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気候変動予測とは

印刷用ページを表示する掲載日2022年4月4日

気候変動予測とは

 気候変動への「緩和」と「適応」を行う上で必要な,地球規模の気候変動を予測することを「気候変動予測」と言います。気候変動予測は,気候モデルを用いて仮想の地球を再現し,将来の気候を現在の気候と比較したものです。この予測には,RCPシナリオという将来の温室効果ガスの濃度レベルを表すシナリオが用いられており,図中のRCPの数値が大きいほど,2100年における地球温暖化を引き起こす効果が大きいことを意味しています。

気候変動予測

(出典:広島地方気象台HP)
(出典:気候変動適応情報プラットフォーム)

RCPシナリオと気候モデルの詳しい説明

RCPシナリオ

 RCPシナリオは,将来の温室効果ガスが安定化する濃度レベルと,そこに至るまでの経路のうち代表的なものを選び作成されたものです。RCPとはRepresentative Concentration Pathways(代表的濃度経路)の略称である。RCPに続く数値が大きいほど2100年における放射強制力が大きいことを意味しています。放射強制力とは,地球の放射バランスを変化させて地球全体の温度を変化させる能力であり,地球平均の単位時間・表面積あたりのエネルギー(単位:W/m2)で表されます。RCPシナリオには,RCP2.6(低位安定化シナリオ:気温上昇を2℃に抑えることを想定),RCP8.5(高位参照シナリオ:政策的な緩和策を行わないことを想定),及びそれらの間に位置するRCP4.5(中位安定化シナリオ)とRCP6.0(高位安定化シナリオ)の4シナリオがあり,RCP2.6では放射強制力が「2100年以前に約3W/m2でピークを迎え,その後減少し,2100年頃には約2.6 W/m2 となる」,RCP8.5では「2100年の時点で8.5 W/m2を超え,上昇が続く」,RCP4.5とRCP6.0では「2100年以降に約4.5(6.0)W/m2で安定化する」ことを示しています。

気候モデル

 気候モデルは,排出シナリオに基づいて,将来の気候をシミュレーションする際に用いられます。環境省環境研究総合推進費S-8温暖化影響評価・適応政策に関する総合的研究(2010~2014)では,CMIP5と呼ばれるプロジェクトで開発されたIPCC第5次評価報告書に利用された気候モデルから,それぞれに異なる特徴を持つMIROC5,MRI-CGCM3.0,GFDL CM3,HadGEM2-ESの4つの気候モデルを選択し,その気候予測の結果をまとめています(S8データ)。

(出典:気候変動適応情報プラットフォーム)
(出典:異常気象レポート2014,気象庁)


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