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第1回県政知事懇談「湯崎英彦の宝さがし」(北広島町)

印刷用ページを表示する掲載日2011年11月1日

 平成21年度第1回 県政知事懇談「湯崎英彦の宝さがし」を次のとおり北広島町において開催しました。

1 開催日時

 平成21年12月23日(水曜日) 13時30分~15時30分

2 開催場所

 芸北文化ホール 多目的ホール : 山県郡北広島町川小田75-54

3 内容

 知事と参加者が「挑戦そして実現!引き出せ広島県の『底力』」をテーマに意見交換を行いました。

4 参加者

 北広島町在住の方 12名

5 傍聴

 約130名参加

6 結果概要

懇談風景

○ご提言の概要

(1)新規農業参入への支援について

  農業に興味のある人がいても,生活の利便性や,住まいの問題で躊躇している。土地や住居等の取得には莫大な資金が要るので,支援があれば新規就農者も参入しやすいのではないか。

(2)地域資源を生かした観光振興について

 この豪雪地帯の雪を資源として生かし,スキーだけではなく,スノーウォッチング,そり,かまくらなどに人を呼ぶような観光ルートの確立が必要。また,里山と草原を組み合わせ癒しの場とする里山セラピーの整備なども考えられるのではないか。

(3)商工会,中山間地域向けの公共事業について

  商工会の経営指導員の配置定数は会員数により定められているが,北広島町は面積が広く都市部とは会員数が違うので,一律でなく地域ごとに考慮してほしい。また,公共事業の減少により解雇等も増えている。田は「緑のダム」であるので,コンクリートではなく,耕作放棄地を毎年整備するような中山間地域向けの持続的な公共事業を創設してほしい。

(4)林業振興について

  リサイクル可能な資源として,山林の価値を高めていくことが必要である。そのため,国産材の利用促進,長期的な木材価格の安定,林道整備,機械化,山林情報の公開など,林業家が山をコーディネートし地域貢献に取り組めるよう環境を整えてほしい。

(5)転作田の活用について

  集落法人の経営は総じて苦戦しており,米はともかく,転作では赤字である。米の生産調整は,管理に労力を要するので,手立てがほしい。また,転作田による収穫物の第6次産業化などにチャレンジできるよう,規制を緩和してほしい。

(6)高齢者介護について

  高齢者の健康維持と,介護予防への意識向上のためのサロン活動や,介護者の心の健康づくりに取り組んでいる。行政の支援もあり心強く取り組んでいるので,今後も地域でできることは,みんなで力をあわせて頑張りたい。

(7)伝統芸能の継承について

  北広島町では,壬生の花田植を始めとした民俗芸能が継承され,子ども田楽団や神楽団クラブも多い。子どもが伝統芸能により自信を持つことで,民俗芸能の保存,発展とともに,学び育ち,社会で暮らす原動力を培うことができるので,伝統芸能の継承を支援し,将来の宝として大切にしてほしい。

(8)地域資源を活用した集客交流ビジネス,NPO活動への支援について

  スキー場,神楽,花田植,八幡湿原,高原,どぶろくなどの地域資源を活用して集客交流事業に取り組むとともに,特産品開発や,道の駅「舞ロードIC千代田」の整備計画の検討なども行っている。道の駅に神楽殿と産直レストラン機能がそろったものを作ろうと計画しているので,協力してほしい。また,NPOのメンバーはボランティアで働いており,持ち出しも多いので,活動資金の補助等もお願いしたい。

(9)中山間地域における子育て,教育について

  地元小学校は小規模でじっくりと教育に取り組むことができるが,習い事などの選択肢が限られたり,時間,交通などの問題もあり,田舎で子どもを育てるのは簡単ではない。子どもが少ないからと,教員や予算を減らしたりせず,心にかけていただきたい。また臥竜山の事件後,登下校の安全が心配なので,日常的に中山間地域の安全システムづくりを考えていただきたい。

(10)地域活性化,道路の改良について

  地域活性化のため,そば祭り,とんど祭り,講演会などを実施しているので,知事も来訪し,地域の熱気の中から県民ニーズを把握してほしい。また,中山間地域では,道路幅の狭い未改良の町道がまだたくさん残っている。過疎債,辺地債を継続し,道路改良を進めてほしい。

(11)障害者の人権について

  障害者に対する差別があり関係施設,学級などで虐待が多く行われているので,人権を守るよう指導するとともに,差別をなくすための条例を制定してほしい。北広島町には障害者の交流施設がないので,元千代田高校豊平分校跡地を利用し,高齢者や障害者が学び,集まる施設を整備してほしい。 また,再来年完成見込みであった広域農道の完成が遅れているので,予算を付け早く完成してほしい。

(12)認定農業者への支援について

  農村が過疎化しているのは,農業が嫌いという人が多いわけでなく,農業で食べていけないという思いがあるからではないか。認定農業者にも集落法人と同様の支援をすることで,地域の核であることを自覚させ,地域で貢献できるようになるのではないか。

○自由討論

(1)農業について

○知事
  この地域の活性化において,農林業は非常に大きな役割を果たすと思うが,課題は何か。県の方針として集落法人化を推進しているが,これが進んでいくとどうなると思うか伺いたい。

○参加者
  法人で働くことにより給料と農業知識を得,いずれ独り立ちするというステップアップの手段とすることができるのではないか。

○参加者
  県が進めてきた集落法人は,集落単位に設立され,地域の集落機能維持も担っているので,儲かるという形になっていない。それを打破していくには,米だけでなく収益性の高いものをつくって,それを6次産業化し,加工・販売すれば収益が上がる。県では,各法人がやろうとしていることをよく把握して,それに対する規制緩和や支援をしてほしい。

