家バンクへの登録促進策を検討するとともに,空き家活用に取り組む市町への実践的アドバイスなどを行うために必要な経費を,6月補正予算に計上しております。
今後とも,取組が加速するよう,市町との連携を深めてまいります。

ハワイ州との交流

次に,ハワイ州との交流についてでございます。
本県の友好提携先である米国ハワイ州のホノルル広島県人会が,創立60周年を迎えることから,先月下旬に県議会団の皆様とハワイ州を訪問し,記念式典に参加するとともに,ハワイ州知事や各県人会などと懇談を行うなど,交流を深めてまいりました。
県人会の皆様の存在は,本県がグローバル化の中で発展していくための大きな資産であると考えており,今後とも青少年の交流などにおいて,そのネットワークの維持・強化を図ってまいります。

「国際平和拠点ひろしま構想」の推進

三点目は,「国際平和拠点ひろしま構想」の推進についてでございます。
先月まで開催されましたNPT運用検討会議では,残念ながら,合意文書の採択には至りませんでしたが,訪米中,各国の政府関係者等との意見交換やシンポジウムを通じて,本県の平和の取組を発信し,最終文書案に,間接的に広島・長崎への訪問を促す内容が盛り込まれていたことなど,一定の貢献ができたのではないかと考えております。
また,来年開催される主要国首脳会議及び関係閣僚会合につきましては,先般,外相会合の広島開催と,サミット参加国首脳の被爆地訪問の働きかけを,広島市や経済界などと,官民一体となって岸田外務大臣に要望したところでございます。
主要国の首脳等に,広島を訪問いただき,被爆の実相に触れていただくことは,核兵器の非人道性について認識を深める観点からも,大変意義深いことと考えております。
今後とも,核兵器のない平和な国際社会の実現に貢献できるよう努めてまいります。

 

3,当面する県政の諸課題

次に,当面する県政の諸課題への対応について,御報告申し上げます。

広島市東部地区連続立体交差事業

まず,広島市東部地区連続立体交差事業についてでございます。
この事業の見直し検討に当たりましては,昨今の公共事業を取り巻く環境変化を踏まえ,関係の皆様の御意見を伺いながら,様々な観点から取組を進めてまいりましたが,今月,県と広島市において,見直しの方向性を取りまとめ,府中町及び海田町へ説明を行ったところでございます。
この結果,6月15日,県・広島市・府中町・海田町の4者の合意に至りましたことから,県といたしましては,関係市町と連携を図りながら,7月に住民説明会を開催し,地域の皆様の御意見も伺った上で,できるだけ早期に工事着手できるよう努めてまいります。

鞆地区道路港湾整備事業

次に,鞆地区道路港湾整備事業についてでございます。 
鞆のまちづくりが「待ったなし」の中で,「町中の交通処理対策」及び「防災対策」につきましては,現在,福山市と連携・協力しながら,鞆町内会連絡協議会や個別町内会などに対し説明を行うとともに,関係住民を訪問し,直接御意見をお伺いしているところでございます。
今後,できるだけ速やかに住民の皆様の御意見を集約した上で,具体的事業に着手してまいりたいと考えております。
また,鞆地区の再生・活性化を図る事業を支援するための「まちづくり基金」につきましては,5月末に,福山市に対し交付金を支出したところであり,現在,歴史的町並みを保存するため,住民の皆様に対し,伝統的建造物の修理などに対する助成金の募集が行われているところでございます。
鞆地区の振興に関する県の方針につきましては,引き続き,住民の皆様との様々な話し合いの機会を通じ,丁寧な説明を行う中で,御理解をいただくよう,誠心誠意,努力してまいります。

 

4,6月補正予算案等の概要

さて,今回提出いたしました議案について,その概要を御説明申し上げます。

一般会計補正予算案

まず,一般会計補正予算案につきましては,平成27年度予算編成後の状況変化等を踏まえ,必要性が認められる事業に適切に対応することを基本として,編成したところでございます。
具体的な補正の内容でございますが,「ひろしま未来チャレンジビジョン」の原動力となる取組に,時機を逃さず対応するための経費などについて,予算を計上しております。
これらの結果,一般会計の歳入歳出補正予算額は,14億5,503万円の増額となり,本年度予算の累計額は,9,996億8,503万円となります。
また,公の施設の管理運営業務を指定管理者に委託するため,一般会計及び企業会計におきまして,それぞれ債務負担行為予算を計上しております。

その他

次に,予算以外の議案といたしましては,「広島県個人情報保護条例の一部を改正する条例」などの条例案13件,人事案件といたしましては,「広島県公安委員会委員の任命の同意について」など2件,その他の議案では,「財産の無償貸付けの変更について」など4件を提出しております。
また,報告事項として,専決処分のほか,平成26年度繰越明許費繰越計算書,県が資本金の四分の一以上を出資等している法人の経営状況説明書などを提出しております。
どうぞ,慎重に御審議いただいた上,適切な御議決をいただきますよう,よろしくお願いいたします。

追加提出議題(平成27年6月29日)

知事説明要旨

ただいま追加提出いたしました議案は,副知事の選任につきまして県議会の同意を求める議案であります。
どうぞ,適切な御議決をくださるよう,よろしくお願いいたします。

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