広島県内の主な地域気象観測所(広島、呉、福山、東広島、三次)の年降水量は、約800mmから2000mmであり、年ごとの変動が大きくなっていますが、増減等の傾向は見られませんでした。日本全体でも年ごとの変動が大きくなっています。
(気象庁気象データからひろしま気候変動適応センター作成)
図1 広島県の年降水量の経年変化
近年、「ゲリラ豪雨」や「これまで経験したことのないような集中豪雨」といった言葉をよく耳にするようになり、降る雨の量が増えているように感じます。ところが、広島県各地の年降水量は図1のように大きな増減は見られません。年降水量は大きく変化していませんが、広島県では全国での傾向と同じく、短時間強雨回数の増加が見られています。
広島市の年間の日降水量が30mm以上(激しい雨)、50mm以上(非常に激しい雨)の回数は増加傾向で、統計期間の最初の10年間(1879年~1888年)平均ではそれぞれ12.6回と4.4回ですが、最近の10年間(2015年~2024年)平均ではそれぞれ19.6回と7.5回に増加しています。一方、年間の無降水日は225日~270日程度で推移しており、統計期間の最初の10年間(1879年~1888年)平均の239回から、最近の10年間(2015年~2024年)平均の261回に増加しています。
年降水量に大きな変化がないにもかかわらず、強雨と無降水日回数が共に増加していることから、雨が降る日と降らない日の差が大きくなっており、雨の降り方が両極化する傾向にあると考えられます。
(気象庁気象データからひろしま気候変動適応センター作成)
図2 広島市の日降水量が30mm,50mm以上の回数と無降水日の回数の経年変化