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平成25年広島県議会6月定例会(平成25年6月21日)

印刷用ページを表示する掲載日2013年7月2日

知事説明要旨

6月定例県議会の開会に当たり,ただいま提出いたしました議案の説明に先立ちまして,当面する県政の課題などについて御報告申し上げます。

1 当面する県政の課題

まず,経済・雇用の情勢と対策についてでございます。

県内の景気は,個人消費や設備投資が横ばい圏内で推移しているものの,住宅投資の増加や昨年末から続いた円安の進行,株価上昇に伴うマインドの改善にも支えられ,自動車を中心とする輸出型産業の収益を押し上げるなど,一部持ち直しつつあります。

一方,雇用・労働情勢につきましては,4月の有効求人倍率が0.95倍と,いまだ1倍を下回っており,依然として厳しい状況が続いております。

こうした経済・雇用情勢の中,歴史的な円高や震災などの影響で落ち込んでいた企業決算につきましては,マツダ株式会社において最終決算が5年ぶりに黒字となるなど,業績回復が鮮明となっております。

一方で,円安による原材料高や,海外景気の減速による輸出・生産の落ち込みが懸念されるなど,中小企業を取り巻く環境は依然として厳しい状況であるため,県内企業への影響を注視しながら,企業の競争力強化を図るための強固な基盤づくりに向け,適切な対策を講じて参ります。

また,こうした経済情勢を踏まえ,雇用対策につきましては,緊急雇用対策基金を活用した事業を実施し,切れ目のない雇用機会の創出に努めているところであり,6月補正予算におきましても,この基金を活用して,創業後10年以内の若い企業などを支援することにより,将来的な地域雇用の受け皿を創出・拡大する新たな事業などを追加実施して参ります。

次に,広島市との連携についてでございます。

先月開催した広島市長との会談におきまして,広島都市圏は,広島県全体の発展を牽引する重要な地域であり,特にその中心である広島市の都心部の活性化は,広域的な波及効果が高いことから,県・市が連携・協力して取り組んでいくことなどについて市長から提案があり,合意したところでございます。

サッカースタジアムの検討協議会につきましては,今月6日に第1回が開催されたところであり,この協議会で,その規模や建設場所,収支,類似施設との役割分担などの様々な課題について,議論を深めていただきたいと考えております。

また,広島西飛行場跡地の活用につきましては,基本的な考え方や主たる導入機能などを盛り込んだ「広島西飛行場跡地活用ビジョン」を,先月,広島市と共同で策定したところであり,今後,このビジョンに基づき,導入する施設の内容,規模及び配置などの具体化に向け,引き続き,広島市と連携して取り組んで参ります。

次に,鞆地区道道港湾整備事業についてでございます。

これまで,鞆の住民の皆様が安心して暮らしながら,将来にわたって鞆の歴史と伝統を守り続けていけるまちづくりを実現することが重要であるとの考え方のもとで,鞆地区が抱える課題の解決に向けて取り組んで参りました。

こうした中で,先月,福山市長と協議を行い,鞆のまちづくりを進めていくために,県と福山市が連携・協力していくことを確認したところでございます。

今後は,福山市と協議しながら,住民の皆様の意向を十分に踏まえ,柔軟な姿勢を持って地元調整に真剣に取り組むことにより,できるだけ速やかに事業に着手して参りたいと考えております。

次に,一般財団法人広島県農林振興センターの分収造林事業についてでございます。

農林振興センターにおいては,長期収支見込において大幅な赤字が見込まれたことから,今後の県民負担を最小限にするため,今月3日に民事再生の申立を行ったところでございます。

県といたしましては,早急に債務を一括して整理し,今後の歳出削減を図るための議案を本定例会に提出しておりますが,県民負担を伴うこととなり,大変申し訳なく思っております。

これまで造成された森林は,順調に生育し,公益的機能の発揮や将来的な木材の安定供給への貢献が見込まれていることから,県で事業継承した上で,新たな県営林事業として徹底した収支改善に取り組むとともに,適切な森林管理に努めて参ります。

次に,地方交付税などの削減に伴う職員給与の減額についてでございます。

この度,地方公務員の給与削減を前提とした地方交付税などの削減が行われ,本県財政に大きな影響が生じる状況となることから,職員の給与を減額せざるを得ないと判断し,本定例会に議案を提出しております。

しかしながら,今回の国の措置については,地方自治の本旨に反し,断じて容認できないものと考えており,今後,こういったことが二度と行われることのないよう,あらゆる機会を通じて,強く訴えていきたいと考えております。

また,地方交付税に関しましては,国の「骨太方針」において,歳出特別枠の見直しなどが示されておりますが,これにつきましても,その制度設計などについて情報収集を行った上で,国に提言などを行って参りたいと考えております。

