このページの本文へ
ページの先頭です。

平成30年広島県議会9月定例会(平成30年9月18日)

印刷用ページを表示する掲載日2018年9月18日

知事説明要旨

9月定例県議会の開会に当たり、ただいま提出いたしました議案の説明に先立ちまして、7月の豪雨災害への対応及び本年度主要施策の取組状況について、御報告いたします。

 

1, 7月豪雨災害への対応

まず、7月の豪雨災害への対応についてでございます。

改めまして、この度の豪雨災害により、犠牲となられました方々に対しまして、衷心より哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。

また、災害発生時からこれまで、捜索や復旧作業、被災者支援、さらには、寄附や義援金、物資の提供、人的支援などをいただいております企業、個人、ボランティア、国、自治体の皆様に対し、厚く御礼を申し上げます。

災害発生から2か月が経過いたしましたが、残念なことに、5名の方の行方が分からず、被災された方々におきましても、生活再建に向けて様々な不安を抱えておられます。

県では、これまで、被災された方の生活支援や被災地における二次災害の発生を防ぐための応急復旧を最優先で進めまいりました。

こうした取組により、救命・救助、避難者対応、緊急の応急復旧等については、概ねの区切りがついてきたことから、先月14日に災害対策本部から災害復旧・復興本部に移行させ、「切れ目のない被災者支援」「経済活動の早期再生・新たな発展」「最速の安全確保とインフラの強靭化」の3つの視点により、本格的な災害復旧・復興へとフェーズを切り替え、取り組んでいるところでございます。

今後、こうした取組を継続しつつ、更に加速していくためには、中長期的な視点も踏まえ、より計画的に実施していくことが不可欠なため、今後の基本的な考え方、さらには具体的なロードマップを取りまとめた「平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興プラン」を策定いたしました。

このプランにおきましては、「県民生活と経済活動の日常を早期に取り戻す」、「単なる復旧・復興ではなく、より力強い軌道へと押し上げる」、そして、これらを実現するために、「ピンチをチャンスに変える視点で取り組む」の3つを基本方針として、より元気な広島県の実現を目指してまいります。

そして、「この災害を起点とした、創造的復興による新たな広島県づくり」を目指す姿として掲げ、この実現に向けましては、「安心を共に支え合う暮らしの創生」「未来に挑戦する産業基盤の創生」「将来に向けた強靭なインフラの創生」「新たな防災対策を支える人の創生」の4つを柱として、施策を展開してまいります。

また、この戦後最大級の災害に立ち向かうため、「ピンチをチャンスに。見せちゃれ広島の底力!」を合い言葉として、県はもとより、県民の皆様、関係者の方々が被災された皆様を支えながら一丸となって取り組み、新たな広島県づくりを進めてまいります。

 

【復旧・復興への取組状況】

続きまして、復旧・復興への取組状況を御説明いたします。

 

(安心を共に支え合う暮らしの創生)

はじめに、「安心を共に支え合う暮らしの創生」についてでございます。

被災者の皆様の生活再建を進めるために必要な住宅の確保につきましては、公営住宅等の無償提供や みなし仮設住宅の提供に加えて、市町からの要請を受けて建設した応急仮設住宅への入居も今月2日から順次開始しており、引き続き、被災者のニーズに合わせた住まいの提供に市町と連携して取り組んでまいります。

被災者の皆様の見守り・相談支援体制の構築につきましては、今月3日に「県地域支え合いセンター」と「こころのケアチーム」を開設したところであり、今後、生活支援相談員に対する研修を開始いたします。

また、「市町地域支え合いセンター」につきましても、順次、準備の整ったところから見守りや相談支援などの活動を開始しているところでございます。

引き続き、被災者の見守り・心のケア等を通じて、孤独死や自殺の発生防止、並びに早期の生活再建に結びつくよう支援してまいります。

災害廃棄物の処理につきましては、安全かつ迅速に処理を行うため、先月末に県の災害廃棄物処理実行計画を策定いたしました。

大量の災害廃棄物が発生し、単独での処理が困難となっている坂町につきましては、県が事務を受託し、直接、災害廃棄物の処理を行うこととし、必要な経費を9月補正予算に計上しております。

引き続き、国や市町と連携して、来年12月の処理完了を目指し、全力で取り組んでまいります。

 

(未来に挑戦する産業基盤の創生)

次に、「未来に挑戦する産業基盤の創生」についてでございます。

県内の経済情勢につきましては、個人消費は、一部に落ち込みが見られるものの、猛暑の影響や生活関連の需要に支えられる中で、持ち直しを見せております。

一方、生産に関しては、この度の豪雨災害による企業の設備・施設への被害、物流や従業員の通勤への影響を受け、7月の鉱工業生産指数が6月と比較して約2割減少いたしました。