○知事
  それぞれの集落法人が取り組もうとしてることにきめ細かく対応してほしいということですね。

○参加者
  今まで中山間地を維持してきたのは一戸一戸の個人農家なので,これが全部法人になった場合,集落を守っていけるのか。 田んぼを人に任せ,自分はよそに行って働くならば,働く場所へ転居して住んだほうがよく,あとに残るのは,法人だけになっていく。だから,法人ありきの考え方がいいのか,認定農業者のような大型農家を育成していくのがいいのか,いろいろなケースを考えてみないといけない。むしろ今は法人も高齢化しているので,若い人を育成し農地を任せるため,法人の形態を,地元中心でなく,企業参入や,新規就農者を探すという方法にできるのではないか。

○知事
  農家の担い手が高齢化しているので,若者が入らないと担い手がいなくなるという印象を持っている。農家出身者中心ではなく,例えば都市出身で農業に関心があるいろいろな人が入ってこられるような仕組みが要る。若者には,土地など大規模な投資が難しいので,幅広い形態の法人があって,いろいろな地域から人が呼び込めることが必要ではないか。
  ただ,その地域のことを全然知らない人たちが入ってくることで,地域も変わっていくかもしれないが,それに抵抗感はないか。

○参加者
  背に腹はかえられないが,今まで頑張ってきた方は抵抗を持っておられるかもしれない。

○参加者
  組織は,漠然と集まれば物事が解決するものではないので,はっきりした目的を持って作るべき。認定農業者は,農業で食べていこうという目的があるので,行政から支援があれば,成果につながりやすい。法人の目的は,耕作地という環境の保全なのか,営利活動なのかを見極めてほしい。

○知事
  雇用や生産への貢献が目的であれば,個人経営であっても,法人であっても同じということですね。目的は農業生産であり,それによって雇用が生まれるということをはっきりしてかかるべきということですね。

(2)林業について

○知事  
  今の議論から,林業のほうでもあてはまる部分や,違うという感想があれば伺いたい。

○参加者
  林業は農業と違って,大きなスパンの中で考えていかないと難しい。県や国では,利用間伐等長伐施業により,植栽をしなくても資産が残る状況で価値を引き延ばしていくことを考えている。その中で僕ら自身にも仕事が生まれるし,そういう長期的考えの中で,次にどの山をどういうふうに活かしていくのかを山主に提案して,次期伐期を迎えるまでに木の価値をもう一度よみがえらせていくというか,循環させていく仕組みに取り組んでいかないといけない。

○知事
  長いスパンで考えた手を打っていかないと,ころころ変わったらやっていけないということですね。

○参加者
  今は,現場,現場でこなしている状況だが,本当に計画を持って,労働力を増やしていこうとしたとき,どこにどういう山があって,どういう状態のときにまた仕事ができるのかというような状況把握ができるGPSやGISという新しい技術もあるので勉強していきたい。

(3)合併の影響について

○知事
  合併した結果をどう感じたか。あるいは課題があれば伺いたい。

○参加者
  山県郡は東部と西部があり,合併により北広島町と安芸太田町に分かれた。芸北地区は地理的に西部であったのに東部の北広島町に入ったので,例えば農協は芸北地区だけ広島市農協に入っているが,同じ町内一つの農協というのが理想ではないか。合併して県内23市町になったが,こういうねじれ現象が県内でいっぱいあるのではないかと思うので,見直していく方法が要るのではないか。

○参加者
  合併後は,郵便局や役場の人が減ってしまって,商店なども困っているらしい。職員も減り,仕事の内容も変わって,地域の元気がなくなった。

○知事
  合併の目的の一つに行政のスリム化というのがあって,行政のスリム化を進めていくと,人が減るので,そういうことも起きる。結局,人件費を維持しているのも税金なので,そこのバランスをどう考えるかということだと思う。

○参加者
  4町が合併して町の面積が大きくなったので,合併前は広いと思っていた千代田地区が狭く見える。いろいろな見方で考えていかなければいけないのではないか。

(4)瀬戸内 海の道1兆円構想について

○参加者
  1兆円構想について教えてほしい。

○知事
  今,瀬戸内海でばらばらに取り組まれている観光を,エリアとして一体化させると,もうちょっとお客さんを呼べるのではないか。広島県だけではなくて,他県も巻き込みながら,共同のプロモーション,インフラ開発等を進めていきたいと思っている。今は8000億円くらい観光収入があるので,それを1兆円以上になるよう目指していきたいというのが1兆円構想である。
  実は,山間部でも同じようなことができるのではないか。スキー場のPRというのも一つだと思うので,考えていきたい。

7 現場視察

 懇談に先立ち,北広島町内3ヶ所を現場視察しました。

○千代田工業・流通団地

 先端企業等の誘致に向けて取り組んでいる工業・流通団地を視察しました。

千代田工業・流通団地

○達磨 雪花山房

 そばによる地域おこしに熱心に取り組んでいた豊平町が平成13年に誘致したそば道場を訪問し,そば打ちの実演を見せていただきました。

達磨

○加計高等学校芸北分校神楽部

 60年以上の歴史を有し,地域の伝統芸能である神楽を継承している神楽部を訪問し,部員の皆さんを激励しました。

加計高等学校芸北分校


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