次に,産業廃棄物排出抑制・リサイクル施設整備費助成事業についてでございます。

現在,県の助成制度を悪用し,県から補助金を騙し取った疑いで,補助事業者の関係者が逮捕・起訴されております。

これを受け,補助金の返還命令を今月17日に行ったところであり,今後,原因をしっかり究明し,再発防止に向けて,早急に適正な対応を行って参ります。

 

2 平成25年度主要施策の状況

次に,平成25年度における主要な施策の取組状況について,御報告いたします。

本年度は,これまでの取組を新たな成長の軌道に乗せ,「進化」を図ることができるよう,イノベーションを通じた新たな価値の創造を目指した4つの視点に基づき,重点的な取組を進めているところでございます。

まず,1点目の視点,「ダイナミックな事業環境の創出」に向けた取組でございます。

「創業の活発化・新事業展開の加速」に向けた取組といたしまして,創業支援の総合窓口となる「ひろしま創業サポートセンター」を4月に開設し,今月10日には,創業を目指す方々の裾野を広げるキックオフセミナーを行ったところでございます。

また,ひろしまイノベーション推進機構においては,4月に,第2号の投資案件として,約5億円の投資を行うことを決定いたしました。

引き続き,役員派遣や経営面などのハンズオン型支援による投資先企業の成長や,新たな投資案件の発掘につなげて参ります。

また,「クラスター形成の促進」に向けた取組といたしましては,医療関連分野において,新規参入や事業化に向けた試作開発などの研究支援に加え,マーケティングやセールス支援など,販売拡大につながる商品力の強化を進めるほか,環境浄化分野においては,これまでの中国四川省に加えて,新たにインドネシアやベトナムなど,東南アジアへの事業展開を進めることとしており,7月下旬に開催予定の商談会による現地企業とのマッチングなど,県内環境関連企業の海外展開を幅広く支援して参ります。

次に,「アジアを中心としたグローバルネットワークの強化」に向けた取組でございます。

まず,インドへのビジネス展開につきましては,先月,県が支援を行った県内企業が,初めて現地でのビジネスを本格的に開始したところであり,今後とも,ジェトロなどの支援機関や,現地の関係機関などと緊密に連携し,インドへの県内企業の進出を支援して参ります。

また,その基盤づくりといたしましては,先月から福山港において,新たに内航フィーダーサービスが始まり,福山港と世界各地を結ぶコンテナ貨物ルートが増えることとなったところでございます。

引き続き,航道誘致など,グローバルネットワークの強化に向けた基盤づくりに積ごく的に取り組んで参ります。

次に,「農林水産業のイノベーションの推進」に向けた取組についてでございます。

鮮度のよい県内野菜の安定供給を求める食品製造業者やコンビニエンスストアなどの大口需要者とのマッチングを促進するため,先月から保冷車による共同輸送の支援を開始しており,この取組を契機に,効率的なコールドチェーンの構築を図り,契約取引の拡大を進めて参ります。

また,広島レモンにつきましては,夏場の需要に対応できる長期貯蔵の取組を支援するなど,年間を通じて供給できる体制を構築し,持続性の高いかんきつ産地の育成を進めて参ります。

次に,水産業につきましては,栽培漁業などの推進により,水産資源の持続的な利用体制を構築するとともに,漁業者おのずからによる計画出荷や直接販売,加工品の開発などの多様な取組を支援し,漁業所得の向上を図って参ります。

また,広島かきにつきましては,産地が一体となって高品質な広島かきの生産出荷体制を構築する「広島かき協議会」を設置し,生産から流通まで一貫した品質管理の取組やブランド力向上のための具体的な対策を協議・検討して参ります。

次に,2点目の視点,「多様な人材の集積」に向けた取組でございます。

これまでの企業向け補助金や個人向け貸付金による支援に加え,今年度,新たに経営者層を対象に,イノベーションの実現に向けた機運醸成を図るためのセミナーを開催するなど,引き続き,高度で多彩な人材の育成を支援して参ります。

また,4月には,本県としては4校目となる関西大学との就職支援協定を締結し,大学と相互連携して,学生の就職活動を支援する取組を強化したところであり,県内企業の合同企業説明会などの取組とも合わせ,引き続き,若者のU・Iターン就職を促進する取組を進めて参ります。

次に,3点目の視点,「ファミリーフレンドリーな魅力創造」に向けた取組でございます。

4月に設置した「働く女性応援プロジェクト・チーム」を中心として,仕事と家庭を両立しやすい職場環境の整備や,出産や育児などを理由に離職している女性に対する就業支援など,子育て世代の女性が働き続けるための効果的な施策に取り組んで参ります。