現在、被災企業の数や規模などの詳細を把握するため、調査を実施しているところではございますが、推計では、直接被害のあった企業が約4,000社となっており、甚大な被害が生じております。

被災企業への支援につきましては、中小企業等支援機関、金融機関、国・県・市町の「産金官」が一体となり、緊急相談窓口の開設や、中小企業等によるグループの復興事業計画に基づき構成企業の施設・設備の復旧等を支援する、いわゆる「グループ補助金」、販路開拓などの事業再建を支援する持続化補助金、さらに、資金繰りなどの金融支援といたしまして、保証料を不要とした特別資金の新設等を実施しております。

引き続き、県内経済活動の速やかな復興に向けて全力で取り組んでまいります。

観光につきましては、直接的な被害を受けていない観光地におきましても、いわゆる風評被害が生じており、7月の主要観光施設の観光客数は前年の63%と大きく減少しております。

こうした風評被害を払拭するため、県内観光地の正確な情報発信に加え、災害救助法に指定された府県等が連携して、宿泊と周遊促進を図る「ふっこう周遊割」を展開しております。

今後は、中四国各県と連携した、国内外に向けたプロモーションを検討するとともに、本県独自のプロモーションを更に強化することで、ひろしまブランドや、せとうちブランドの復興に向けた切れ目のない取組を実施することとし、必要な経費を9月補正予算に計上しております。

さらに、来月28日に開催いたします「サイクリングしまなみ2018」を復興応援イベントとして位置付け、共催である愛媛県とともに、元気なしまなみ海道を国内外にアピールできるよう、盛り上げていきたいと考えております。

引き続き、被災した他県とも連携をしながら、観光ニーズの回復にしっかりと取り組んでまいります。

 

(将来に向けた強靭なインフラの創生)

次に、「将来に向けた強靭なインフラの創生」についてでございます。

公共土木施設につきましては、県内の広い範囲で甚大な被害が発生しており、懸命の復旧活動により、発災直後から、速やかに二次災害防止対策などの応急復旧工事を完了させてまいりました。

道路の復旧では、発災直後から速やかに道路の啓開を開始し、救急救命や物資輸送等に必要な道路に加え、各市町間や高速インターチェンジ等を連絡する道路ネットワークを確保いたしました。

また、被害が甚大で復旧に時間を要する箇所である国道375号につきましても、暫定的な工法の採用により、予定より3か月以上早く交通開放するなど、早期復旧に努めているところでございます。

土砂災害が発生した箇所では、降雨時の安全な避難経路を確保するため、大型土のう等による水の流路確保や、状況に応じてワイヤーネットの設置、土石流センサーの設置等を進めております。

また、再度災害防止のため、県では、緊急的な砂防ダム等の工事を約120箇所で実施いたします。

このうち、坂町小屋浦地区などの重点地区では来年12月までの完了を、それ以外の地区では来年度末までの完了を目指すこととしております。

これに加えて、国の直轄事業により、広島西部山系を中心に県内9地区で砂防ダム等の工事が実施されます。

河川の復旧では、特に土砂等が著しく堆積し河川の流れを阻害している箇所につきまして、来月上旬までに、全ての箇所で土砂の撤去等を完了させるとともに、その他緊急度の高い箇所におきましても、来年6月までに、土砂等の撤去を実施いたします。

今後、本格的な復旧に当たりましては、改良復旧を積極的に活用するとともに、被災前の構造にかかわらず被害発生の要因を踏まえた工法を選定するなど、インフラの強靭化を進めてまいります。

さらに、この度の記録的な豪雨により、多数の水害・土砂災害が発生したことから、発生要因等を分析し、今後の対策の在り方を検討するため、学識経験者等の有識者による検討会を設置し、先月9日に第1回検討会を開催いたしました。

本年12月の最終とりまとめを踏まえ、ハード・ソフトの両面から、災害による被害を最小限に抑制する対策の構築に取り組んでまいります。

多くの被害が発生しましたため池につきましては、国や市町と連携して、人家や公共施設への影響が想定される全てのため池を点検し、速やかに応急対策が行われるよう取り組んでまいりました。

今後は、被災したため池の復旧工事を推進するとともに、今年度末を目途に、ため池の整備、廃止及び管理に対する方針を策定し、防災機能の確保と利水機能の維持に努めてまいります。

 

(新たな防災対策を支える人の創生)

