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第14回県政知事懇談「湯崎英彦の宝さがし」(神石高原町)

印刷用ページを表示する掲載日2011年11月1日

 第14回 県政知事懇談「湯崎英彦の宝さがし」を次のとおり神石高原町において開催しました。

1 開催日時

 平成22年9月11日(土曜日) 13時30分から15時30分まで

2 開催場所

 三和公民館 2階 : 神石高原町小畠2025

3 内容

 知事と参加者が「挑戦そして実現!引き出せ広島県の『底力』」をテーマに意見交換を行いました。

4 参加者

 神石高原町在住のかた 10名

5 傍聴

 約50名参加

6 その他

 懇談の模様を録画でご覧いただけます。
 こちら(インターネット放送局)からご覧ください。

7 結果概要

懇談風景記念撮影

<ご意見の概要>

(1)地域と密着したPTA活動の取組について


○参加者
 神石郡PTA連合会の会長をしている。当会は,県内でも一番小さいPTA組織であるが,油木・豊松・神石・三和の四つの地域で構成されており,各地域の伝統を引き継ぎながら特色ある活動をさせていただいている。子ども達にとって住みよい環境をつくることを常に考えながら,これからも活動を続けていきたい。
●知 事
 人口が少なく,子ども達も少ない小さな学区であるが,ここの良さというのは,どういうところにあると感じられているか。
○参加者
 大規模校の都市部の学区と違い,大人も子どもも皆知り合いである。アットホームな雰囲気があり,地域の人達の絆は深い。また,子ども達は自然に満ちた環境の中で生活できている。

(2)青年会による地域づくりの取組について

○参加者
 神石高原町青年会の副会長として青年会活動を行っている。伝統ある地域の盆踊りの継承や,近年は,婚活パーティーも企画・開催している。また,青年会活動とは別に,音楽イベントの開催にも取り組んでいる。婚活パーティーは,町外から女性を招いて行っているが,神石高原町に興味のある女性も多いようである。
●知 事
 神石高原町は,福山へも車で約1時間,広島市へもおよそ1時間半あれば十分に行ける距離に位置している。都市部へも比較的近く,普段は自然に囲まれた暮らしができるという意味で,関心のある方はたくさんいらっしゃると思う。

(3)自治会女性会の現状について

○参加者
 神石高原町女性会の会長として,声かけ運動や老人会との交流事業など,ボランティア活動や様々な地域行事の実施に取り組んでいる。近年は,会員が高齢化したことや,若い方達の入会が少ないなどの理由により,従前のような女性会活動の実施は年々難しくなってきているが,みんな一生懸命協力して頑張っている。
●知 事
 自治会の組織は,みんな大事であり,それぞれ活発に活動していただきたいと思う。女性会に限らず,自治会組織は,県内どこでも後継者問題等を抱えており,活動が難しくなってきている。これは,ライフスタイルが変わってきているということが,要因としてあるのだと思う。

(4)無農薬有機農業の取組について

○参加者
 これまで30年間,無農薬有機農業に取り組んできた。この間,神石高原町での有機農業の取組は口コミで全国へ広まり,現在では,毎年数名が有機農業の研修生として当町へ学習に来ており,私も受け入れてきた。1年間の研修後,吉和や北海道で有機農業を始めている者もいる。なかなか十分な研修の場がないので,例えば廃校になった校舎を活用し,有機農業者の養成塾のようなものができたらよいと思っている。県の有機農業推進のための計画を,生産者と協議しながら策定して欲しい。
●知 事
 神石高原と言えば有機だというようなブランドマークがつくといい感じがする。 なお,廃校の活用は,現在では例が多い。農業ではないが,今朝視察した小畠の福祉施設もそうである。

(5)搾乳ロボット導入に対する補助について

○参加者
 県立油木高等学校の産業ビジネス科の3年生である。家は酪農を行っており,牛を100頭ほど飼っている。将来は家業を継ぎたいと思っているが,酪農家にとって一番大変なのは搾乳なので,「搾乳ロボット」が導入できれば,労働時間の短縮や人件費の節約が可能となり,後継者も増えると思う。搾乳ロボット導入に対する補助をお願いしたい。
●知 事
 農業機械の導入については,リース事業や融資制度などがある。また,共同購入する場合には,補助制度もある。機械を導入することにより,売上げが増えたりコストが下がり,その中で機械の費用を払っていくというのが基本であり,経済的にきちんと回るようにやっていかなければならない。その情熱を持って勉強を続け,次の世代の酪農を本当に支えてくれる人材になって欲しい。

(6)商工会女性部による地域づくりの取組について

○参加者
 自動車販売修理業を営んでおり,現在,商工会女性部の代表を務めさせていただいている。商工会女性部も新たな部員の加入も少ないことなどから,活動も困難な状況になってきているが,皆で力を併せて頑張って取り組んでいる。今年は,花いっぱい運動の他,荷車レースのイベントなど,町民が元気になれるような行事を企画している。また,ペットボトルのキャップを回収するエコキャップ運動にも取り組んでいる。
●知 事
 商工会の活動は,御自身の商売の時間を削りながら行わなければならないもので,時間的な制約や活動できる人数も限られていたりして大変だと思う。無理なく,自分達のできることを少しずつ積み上げて継続して行っていくことが一番大切なことだと思う。前向きに活動を続けておられることだけでも,すごくいいインパクトがあると思う。

