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2020年1月30日保健環境センター研究発表会を開催しました

印刷用ページを表示する掲載日2020年3月3日

 令和2年1月30日に「令和元年度広島県立総合技術研究所保健環境センター研究発表会」を広島県健康福祉センター(広島市南区)で開催しました。
 発表内容は,今年度に実施している研究課題の成果や当センターが対応した行政検査,事案検査の結果を中心に,保健研究部から3題,環境研究部から3題と,の計6題の発表を行いました。
 県の関係事業課,関係地方機関などから30名近くの参加を頂き,参加者の方々からは多くの質問やアドバイスがあり,盛会のうちに無事終了いたしました。

会場
令和元年度保健環境センター研究発表会

 研究発表の概要について,紹介します。

1 薬剤耐性菌のプラスミド解析からわかること~スーパー耐性菌が多剤耐性の理由~

(保健研究部 研究員 増田 加奈子) 

 細菌のDNAには染色体上のDNAと,染色体外にあるプラスミドと呼ばれるDNAがあります。薬剤耐性遺伝子がプラスミドにある場合は菌種を超えて薬剤耐性情報を伝えるため大きな問題となります。
 県内で海外渡航歴のない患者から多剤耐性菌が検出されたことから,次世代シーケンサーによるプラスミド解析により海外渡航歴のある患者から検出された多剤耐性菌と比較を行いました。
 双方のプラスミドは類似していましたが,世界的に流行しているプラスミドとも類似していたため,関連性は不明でした。一方で,高度に多剤耐性になる原因がわかりました。
 今後も耐性菌の変化や拡大の兆候をいち早く把握し,行政へフィードバックできるよう,継続的監視に取組んで行きます。
演題1

2 食中毒の原因として疑われる魚類の寄生虫「クドア属等粘液胞子虫」の網羅的検出法の確立

(保健研究部 研究員 平塚 貴大)

 平成23年に粘液胞子虫であるクドア・セプテンプンクタータが食中毒の原因に指定されました。
 しかし,別種の粘液胞子虫の中にも食中毒の原因として疑われている種がいます。
 そこで,食品残渣から定量リアルタイムPCRにより粘液胞子虫を検出する試験系を構築しました。
 生の魚が原因の可能性のある食中毒が発生した際は,この試験系を用いて原因究明に取組んでいきます。
演題2

3 遺伝子組換え食品における検査可能なばれいしょ加工食品拡大に向けての取組

(保健研究部 研究員 福原 亜美)

 遺伝子組換え食品の検査では,様々な加工状態の食品に対応する必要があります。
 今回,ばれいしょについて厚生労働省が通知する方法では検査が困難とされているでんぷん加工品(片栗粉やでんぷん麺等)について検査法を検討した結果,片栗粉については円滑に検査ができるようになりました。
 でんぷん麺等についても得られた知見を基に検査法の検討を続け,食品衛生法に基づく表示の監視に反映させていきます。
演題3

4 保健環境分野への新しいデータ解析手法導入の試み~ミクロキスティスを例として~

(環境研究部 主任研究員 木村 淳子)

 メタボロミクスは生物の代謝物を網羅的に分析し,生命現象を解析する手法であり,化学物質に暴露された生物の代謝変化や変異等を検出できます。
 これまでは医療分野の事例が多いですが,当センターでは本技術を獲得し,まずは,従来から取組んでいる植物によるミクロキスティス(湖沼等のアオコの原因藻類の一種)の増殖抑制のメカニズム解明を進めていきます。
 また,本技術で用いられるデータ解析手法は,事故時と平常時の差の検出や化学物質の季節変動解析等,保健環境分野への応用が想定され,当センターにとって有用な技術であると考えています。
演題4

5 県内における微小粒子状物質(PM2.5)の発生源寄与率の推定

(環境研究部 研究員 竹本 光義〔副部長 大原俊彦 代理発表〕)

 近年,PM2.5は全国的に減少傾向ですが,首都圏や瀬戸内海地域では依然として環境基準を超過している地点が多くなっています。
 PM2.5対策を行うためには,原因となっている発生源の把握が必要となるため,大竹油見公園の成分分析データを使って発生源寄与率の推定を試みました。
 結果は,一次生成粒子(発生源から直接発生)が全体の2割,二次生成粒子(光化学反応などでガス状物質が粒子化)が8割となり二次生成が主要な要因であることがわかりました。
 一次生成粒子への寄与率は自動車由来が最も高く,全体の1割程度となりましたが,これは平均的な都市部の状況と同様でした。
 二次生成粒子については,硫酸イオンと有機粒子が多いことから硫黄酸化物とVOCの影響が大きいことが明らかになりました。
 今後はPM2.5高濃度時データに特化した解析にも取組みます。
演題5

6 豊かな里海づくりのためのアサリ被覆網の有効性

(環境研究部 主任研究員 後田 俊直)

 現在,国では里海づくりの考え方を取入れ,アサリなど生物生息の場を保全するための取組をどのように実施していくべきか検討しています。
 里海活動のひとつとして行われている被覆網を用いたアサリの再生活動について,県内の事例と被覆網の有効性を調査しました。
 被覆網の交換など適切に漁場管理及び漁獲管理が行われることで,アサリの再生産を示すデータのみならず,干潟の他の底生生物密度も向上していることを示すデータが得られました。
演題6

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