次に「新たな防災対策を支える人の創生」についてでございます。

この度の災害を振り返りますと、これまで整備してきた砂防ダムにより被害が防止・軽減されるなど、一定の効果は果たしたものの、設計上前提としている水準以上の土石流がダムを乗り越えた箇所もありました。

また、これまで、土砂災害警戒区域等の指定に集中的に取り組んでまいりましたが、その区域を越えて土石流が到達した事例があるなど、これまで取り組んできた「ハードによる対策」や「周知を徹底する」ということだけでは、災害に対応しきれないことが、改めて明らかになってまいりました。

このことから、今後の防災対策といたしましては、ハード整備を引き続き着実に進める一方で、災害が発生する前に、災害から命を守るための行動を確実にとっていただくために必要な対策を講じていくことが非常に重要になってまいります。

このため、実際の災害時において、県民一人ひとりが自ら判断して避難行動をとるために必要となる条件や要素につきまして、防災や行動科学の有識者を交えた詳細な調査・分析を行うために必要な経費を9月補正予算に計上しており、その結果を踏まえ、「みんなで減災」県民総ぐるみ運動の取組を強化してまいります。

2, 平成30年度主要施策の取組状況

続きまして、現在展開しております県民の皆様の欲張りなライフスタイルの実現を一層応援するための施策について、主な事業の取組状況を御説明いたします。

【欲張りなライフスタイルの実現に向けた取組】

(全ての子供が夢を育むことのできる社会づくり)

一点目は、「全ての子供が夢を育むことのできる社会づくり」でございます。

朝ごはん推進モデル事業につきましては、現在、モデル事業の実施が見込まれる小学校の関係者をはじめ、実際に朝食の準備などをしていただく地元の皆様、さらには、食材を無償で提供してくださる食品メーカーとも調整を進めております。

今後、子供たちに喜んで朝食を食べてもらいながら、基本的な生活習慣の改善などにも結びつけられるよう、引き続き早期の事業実施に向けて準備を進めてまいります。 

また、学びのセーフティネット構築事業につきましては、大学等進学時の経済的負担を軽減する新たな給付型奨学金の利用者を募集したところであり、11月上旬に内定者を決定いたします。

引き続き、家庭の経済的事情等にかかわらず、全ての子供の能力と可能性を最大限高める教育の実現に向けて取組を進めてまいります。

 

(第4次産業革命を好機とした生産性革命)

二点目は、「第4次産業革命を好機とした生産性革命」でございます。

AI、IoT等のデジタル技術を活用した実証実験「ひろしまサンドボックス」につきましては、推進協議会に400を超える企業などに参加をいただくとともに、先月3日に第一次公募38件の中から、クラウド上での中小製造業間のデータ共有による生産工程最適化の取組など優秀提案者5件を選定し、各実証実験を開始しております。

また、企業のIoT戦略を企画・立案する人材の育成に向けた実践的なプログラムとして、本年7月から社内IoTエキスパート育成講座を開催し、広島会場では12社19名が参加しているほか、来月から福山市でも開催いたします。

さらに、県立技術短期大学校におきましても、IoT等の技術に対応できる人材の育成に向け、来月から来年3月まで、9つの講座を開催いたします。

引き続き、生産効率の向上に向けた環境づくりや人材育成により、本県の新たな経済成長につながるよう取り組んでまいります。

 

(中山間地域の地域力強化及び都市圏の活力強化)

三点目は、「中山間地域の地域力強化及び都市圏の活力強化」でございます。

地域づくり活動を実践する人の輪を広げ、地域の課題解決に向けた住民の皆様の自主的・自発的な活動を活発化するため、私自身が県内市町に赴いて、実践者の方々と意見交換を行う里山ココロザシ・カフェを、今月からスタートさせ、これまで、三次市と北広島町で開催いたしました。

当日は、地域づくり実践者の方々が、それぞれの活動や地域との関わり方についてお話をされ、参加された方々からも、自分がどのように地域と関わることができるかについて、様々な意見が出されました。

今後とも、中山間地域への関心を高め、地域づくり実践者の裾野が拡大していくよう取り組んでまいります。

また、中山間地域ならではの新しいワークスタイルの定着に向けた、廃校施設等の地域資源を活用した企業のサテライトオフィス誘致の取組につきましては、関係市町により、「お試しオフィス」が整備され、今月末からは、現地を知ってもらうためのモニターツアーが順次実施されます。

