第8回県政知事懇談「湯崎英彦の宝さがし」(呉市)
第8回 県政知事懇談「湯崎英彦の宝さがし」を次のとおり呉市において開催しました。
1 開催日時
平成22年6月5日(土曜日) 13時30分~15時30分
2 開催場所
呉市広市民センター内 広公民館3階ホール :呉市広古新開2丁目1-3
3 内容
知事と参加者が「挑戦そして実現!引き出せ広島県の『底力』」をテーマに意見交換を行いました。
4 参加者
呉市在住の方 10名
5 傍聴
約40名参加
6 結果概要
○ご意見の概要
(1)高齢者の社会参画の促進について
○参加者
健康づくりの会を立ち上げ,ウォーキング大会・体力測定教室等の企画・実施を行い,地域住民の健康増進を図っている。何かを成し遂げようとするときには,「人」,「物」,「金」が必要となるが,1番大事なのは,やはり「人」であると実感している。自分たちの周りには,現役を退職された方々がたくさんいるが,何か社会に貢献できることがしたいと思っている方も多い。これらの方の底力をしっかり活用できるような仕組が大事であると思う。
○知事
私が掲げている五つの挑戦の中でも,「人づくり」をやはり一番に挙げている。何をやるにしても人の力が一番のもとである。私も人の力を大事にしていきたいと思っている。
(2) 地域の活性化に必要なこと
○参加者
私も人の力は大事であると感じており,ボランティアに取り組んでいる,あるいは,取り組もうとしている個人・団体の活動へのコーディネートや相談支援等を行っている。
○知事
「何かをしたい」と思っている意欲のある方々を後押しする取組をされているが,そのような意欲のある個人・団体等は,増えていると感じているか,それとも変わらないか。
○参加者
高齢化して団体の存続が難しいなどの相談を受けることもあるが,若い人たちの中にも地域に愛着を持っていたり,何かをしたいと思っている人もいて,決して減っているとは思わない。地域を活性化するために,まず必要なのは自分たちの住んでいる地域に愛着を持ち,自慢できるようになることだと思う。このような思いや取組を子ども達へ伝えていきたい。
(3) 地元カキの販路拡大について
○参加者
地元安浦のカキのPRのため,水産教室やカキ祭り等のイベントを企画・実施している。より一層PRし,カキの販路拡大に繋げるため,首都圏でのイベント開催など,行政の支援をお願いしたい。
○知事
広島カキのブランド強化事業に取り組んでおり,いろいろなところでPR活動を行っている。県外でも行うこととしている。
(4) とびしま海道を生かした観光振興について
○参加者
野呂山から見た安芸灘「とびしま海道」は絶景である。この景観を活かした観光拠点づくりに力を入れてもらいたい。
また,県立高校の飲料用自動販売機については,これまでPTAにおいて設置し,その販売収入を同じくPTAが運営する売店事業に充てていたところである。県教育委員会では,今後は,設置業者を公募する方向で検討していると聞いた。公募にすると売店の運営事業が成り立たなくなるので,再考願いたい。
○知事
「瀬戸内 海の道構想」というプロジェクトに取り組んでいる。瀬戸内には,安芸灘だけに限らず,たくさんの魅力があり,それらの力をあわせることによって地域の力を高めていきたいと思っている。
また,県庁に設置していた自販機については,昨年度から公募にした。公募にすると県に収入が入ってくることになるが,問題はその収入をどうやって使っていくか,何に充てるか,だと思っている。学校においては様々な事情もあろうかと思うので,総合的に慎重に検討する必要がある。
(5) 安芸灘大橋の通行料金引き下げ,豊町地区の高潮対策について
○参加者
安芸灘大橋の通行料金が割高であるため,産業界や観光客にとっても負担となっている。試験的にでも通行料金を半額にしてもらいたい。
また豊町では,潮位の高いときなど県道が冠水したり,台風の時などは,住宅も潮の被害を受けているため,高潮対策をお願いする。
○知事
安芸灘大橋には,500億円近い建設費がかかっている。これを例えば完全無料にすると,90億円弱くらい必要となるため難しいとは思うが,工夫の余地はあるかもしれないので,今後検討もしてみたいと思っている。
また,高潮対策については,順次進めているところである。なかなか一度にはできないが,生命財産を守るためのものであるため,着実に進めたいと思う。
(6) 瀬戸内 海の道構想について
○参加者
安芸灘大橋が開通したことにより,島への観光客も増え,夜には釣り客の車の台数も増えた。地域が豊かになるのは良いことではあるが,昔ながらの島の良い雰囲気,安心・安全な雰囲気は失わないようなまちづくりをしてもらいたいと思う。海の道構想とは,どういうものなのか。
○知事
海の道構想というのは,例えば道路や港をつくるなど,決して県が直接何かをするというものではないと思っている。そのようなことを行っても観光客が来るわけではない。むしろ,地元の人たちのおもてなしを活かすための地域連携のようなものが必要で,その連携の場づくりや,連携の方向性を探ってビジョンをつくり,皆が一緒に取り組んで行けるような仕組を考えている。
(7) 外国籍市民に対するサポートについて
○参加者
外国籍の市民の方へ,日本語指導等をボランティアで行っている。参加される外国籍市民の方の学習意欲が高いのを目の当たりにし,取組の必要性を実感しているところである。この取組を行うにあたっては,ボランティア団体と行政との協力が必要であると思うが,連携できていないのが実状である。