また,保育所整備などの推進により定員を増やすことに加え,今年度新たに,保育所と子どもを預けたい親とのミスマッチを解消するための「保育コンシェルジュ」の配置を開始したところであり,こうした取組を引き続き推進し,保育所待機児童数ゼロを目指して参ります。

次に,「安心・安全な生活環境の整備」に向けた取組でございます。

ドクターヘリにつきましては,先月1日に本格運航を開始し,5月の出動実績は,35件であり,このうち県境を越えた出動実績は2件ございました。

今後も,安全で効率的な運航に努め,広域的な救急医療体制の更なる充実・強化を図って参ります。

次に,4点目の視点,「社会で活躍する人材の教育」に向けた取組でございます。

学校における生徒指導上の諸問題の解決を図るため,本年4月に学校支援プロジェクトチームを立ち上げ,警察のスクールサポーターと連携しながら,問題行動が多発している学校に対し,集中的に対策を実施しているところであり,引き続き,子どもたちが安心して学べる環境を早期に確保する対策を進めて参ります。 

また,明日からの2日間,内閣府との共催で「第8回食育推進全国大会」を開催するほか,10月には,「ひろしま給食100万食プロジェクト」事業として,県内全ての給食実施校において,一斉に地場産物などを活用した広島ならではの給食を実施することとしております。

これらの取組を通じて「食育」の大切さについて学び,考えていただくことにより,地域や家庭における食育を推進して参ります。

次に,広島の強みや基盤を活かした施策についてでございます。

まず,4月から5月にかけて開催いたしました「第26回全国菓子大博覧会・広島」につきましては,県内外から多くの方々にご来場いただき,目標を上回る80万7千人の来場者数を達成することができました。御来場いただいた皆様や開催に当たり御尽力いただいた関係者の皆様に対し,厚くお礼を申し上げます。

なお,運営上の課題につきましては,十分に検証を行い,今後の県内におけるイベントなどに活かして参りたいと考えております。

次に,「瀬戸内 海の道構想」の推進につきましては,4月に,瀬戸内ブランドの形成に向け,その推進母体となる「瀬戸内ブランド推進連合」を7県で設立いたしました。

また,5月には,瀬戸内の食材を使用した料理披露会を東京で開催し,首都圏の料理関係者やメディアなど,多くの方々に瀬戸内の食材や料理の魅力を紹介し,評価していただいたところでございます。

今後,関係各県との連携のもと,瀬戸内ブランド形成に向けて,国内外へのプロモーションや瀬戸内の魅力を体感する環境整備など,瀬戸内が一体となった取組を進めて参ります。

さらに,「瀬戸内しまのわ2014」につきましては,4月に広島・愛媛両県一体となった専任の実行委員会事務局を設置したところであり,来年春の開幕に向けて,地域住民や関係市町と連携し,準備を進めているところでございます。

この取組が,交流人口の拡大による継続的な瀬戸内エリアの活性化につながるよう,地域の宝の磨き上げと戦ほぼ的かつ効果的な情報発信に取り組んで参ります。

次に,観光振興に向けた取組でございます。

平成24年は,大河ドラマ「平清盛」や「おしい!広島県」を活用したキャンペーンなどの取組により,県内の総観光客数が5,893万人となり,過去最高となったところでございます。

今年度は,7月1日から9月末までの間,JRグループや県内各地域と一体となって,デスティネーションキャンペーンを開催し,「瀬戸内ひろしま、宝しま」をコンセプトとして,「瀬戸内の島々」,「芸術」,「伝統」,「食」などの魅力を感じていただく取組を進めて参ります。

また,こうした取組とも並行して,県内での周遊性を高めるため,帝釈峡や神楽・鵜飼など,各地域の特色ある観光素材を活用した魅力ある観光地づくりに取り組んでいるところでございます。

さらに,昨年3月から展開している「おしい!広島県」のプロモーション映像が,先月,第2回観光映像大賞を受賞したところでございますが,これに続く取組として,「広島の旅の魅力」を伝える観光プロモーションを夏から開始いたします。

こうした取組により,観光地としての「ひろしまブランド」の構築を図り,観光客の誘致に取り組んで参ります。

また,こうしたブランド形成の取組と並行いたしまして,しまなみ海道を世界に誇るサイクリングロードとするため,国による認定制度の創設などについて,要望を行っているところであり,今後,しまなみ海道を中核として,サイクリングロードの輪が中国地方全体に拡大するよう,各県とも連携して取組を進めて参りたいと考えております。