県といたしましても、積極的な誘致プロモーションにより関係市町をサポートし、中山間地域ならではの仕事づくりにつなげてまいります。

次に都市圏の活力強化についてでございます。

「ひろしま都心活性化プラン」に基づいて、広島市都心の拠点性向上を図るため、広島市や経済界などと一体となって、紙屋町・八丁堀地区におけるエリアマネジメントの体制の構築に向けた支援や都市再生緊急整備地域の指定をはじめとした民間の投資を呼び込むための仕組みづくりなどに取り組んでおります。

また、福山駅前地区の活性化につきましては、エリアマネジメントの推進に向けた歩道空間を活用した社会実験の実施や、先月開催された福山駅前デザイン会議におきまして公共空間活用の議論が行われるなど、駅前の賑わいの創出に向けた取組が着実に行われております。

引き続き、広島市や福山市と連携して、都心空間の魅力向上を図り、都心の活性化を推進してまいります。

(スポーツを核とした地域づくり)

四点目は、「スポーツを核とした地域づくり」でございます。

今月から11月にかけて、本県では大規模な国際競技大会が連続して開催されます。

今月10日開催の女子テニスの国際大会「ジャパンウイメンズオープンテニス2018」をスタートとして、来月には、アジア初開催となる、障害者スポーツにおけるヨットの世界大会「2018ハンザクラスワールド広島」、11月には、フィギュアスケートの国際大会「2018NHK杯国際フィギュアスケート競技大会」が開催されます。

これらの大会開催を好機と捉え、県民一人ひとりが多様なスポーツを楽しむ機会を提供するとともに、観光、文化、教育等、多方面にわたる施策の推進に最大限活用し、スポーツを核とした地域づくりに取り組んでまいります。

【その他の欲張りライフ応援施策】

続いて、その他の欲張りライフを応援する施策について御説明いたします。

まず、県立広島大学の改革についてでございます。

社会経済環境の大きな変化に対応できる人材を育成するため、県立広島大学の既存3キャンパスの学部・学科等の再編と新たな教育モデルの構築を両輪とする改革について、県と県立広島大学の間で協議・検討を進めてまいりました。

今後は、新たな教育モデルの構築に向けて、先進的な教育手法に関して知見を持つ大学教員や有識者が中心となって、具体的なカリキュラムの設計や定員規模、教員数や運営体制など、実務的な観点からの調査・詳細検討及び文部科学省との事前調整を並行して進めることとし、必要な経費を9月補正予算に計上しております。 

次に、働き方改革の推進についてでございます。

職場環境の改善や男性の家事・育児への参画など様々なテーマを幅広く取り上げた「ファザーリング全国フォーラムinひろしま」を、今月7日及び8日に開催いたしました。

両日で約680人の企業や県民の皆様に御参加いただき、欲張りなライフスタイルの実現に向け、誰もが働きやすい職場環境づくりの促進について、理解を深めていただく機会になったものと考えております。

このフォーラムに先んじて、経済団体による「働き方改革実践企業認定制度」では、これまでの認定企業数を大きく上回る79社が新たに認定されたところです。

引き続き、働き方改革の推進に向けた機運の一層の醸成、企業への働きかけに取り組んでまいります。

次に、イノベーション・エコシステムの共通基盤の強化についてでございます。

地域のものづくりプロセス全体のデジタル化を推進するため、昨年10月に「ひろしまデジタルイノベーションセンター」を開設し、環境整備のみならず、研修等を通じて人材育成や人材のネットワーク構築に取り組んでまいりました。

こうした中、更なるデジタル化の推進、県内産業の生産性向上と付加価値増大に向けて、新たに、産学官の連携の下、大学での先端的な研究や高度な人材の育成と、地域の中核的な産業を結びつけることにより、地域活力の更なる向上を図る「ひろしまものづくりデジタルイノベーション」創出事業を実施することとし、必要な経費を9月補正予算に計上しております。

次に、多様な投資誘致の促進についてでございます。

企業の高い投資意欲を背景に、県内の企業立地が好調に推移し、特に県東部地域においては、現在、三原市と共同で整備を進めております本郷産業団地の1期が完売するなど、企業ニーズに対応可能な企業用地が減少しております。

このため、アクセス面などにおいて企業ニーズに対応可能で、他県との競争力を有する本郷産業団地の2期及び3期の造成事業に着手することとし、必要な経費を9月補正予算に計上しております。

また、事業着手と同時の公募により、早期の企業立地を図るため、財産処分の議案を合わせて提出しております。

さらに、企業の事業拡張に伴う工業用水の増量計画に対応するため、東広島地域において工業用水を供給しております田口浄水場の水道施設の増設を行うこととし、必要な経費を9月補正予算に計上しております。

