■ 広島のレモンの歴史
広島県のレモン栽培は、豊田郡大長村(現広島県呉市豊町大長)が、明治31年に和歌山県からネーブルの苗木を購入した際、混入していたレモンの苗木3本を試植したのが始まりといわれ、その品種はリスボン系と推測されています。
瀬戸内の気候がレモンの栽培に適していること、明治末期から大正初期にかけての価格高騰などにより、大長地区を中心に急激に普及し、大正3年には栽培面積11haになりました。
その後、瀬戸田地区でも急速に栽培が増え、昭和28年には栽培面積18ha(全国:25ha)と、全国一のレモン生産県となりました。
その後も生産量は増加し、昭和38年には栽培面積が70ha(全国:144ha)、生産量も600tを越し、全国の50%を占めるところとなりました。
ところが、昭和39年5月の「レモンの輸入自由化」、昭和51年、56年の大寒波などにより、国産レモンは致命的な打撃を受け、国産レモンの生産量は一時激減し、昭和52年には、輸入レモンが10万トンを超えることとなりました。その後、国産農産物への需要増加などにより、徐々に栽培面積と生産量を増やしてきました。
■ 広島のレモンは生産量日本一 ~ 全国51%の生産量(令和3年産)
レモンには、強風雨によって感染するかいよう病と冬の寒さに弱いという特徴があります。
瀬戸内沿岸の地域は、温暖かつ台風の襲来が少なく、雨の少ない気候からレモンの栽培適地であり、その中でも呉市、尾道市、大崎上島町などの島しょ部を中心に生産され、日本一の生産量を誇っています。
令和3年現在、広島県の栽培面積は302ha(全国736ha,シェア41%)、生産量4,401t(全国8,660t、シェア51%)となっています。
〔令和3年産 特産果樹生産動態等調査・果樹品種別生産動向調査/農林水産省より〕
■ 広島のレモンを周年供給!! ~ 一年を通してレモンをお届けします。
レモンの出荷は、7月のハウスレモンから始まり、10月、11月は緑色の鮮やかなグリーンレモンとして、年末ころから5月はおなじみのイエローレモンを出荷しています。
また、貯蔵・包装技術の開発により、6月から8月にかけて個包装したレモンの出荷が可能になり、年間を通じた供給体制が整いました。
■ 広島県立総合技術研究所が生産・販売を応援します!!
広島県立総合技術研究所では、関係機関と連携して生産現場の問題解決に取組んでいます。近年では、瀬戸内広島レモンの生産量増加や周年安定供給につながる技術として、環境制御ハウスで収穫前進化や収量増加を可能にする栽培管理方法、腐敗ロスを軽減する長期貯蔵方法及びレモンに特異的な病害虫防除方法の開発に取り組み、生産現場への技術移転を順次行っています。
■ レモンを使ったレシピを公開中!!
皮まで食べられる『瀬戸内 広島レモン』を使った簡単なものから、ひと工夫のレシピをご紹介しています。
餃子と一緒に広島県産レモンを食べても美味しいですよ。
■レモンの原産地 ~ 原産地はインドのヒマラヤ
レモンの原産地はインドのヒマラヤ東部山麓であると推測されています。10世紀にはイラクで栽培され、12世紀には中近東諸国へ広がりました。
アメリカにはコロンブスによって1492年に導入され、我が国での栽培は、明治6年(1873年)に静岡で種子をまいたのが始まりと言われています。
■レモンの品種
わが国で栽培されているレモンの代表品種は、外国から導入された、リスボンとビラフランカです。