次に,「国際平和拠点ひろしま構想」の推進についてでございます。

来月,東アジア地域の核軍縮・軍備管理に焦点を当てた多国間協議の場として,「ひろしまラウンドテーブル」を開催し,核兵器廃絶のプロセスの進展を支援して参ります。

次に,「ピース・アーチ・ひろしまプロジェクト」につきましては,開催まであと1か月となりましたが,コンサートには,クインシー・ジョーンズ氏やチョン・ミョンフン氏が率いるアジア・フィルハーモニー管弦楽団など世界のトップアーティストの参加を得て,世界最高峰の音楽による強力な発信力で平和のメッセージを世界に届けます。

また,併せて,国内外の経済人などによる「国際平和のための世界経済人会議」を開催し,世界経済にとっての国際平和の重要性を改めて認識し,企業が取り組む環境対策と同様に,企業活動の一環として平和構築の取組が行われるよう,そのプラットフォームづくりに向けた議論を展開して参りたいと考えております。

次に,再生可能エネルギーの普及拡大につきましては,地域還元型メガソーラー発電事業の最初の発電所として,4月に庄原地区の建設工事に着手したところでございます。

今後,竹原地区及び福富地区についても,順次工事に着手し,再生可能エネルギーの普及と収益の地域還元の早期実現に取り組んで参ります。

次に,防災対策の充実・強化に向けた取組としましては,現在,地震被害想定の見直しを進めており,南海トラフ巨大地震などによる津波浸水想定を公表するとともに,地域防災計画に反映したところでございます。

今後,県民の皆さんに津波浸水想定を十分に認識していただくため,周知と意識の醸成に努めるとともに,市町のハザードマップ作成などへの支援を行って参ります。

また,津波へのハード対策といたしましては,現在,想定される津波や高潮の高さを踏まえて,「広島沿岸海岸保全基本計画」の改訂を行っているところであり,この計画に基づき,高潮対策と併せて必要な海岸保全施設の整備を推進して参ります。

次に,地域づくりの取組についてでございます。

広く県民に潤いや季節感を与え,豊かで安全な暮らしを支える源となっている中山間地域の振興を図るため,「中山間地域振興基本条例(仮称)」の制定に向け,検討を進めているところでございます。

また,地域づくりを支える基盤づくりといたしまして,3月には,呉市と音戸町を結ぶ警固屋音戸バイパスと,中国横断自動車道尾道松江線の三次東ジャンクションインターチェンジから島根県の吉田掛合インターチェンジの間が開通し,今後,沿線地域の活性化がより一層図られるものと考えております。

その取組の一つとして,県内9市町で進めている「過疎地域の未来創造支援事業」において,庄原市では,尾道・松江線の開通効果を取り込むため,「道の駅『たかの』」の整備に合わせて,地元農産物の販売などに取り組み,4月のオープンから5月末までの間で,来館者が約27万人となるなど,大きな成果を上げており,地域の雇用への貢献なども含め,地域経済の活性化につながっております。

今後とも,市町と連携しながら,豊かな地域づくりに取り組んで参ります。

 3 6月補正予算案などの概要

さて,今回提出いたしました議案について,その概要を御説明申し上げます。

まず,一般会計補正予算案につきましては,平成25年度予算編成後の状況変化などを踏まえ,誠に必要性が認められる事業に適切に対応するという方針で編成したところでございます。

具体的な補正の内容でございますが,国の平成24年度補正予算などを活用した緊急経済・雇用対策のほか,農林振興センターの債務整理に要する経費など178億435万円を計上しております。

また,職員の給与の減額特例措置を7月から実施することとし,89億9,987万円を減額することとしております。

以上の結果,一般会計につきましては,88億448万円の増額となり,本年度予算の累計額は,9,308億7,448万円となります。

そのほか,特別会計補正予算案は,4会計で1,742万円の減額,企業会計補正予算案は,4会計で3億9,694万円の減額となっております。

また,公の施設の管理運営業務を指定管理者に委託するため,一般会計及び特別会計におきまして,それぞれ,債務負担行ため予算を計上しております。

次に予算以外の議案といたしましては,「職員の給与の特例に関する条例」などの条例案など10件,人事案件といたしましては,「広島県教育委員会委員の任命の同意について」などの3件,そのほかの議案では,「工事請負契約の変更について」など5件を提出しております。

また,報告事項として,専決所分のほか,平成24年度繰越明ばかり費繰越計算書,県が資本金の四分の一以上を出資などしている法人の経営状況説明書などを提出しております。

どうぞ,慎重に御審議いただいたうえ,適切な御議決をいただきますよう,よろしくお願いいたします。

追加提出議案(平成25年7月2日)

 知事説明要旨

 ただいま追加提出いたしました議案は,この度,県議会議員から選任の監査委員が辞職されましたので,後任監査委員の選任について,県議会の同意を求める議案でございます。

 どうぞ,適切な御議決をくださるようよろしくお願いいたします。

 

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