次に、自然環境の保全についてでございます。

陸域から河川を通じて海へ流れ出たごみや海域で発生したごみが漂流し、その一部が他県の海岸にも漂着するなど、海ごみによる景観・環境の悪化や観光への悪影響が問題となっております。

今年度実施中の、海岸漂着物の実態調査におきましても、プラスチックごみの割合が高く、かき養殖に使用される養殖パイプが多く含まれていることから、流出要因の把握などの実態調査を実施するため、必要な経費を9月補正予算に計上しております。

 

(広島の価値の共鳴・共振)

次に、「広島の価値の共鳴・共振」の分野でございます。

先月には、東アジアの核軍縮・軍備管理に焦点を当てた多国間協議であるひろしまラウンドテーブルを開催し、日本、豪州、中国、韓国、ロシア、米国の核軍縮・国際関係の専門家や政府関係者、世界を代表する研究機関の研究者を招聘し、朝鮮半島の非核化と東アジアの核軍縮の進展に向けて議論いただき、議長声明を取りまとめました。

また、11月に開催する「国際平和のための世界経済人会議」では、フランソア・ミッテラン元フランス大統領特別補佐官などの要職を歴任されたジャック・アタリ氏をはじめ、世界から、企業やNGO、研究者など、様々な主体を迎えて、企業活動として、平和を阻害する様々な障壁を克服する活動への関心を高め、取り組む企業が増える仕組みづくりなどについて、議論を深めてまいります。

こうした取組を通じて、本県として、核兵器のない平和な国際社会の実現に具体的に貢献していきたいと考えております。

 

3, 当面する県政の諸課題への対応

次に、当面する県政の諸課題への対応について、御報告いたします。

まず、広島高速5号線についてでございます。

本年1月から二葉の里地区において、地域住民の御協力を得ながら進めてきましたシールドマシンの現地組立が、この度完了したことから、シールドトンネル掘削に本日着手いたしました。

引き続き、広島市、広島高速道路公社と連携し、地域住民の皆様の御理解・御協力を得られるよう丁寧な対応に努めながら、着実な事業推進に取り組んでまいります。

次に、広島市東部地区連続立体交差事業についてでございます。

現在、都市計画変更に向けた手続きを進めており、関係市町と連携し、今月13日から17日にかけて、都市計画素案に係る住民説明会を開催したところでございます。

引き続き、共同事業者である広島市と連携し、できるだけ早期に工事着手できるよう、取り組んでまいります。

次に、ブロック塀等の安全確保対策についてでございます。

本年6月に発生しました大阪府北部を震源とする地震により、小学校のブロック塀が倒壊し、通学中の児童が亡くなられたことを受け、県立学校をはじめとする県有施設のブロック塀等について現地調査を実施したところ、多くの施設において、劣化や損傷が生じていたり、現行の法令基準に適合しないブロック塀等が存在することが明らかとなりました。

このため、この調査結果を踏まえ、劣化や損傷の状況に応じたブロック塀等の改修や、専門業者による安全点検を行うこととし、必要な経費を9月補正予算に計上しております。

今後、撤去や改修等を速やかに行い、安全性を確保するとともに、実効性のある点検の徹底により、早期に安全確保策を講じてまいります。

 

4, 9月補正予算案等の概要

次に、今回提出いたしました議案について、その概要を御説明いたします。

まず、一般会計補正予算案につきましては、8月補正予算に引き続き、平成30年7月豪雨災害に係る対策に全力で取り組むとともに、6月補正予算編成後の状況変化等を踏まえ、必要性が認められる事業に適切に対応することを基本として、編成しております。

具体的な補正の内容でございますが、平成30年7月豪雨災害に伴う、被災者支援や災害復旧・復興事業等を実施するための経費や、「欲張りなライフスタイル」の実現に向けた取組などに、時期を逃さず対応するための経費について、予算を計上しております。

これらの結果、一般会計の歳入歳出補正予算額は、644億2,414万円の増額となり、本年度予算の累計額は、1兆1,475億4,703万円となります。

その他、特別会計補正予算案につきましては、2会計で66億3,190万円の増額、企業会計補正予算案は、3会計で26億4,498万円の増額となっております。

次に、予算以外の議案といたしましては、「広島県手数料条例の一部を改正する条例」などの条例案8件、人事案件といたしましては、「広島県教育委員会委員の任命の同意について」の1件、その他の議案では、「工事請負契約の締結について」など12件を提出しております。

また、報告事項として、専決処分報告などを提出しております。

どうぞ、慎重に御審議いただき、適切な御議決をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 

おすすめコンテンツ

みなさんの声を聞かせてください

満足度 この記事の内容に満足はできましたか? 
容易度 この記事は容易に見つけられましたか?