○知事
外国人へのサポートや外国との交流は,真剣に取り組んでいかなければいけない分野の一つである。広島県として地方主権を進めるためには,広島の人たちにも,広く外国のことも知ってもらうことが必要で,それゆえ外国人の方との交流は,非常に大事である。
(8) 魅力ある地域づくりについて
○参加者
島嶼部は非常に高齢化し,若者が少ないため,祭りなどの行事の実施も難しい状況にある。しかし,島には歴史的にも文化的にも価値の高いものが多い。これらを活かしたまちづくりを行っていかなければならない。
また,観光振興は,島嶼部だけでは限界があるため,例えば大きく呉エリアで考えると,大和ミュージアムと豊の御手洗,蒲刈をドッキングさせる。さらに広島全体のエリアで考えて,これら呉の観光地と宮島をドッキングさせるなどの仕掛けが必要であると思う。
○知事
若者が戻ってくるというのは,本当に大事なことだと思う。そのためにも魅力ある地域づくりが大事であり,皆が一緒になって取り組まなければならないと思う。
(9) 防災と地域の活性化にむけた道路整備について
○参加者
音戸町の道路は,全体的に道幅が狭いのに加え,カーブが多く,大型トラックやバスなどがカーブで出会うと渋滞が起こり,防災活動に支障をきたす場合がある。また,自転車道がないため,スムーズな通行が難しい。歩道や自転車道を整備することにより,地域の活性化のほか,住民達によるウォーキング等の健康づくりも可能となる。十分な道路整備をお願いしたい。
○知事
道路については,一度に整備はできないが,通学路も含め,特に危ないと思われるところを順次着実に整備している。道路は日常的に使うもので,重要なものである。なお,音戸町にあっては,第二音戸大橋も整備されるので渋滞も緩和されると思う。
(10) 下蒲刈町の県道整備等について
○参加者
蘭島閣美術館を中心とする三之瀬地区の県道は,アスファルトではなく石畳となっているが,近年老朽化が進んで,石と石の間にズレが生じており,通行の支障となっているため修繕をお願いしたい。また,松濤園のあたりの県道沿いに県が植樹した松があるが,ところどころ枯れており景観を損ねているため,これについても整備してもらいたい。さらに,安芸灘大橋を降りてすぐの県有地等を,桜の木で埋めつくすため,ボランティアで植樹活動しているが,皆高齢化しており活動が難しくなっている,県の方でも支援願いたい。
○知事
松も含め,道路の維持修繕の一環として相談をさせていただきながら進めたい。桜の木については,御要望としてお伺いさせていただく。
○自由討論
(1) 安芸灘大橋の通行料金について
○知事
安芸灘大橋の通行料金については,意見が出たので聞いてみたい。例えば,香川県に直島という島がある。これはベネッセの福武さんが投資をして美術館を建て,またそれだけでなく,島民の皆さんが自宅を改装したりして,島全体を美術館のようなものにつくりあげている。この直島には,橋が架かっていないものの,観光客は多い。むしろ橋がなく不便な方が観光客は多く来るものだとも聞いた。これについてどう思われるか。
○参加者
船で島へ渡るのは,風情がある。運航時間が決まっており不便な点もあるが,客室でいろいろな人との出会いも楽しめる。
○参加者
直島の場合は,美術館が特別なものであり,それが目当てであるため,船の乗船料金や不便さなどは関係ないのであろう。
○知事
確かに直島には,お金がかかっている。美術館も特別なものであるが,観光客は,美術館目当てだけで直島に来るわけではないと思う。まち全体の雰囲気,おもてなしなど,コンセプトが統一されているからだと思う。
○参加者
安芸灘大橋の通行料金が高いと思われるのは,まだまだ料金に見合うだけの四島の魅力が伴っていないのだと思う。また,PRが足りていないという理由もある。
○知事
往復1,400円の通行料金に見合う価値は十二分にあると思う。ただ,瀬戸内海全般について言えることであるが,まだ足らないものはある。
○参加者
橋が架かって大変便利になったと思う。島への観光客を増やすために島の魅力をもっとPRしていかなければならない。
○知事
PRは大事である。例えば豊町の御手洗など,次も是非来たいと思われる方でなくとも,中間くらいの方はたくさんいらっしゃる。こういった方達にもっと来てもらえるよう,もてなしのようなものが大事である。実際御手洗ではこのようなもてなしをされている。呉全体でいえば,御手洗の他にも大和ミュージアム,れんが通りなど昭和風なまちづくりに尽力されるなど,このような力を少しずつあわせていくことがとても大事であると感じる。
(2) 道州制について
○参加者
道州制が進んでいくと思うが,大きくなって末端が切られていくようなことがないよう,気を配ってほしい。また,広島県がイニシアティブをとって,人口も減らないよう頑張っていただきたい。
○知事
地域やコミュニティが切り捨てられるような道州制だと,意味がないと思っている。国がやっていることを地域に引っ張ってくるための道州制だと思っており,それに向けて頑張っていく。
7 現場視察
懇談に先立ち,呉市内2箇所を現場視察しました。
○県民の浜
藻塩づくり体験施設や製造工場を見学し,藻塩を活用した地域活性化の取組についてお話を伺いました。
○御手洗町並保存地区
歴史ある町並保存地区を散策しながら,まちづくりの取組についてお話を伺いました。
関連情報
ダウンロード
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)