(7)青年の会による地域づくりの取組について

○参加者
 井関・大矢という地域の20歳から40歳代までの青年の会の会長をしている。当会は,20年ほど前,協力して地域イベント等の企画・実施を行う目的で結成した。5年前からは,地域活性化の一助になればとの思いで,夏に納涼花火大会を開催しており,5回目の今年は,2500人もの来場者があった。第1回目こそ,町に助成してもらったが,2回目から今回までは,地域の団体・企業・住民の寄附により開催している。収支や来場者数でもってイベントの成功を計ることもあるかと思うが,地域の若者が地域のために何ができるかを考え,いろんな制約がある中で準備し,やり遂げることこそが大切であると思っている。
●知 事
 すばらしいと思う。おっしゃられたように来場者数の多い少ないではなく,一生懸命工夫して取り組むことにより,仲間の絆が深まり,それを見て周りの方が応援し,地域のみんなの気持ちが明るくなるということが大切だ。最初からお金がたくさんあったのでは知恵は出ない。むしろお金がない方が,どうやったらうまくできるかということを考えるようになる。これが成果に繋がるのだと思う。

(8)神石高原町の医療の現状について

○参加者
 神石高原町立病院で看護師をしている。当病院は,平成21年度から公設民営化されて県立病院から町立病院となり,当時60数名いた看護師のうち,残ったのは20名足らずである。郡内は広く,訪問介護では車で1日100キロ走ることもざらで,雪の中,車の入らないところは長靴を履いて歩いたりもして,地域医療に貢献してきた。高齢者も多い地域で高齢の方が入院した場合,面会や世話に行くのにかなりの負担がかかっている。また,子育てを行っている若い御夫婦にあっても,子どもを病院へ連れて行くのに大変な思いをしている。
 なお,町立病院になって,一番深刻なのは医師が減ったことである。公設民営になって,5年間は県が支援することとなっているが,その先は不透明である。地域医療の体制を維持するために継続的支援をお願いしたい。
●知 事
 これまで,広島県の地域医療に従事してもらうために自治医大の学生を毎年2名ほど確保していたが,今後は,広島大学の地域枠と岡山大学のふるさと枠とで合計15名になる。毎年15名ということは,10年で150名。このように医師を配置していく仕組を作っていく。ただし,すぐに医師として育つわけではなく,経験を積んでこれが本当に機能するのは,概ね10年後である。よって,それまでの間の地域への医師の配置について,来年から立ち上げる地域医療推進機構の中で調整していこうと思っている。
 また,看護師の確保については,一度職場を離れられた方へ職場復帰していただくための支援や,地域におられる退職された看護師の復帰支援など行っていきたい。

(9)多様な農業の推進について

○参加者
 定年退職後,実家のある神石高原町に戻り,農業に従事している。また,昨年4月から神石高原町の集落支援長の職を受け,他の集落支援員とともに,試行錯誤しながら地域の活性化に取り組んでいる。県の農業政策は,法人化・大規模化を推し進めようとするものである。小規模農家は,農地を貸し出すなどして農業から撤退せざるを得ず,農業人口の減少は避けられない。これは,我々が集落支援員として取り組んでいる内容を否定するものである。小規模でも付加価値のある多様な品目をつくる農業の推進が必要であると考えている。大規模化一辺倒ではなく,多様性も認めた農業施策を実施していただきたい。
●知 事
 県は,集落法人化を推進するだけではなく,個人の営農者であっても付加価値の高い生産をされている取組については,支援を行っている。集約化は必要で,米の場合,50ヘクタールを8人で耕作するくらいの生産性を上げなければ成り立たなくなるという現状がある。抵抗感を持っている人も多いのだが,米づくりから野菜や果樹へ転換をすれば,地域をサポートできるだけの雇用も生まれると思う。

(10)自治振興会による地域づくりの取組について

○参加者
 神石の草木自治振興会の世話を行っており,振興会の活動を通じて住民の交流の場の提供や,高齢者が安全で安心して暮らせるような地域づくり,また草刈などの地域の美化等に取り組んでいる。今後は,都市部の住民との交流,自然体験の場づくりなどに取り組んでいきたい。なお,河川のほとりが荒れていると周辺も荒れてくるので,草刈をして欲しい。また,農業技術指導所が東広島に集約されたが,小さな農家に対しても引き続き指導してほしい。
●知 事
 地域づくりや地域を守っていくことは,大変なことだと思う。県でも,地域づくりにかかるいろいろな取組を表彰させていただいている。本日午前中に「あるぎ倶楽部」を訪問し,福山や尾道の方達と農作業体験などの交流事業を行っている取組を見せていただいた。地域づくりに携わる方は,自分達の時間を割いて,一生懸命取り組んでおられる。我々もできる限り支援していきたい。

8 現場視察

 懇談に先立ち,神石高原町内4箇所で現場視察を行いました。

○黄金の里井関
 酪農家と連携し,有休農地に和牛を放牧している取組を視察し,耕作放棄地対策についてお話を伺いました。

 黄金の里井関 

○小畠総合福祉施設
 旧小畠中学校の校舎を活用し,放課後児童施設,託児所,高齢者生活支援施設等を配置した複合施設を視察しました。

小畠総合福祉施設

○田舎応援団「あるぎ倶楽部」
 都市住民に農作業体験等自然とのふれあいの場を提供する活動に参加し,耕作放棄地の維持管理や都市農村交流につなげる取組についてお話を伺いました。

田舎応援団「あるぎ倶楽部」

○仙養ヶ原ふれあいの里
 自然との交流や芸術体験等ができる高原レジャー施設を訪問し,同地において整備が予定されている,国際的な災害援助活動を行うための,災害救助犬訓練センター(仮称)の計画について,お話を伺いました。

仙養ヶ原ふれあいの里


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